最近は、「小さい子供を遠出させるのは可哀想だ」「小さい頃にバカンスに行っても記憶に残らない」
といった理由で子供連れは飛行機に乗るべきではないという意見の人もいるようですが、帰省や転勤などやむを得ない事情で子供と搭乗しなければならない時ってありますよね。
そして一番言われて辛いのは、やはり「うるさい」という意見です。
飛行機に乗るなと言われても、親御さんだって別の手段があればとっくにそちらを選んでいます。
そんな子供連れに厳しい環境で飛行機に乗る際、やはり心配なのは機内でお子さんが泣き出してしまうことではないでしょうか。
小さいお子さんと一緒に飛行機に乗る親御さんに向けて、泣き出し防止のためにできること、泣いてしまった時の対処法、トラブルを避けるために親御さんがとった方が良い行動などをお話しします。
飛行機で子供が泣いてしまう前に対策をしましょう
親御さんは機内でお子さんが泣き出さないか、搭乗前からひやひやしますよね。
飛行機でお子さんが泣き出してしまわないように、もし泣き出してしまっても被害を最低限にとどめられるように、事前にできる対処法をご紹介します。
フライトの時間帯は昼にしましょう
旅行などの日程によりますが、出来ればフライトは昼にしましょう。
早朝と深夜はビジネスマンが多いですから、大事な仕事などを控えているとイライラされがちです。
また、夜の便は移動で睡眠をとる人がほとんど。
もしもそんな時にお子さんが泣いてしまったら、やはり他の乗客は眠れないでしょうから不満が募ります。
お子さんも普段はぐっすり眠っている時間帯に身動きの取れないイレギュラーな場所にいるとストレスでしょうから、飛行機に乗る時間は考えましょう。
席を予約する際に工夫しましょう
飛行機の座席を予約する際に、出来たら通路側で後方の席を選ぶようにしましょう。
通路側だと客室乗務員に声を掛けやすいですし、あやしに行く時などに席を立つのもスムーズです。
また、後方座席はシートが2列になっていることが多いので隣を気にすることなく座れますし、トイレも近いのでお勧めですよ。
お子さんの生理的欲求を満たしておきましょう
特に赤ちゃんの場合、泣く原因は大抵生理的欲求に関することです。
お腹が空いていないか、暑かったり寒かったりしないか搭乗前に確認しておきましょう。おむつを替えておくのも忘れないでくださいね。
お子さんの好きなおもちゃを用意しておきましょう
3歳頃からは好奇心が旺盛になるので、前の座席を蹴ったりテーブルを開け閉めしたりしがちです。
注意したところで泣き出されたら困りますよね。
しかし、逆に何かにじっと集中できるようになる時期でもあります。
お子さんの好きなおもちゃ、例えば絵本やぬり絵、携帯ゲーム機などを持っていくと安心。タブレットなどを持っている人はお子さんが好きなゲームやアニメをを入れておくと便利ですよ。
必要な荷物はすぐに取り出せるようにしておきましょう
小さなお子さんを連れて飛行機に乗る際には、上の棚に預けておく荷物と手元に置いておく荷物をきちんと分けておきましょう。
お子さんが乳幼児の場合、おむつ、ミルク、おもちゃは必須です。ストールなどがあると寒さ対策や授乳ケープとして使えるので便利です。
お子さんが幼児の場合は遊び道具とお菓子、飲み物はすぐに取り出せるようにしておきましょう。
飛行機で子供が泣いてしまった時の対処法
どんなに子供を泣かせまいと準備をしても、もちろん子供が泣いてしまうことはあります。
親御さんは周囲の目が冷たいと焦ってしまうかもしれませんが、親御さんの不安や焦りがお子さんに伝わってしまうと、余計に泣くことも。
慌てずに色々な方法を試して、お子さんが泣いている原因を探し、落ち着いて対処しましょう。
原因① 機内の温度
飛行機の中は冷房が効いているので寒い事が多いですが、私は小さい頃に機内が暑くて具合を悪くしたことがあります。
大人の体感と子供の体感は結構違いますよ。
暑い・寒いどちらも十分考えられますので、汗をかいていないか、または震えたりしていないか、お子さんの様子を見て落ち着いて対処しましょう。
原因② 酸素濃度が低い
小さい子供は大人に比べて、酸素濃度が少しでも低いと息苦しくなってしまいます。
お子さんが息苦しそうにしていたら、息を吸いやすい体勢を取らせてあげてください。
この時、濡れたタオルなどで口や鼻の周りを加湿してあげると息苦しさが和らぎますよ。
原因③ 気圧の差
飛行機が離陸したり着陸したりすると、大人でも耳が痛む時がありますよね。
子供の体は大人のように気圧の差に耐えられないので、耳の痛みはさらにひどいです。事前に耳鼻科に行って中耳炎だった場合、子供は耳抜きが上手くできずに非常に辛い思いをします。
もしお子さんが中耳炎にかかっている場合は、痛め止めの薬をもらっておきましょう。
中耳炎でない子ももちろん耳鳴りはしますから、その場合は飴を舐めさせたり飲み物を飲ませたり、赤ちゃんの場合はおしゃぶりを咥えさせるなどして上手く耳抜きをさせてあげてください。
一番の対処法は寝かせること
お子さんが機内で泣き出してしまった時の一番の対処法は寝かせること。
一度泣き出してしまったら寝かせるのは大変かもしれませんが、機内で眠りやすい環境を作ってあげるようにしましょう。
お子さんが幼児の場合は、空港のキッズスペースや旅先で思いきり遊ばせておくと飛行機で眠ってくれやすくなります。
お子さんが乳幼児の場合は、搭乗前のお昼寝を控えておくと良いですよ。
親御さんは周囲の人への気遣いを忘れずに
小さな子供と一緒に飛行機に乗る際、周囲の人への配慮が必要です。
