生活・くらし

土間の意味は「玄関」じゃない?今どきの住宅事情を見てみよう




「土間」という言葉を聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか?

多くの人は、家に入ってすぐの玄関のことを思い浮かぶかもしれませんね。

でも実際のところ、土間と玄関の区別があいまいに感じる方も多いでしょう。

今回は土間の意味について、玄関との関係を含めて確認していきたいと思います。

土間の意味と玄関との関係

土間とは、床を張らず、地面とほぼ同じ高さを土足で歩くように三和土(たたき)や珪藻土(けいそうど)、コンクリートやタイルなどで敷き詰められ作られた場所のことです。

「土」の文字が入っていますが、どんな素材であろうと土間と呼ぶことになります。

土足で入る場所=玄関なので、玄関を土間と言うようになっていますが、正確には玄関程度の広さを土間とは呼ばないようです。

靴を脱ぎ履き以外の活用される広い空間のことを土間と呼ぶのが正しいとされています。

(ただ、土間=玄関という認識が広まっているのでこれが間違いと決めつけることはできません)

古い日本家屋では多く見られていましたが、現在は玄関までしかそのような作りにしないことが多いです。

昔は農作業の道具の手入れをする場所や床が腐らないという理由で炊事場として活用されていましたが、前者は現代で全ての家がやっているわけではなく、後者は調理の仕方が大きく変わったためそのような心配がいらなくなりました。

日本人は「家屋で靴を脱ぐ」という習慣が染みついていることから家の中で靴を脱がない空間をわざわざ作るようにならなくなったということも現代で広い土間があまり作られない要因になっています。

現代にも取り入れられる土間のメリット

先に書いたように今の日本家屋には土間が絶対に必要であるというわけではなくなりました。

しかし、それで土間がなくなったわけではなく、今の生活に合わせた形で土間が使われていることがあります。

リフォームする時にもわざわざ土間を取り入れることもあるくらいです。

次に挙げるのは、そんな土間を現代の家に取り入れた場合のメリットになります。

収納スペースとしての土間

最も取り入れやすい土間は、玄関の範囲を広くして土間にすることです。

広い玄関として土間があれば、自転車やベビーカーなどをそのまま家の中に入れて置いておくことができます。

また、雨の日に濡れてしまった傘やレインコートも濡れても良い広い空間があれば、中に置いて乾かすことができます。寒い冬にはヒーターのための灯油を中に置いても邪魔になりません。

このように本来は屋外や倉庫に置かなければならないものをそのまま家の中に収納することができるので、便利がよく、家の中にあることで盗難などの犯罪対策にもなるというメリットがあります。

キッチンとしての土間

床が腐る心配はあまりする必要がなくなりましたが、それでも火や水が飛び散ったりすることに対して土間のキッチンが有効であることには変わりありません。

庭がある家は土間のキッチンから庭までの道を確保することで、外での食事やパーティーをするのに最適なものになります。

土間のメリットとしてこのようなコミュニケーションの空間を作り出すことができるというものがあります。

リビングとしての土間

リビングの一部を土間にすることで、家屋に疑似的なテラスを作ることができるというものです。

ガーデニングの趣味がある場合は、土間にそれらを置いて見るとか、日曜大工も家の中でできるようになります。

また、ペットがいる場合は、土間の空間で遊ばせてあげることも可能です。

普通の床だとできないことができるメリットが土間にはあります。

取り入れることで起こる土間のデメリット

土間には当然ながらデメリットも存在します。ここではデメリットとそれの対策について挙げていきます。

土や埃

土間では水や火などは気になりませんが、土足での出入りが多いことから、どうしても土や埃が入りやすいというデメリットがあります。

対策としてはこまめに掃除をするしかありません。

特にキッチンの場合は、これらはとても気になるものなので、玄関とは逆に物をあまり置かない方が掃除しやすいです。

床との段差

一部を土間にすると、床との境目に段差ができてしまいます。

小さなお子様がいる場合は、危ない場所になるので、気を付けなければいけません。

これは普通の玄関にも言えることですが、特に段差が多くなる土間では、床と土間との段差をなるべく危なくない高さに調整しておく必要があります。

冬の寒さ

コンクリートやタイルの土間の場合、熱を吸収しやすいので、底が冷たく感じるようになります。

外よりはマシかもしれませんが、せっかくの屋内ならそこも対策したいところです。

これに関しては、土間に床暖房のシステムを入れることで解決することができ、コンクリートの場合は熱を溜め込むので、床暖房とは相性がいいです。

ただ、これができない場合、寒さは1つのデメリットになってしまいます。

もう1つの手段としては床と土間の段差に仕切り用のドアを付けることです。

これがあれば寒さと共に小さいお子様の危険も対策できます。

夏場は開けっ放しにできるように引き込み式のドアを設置して、季節によって使い分けるようにすると良いです。

まとめ

今回の記事についてまとめると、

  1. 土間の本来の意味では玄関は含まれない
  2. しかし、現代では玄関を土間と呼ぶ流れができている
  3. 現代でも土間を使うことで様々なメリットがある

の3つになります。

現代で土間を取り入れるのはなかなか思いつかないことですが、良い部分があるなら取り入れたいと思った方もいたかもしれません。

この記事が家を探すときやリフォームをする時の参考になれば幸いです。




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