子供が泣くのは仕方のない事です。その時の親御さんの対応が重要になってきます。
周囲の人への気遣いを忘れずに、みんなが機内で気持ちよく過ごせるようにしましょう。
近くの人に一声掛けましょう
近くの席に小さな子供が座ったら嫌な顔をする人は少なくありませんが、親御さんが一声掛けるだけで子供連れに対する印象は違います。
- 席に着いたら近くの人に「子供がうるさくするかもしれません。ご迷惑をおかけします。」と声を掛ける。
- もし子供が泣き出してしまったら、周りの人だけにでも「ご迷惑をおかけしてすみません。」と謝る。
このように「迷惑をかけて申し訳ない」という気持ちを伝えることが大切です。
誰だって昔は小さい子供ですし、子供を育てた経験のある人ならなおさら理解してくれるはずです。周りに気を遣えるのは素晴らしい事ですから、きっと良識のある人なら「頑張って」と思ってくれますよ。
親御さんも大変ですが、開き直らずに
小さな子供が泣くのは仕方のないことですが、だからと言って親御さんが「子供が泣くのは当たり前」と開き直ってしまっては、周囲の理解が得られなくなってしまいます。
子供が泣いているのにお母さんはあやそうともせず周りに申し訳なさそうな素振りも見せない…
そんな光景を目にしたら、私だったら子供ではなくお母さんに注意したくなってしまいます。
小さな子供は仕方ありませんが、大人はマナーを身に着けているのが当然ですから周囲に気を遣うのは親の役目です。
私も子供を育ててきた身なので親御さんの大変さはよくわかりますが、周囲に白い目で見られるのも辛いですよね。ですから極力お子さんのお世話をしてあげてください。
そうしたら、「親御さんがこれだけ手を尽くしているのだし、こちらも我慢しよう」と周囲の目も多少穏やかになりますよ。
子供連れでも安心して旅ができる環境を
ここまで小さい子供を連れた人に向けてお話してきましたが、他人の子供が泣き出してしまった時に周囲の人が取るべき行動や心持についてお話させて頂きます。
子供を連れて飛行機に乗ったことがある人でも、他人の子となると気になってしまう人も多いと思いますし、イライラしたことがある人もいると思います。
親御さんが安心して子供と飛行機に乗れるように、広い心で構えてあげましょう。
小さい子供と大人は違う
乳幼児は不快な気持ちや不安があると泣いてお母さんに伝えますので、泣くのは仕方のない事です。
また、幼児も慣れない環境は不快でしょうし、言い聞かせて何とかなる年頃ではない子もいます。
そういった子供たちに「静かにしろ!」と怒鳴りつけるのは良くありません。
誰でも幼い頃に公共の場で泣き出してお母さんを困らせたことはあるでしょうし、大人が大人の当たり前を押し付けるのは間違っています。
小さな子供の感情を、当り前のようにコントロールできるものだと思わないようにしましょう。
親御さんに優しい言葉を掛けてあげましょう
小さい子供を連れたお母さんなどは、フライト中終始ひやひやしていることでしょう。子供が泣き出してしまった時のストレスは周りの乗客と比べものにならないくらいです。
大げさにため息をつく人、睨みつけてくる人、文句を言ってくる人…。どうしても心ない人はいますから、お母さんは周囲の視線が痛いと思います。
ですから、もしそんな親御さんに声を掛ける機会があったらぜひ優しい言葉を掛けてください。
「可愛いお子さんですね。」「よく頑張ったね。」このような言葉を掛けるだけで親御さんは涙が出るほど嬉しいと思います。
声を掛けるのは気が引けるという人は、親御さんに笑いかけるだけでも良いです。それだけでも「(子供が泣いても)こちらは大丈夫ですよ」と伝わるので親御さんは安心しますよ。
子供連れの乗客に冷たい視線を送ってきた人へ
最近何かにつけてすぐに「子供連れは社会に甘えている」という人が多い気がします。悲しい事です。
子供連れなのを免罪符にして迷惑行為をするような人はごく一部で、大抵の人は周りに申し訳ない、と肩身の狭い思いをしながら生活しています。
私はどちらかというと騒いでいる子供が苦手ですが、慌てて子供を注意していたりあやしている親御さんがほとんどなのでイライラすることはありません。元気なのは結構ですしいつも目を細めてしまいます。
子供連れを温かい目で見ることができるくらいの心の余裕は持っておきたいですね。
どうしても子供が苦手だ、という人は子供を意識に入れないというところから始めてみてはどうでしょうか。イライラするだけ自分が損します。イライラすることがあっても当たらず、上手くやり過ごすのも大人のマナーですよ。
まとめ
- 子供が泣いてしまう前に対策を取りましょう
- 機内で子供が泣いてしまったら落ち着いて対処しましょう
- 親御さんは周囲の人への気遣いを忘れないようにしましょう
- 子供連れでも安心して飛行機に乗れる環境を作ってあげましょう
子供が飛行機で泣いてしまうことについての対処法と、親御さんや周囲の人が心掛けるべきことについてお話してきました。
子育ては親御さんの力だけではできません。どんな人もたくさんの人の協力を受けて大人になってきたはずです。
お子さんを連れて外出する親御さんと、公共の場で子供連れに出会う人、お互いがマナーを守りあっていけばもっと子供たちが過ごしやすくなるのではないでしょうか?
また、何とかして子供を泣かせまい、または泣き止ませようとこの記事を読んでくださった方は周囲の人に気遣いができる立派なお父さん・お母さんだと断言できます。
ぜひここでお話したことを活用して頂けたら幸いです。