「お腹」のことを赤ちゃん言葉で「ぽんぽん」と言いますよね。
赤ちゃんには「おなか」という言葉は少々難しいので、発音しやすく覚えやすい「ぽんぽん」という言葉でお腹のことを教えているわけですが、なぜ「ぽんぽん」なのでしょうか?
たとえば犬のことを「わんわん」、車のことは「ぶーぶー」のように、赤ちゃん言葉にするにはその対象物の発する音を使って表現しているわけですが…。
果たして、お腹は本当に「ポンポン」と鳴るのでしょうか?
実はお腹を叩いて太鼓のようにポンポン鳴る人と鳴らない人がいるようです。
実際にお腹がポンポン鳴る人の中には、音の鳴り方が太鼓を鳴らしたような感じでちょっと異常だ…という不安から「もしかして悪い病気が隠れているのでは…」と心配されている方も多いようです。
そこで、お腹を叩くとポンポンと太鼓のような音がするのはなぜなのか?心配するべきことはあるのか?調べてみました。
なぜポンポンと鳴るの?
実際、人によってお腹を叩いたときにポンポン鳴る人と鳴らない人がいるようです。
例えば家族の中で自分だけポンポン鳴るのであれば「なぜ自分だけこんなにタヌキみたいな音がするのか?!」と少々不安になりますよね。
そこで、なぜお腹を叩くとポンポンと音が鳴る人がいるのか?音が鳴る条件を探ってみましょう。
お腹の皮が張っている
お腹をポンポン鳴らすことを「腹鼓(はらつづみ)を打つ」と言います。
鼓とは、和太鼓のひとつです。ひな人形の五人囃子の一人が担いで持っている太鼓、といえば思い出しますね。
太鼓が鳴るにはピンと張った皮を叩かなければいけませんよね。
よく「お腹が張る」という言葉を使いますが、これは「膨満感」といって主に下腹が張って苦しい時に感じます。
なんとなくお腹が張って食欲が出なかったり、便秘と言うわけでもないのに下腹が張った感覚が続いていたり。
この症状の時にお腹を叩くとポンポンと太鼓のような音がします。
ガスが溜まっている
お腹がポンポンと鳴るのは脂肪たっぷりの人のお腹なのでしょうか?
脂肪が原因でポンポン音がすると勘違いしている人もいるようですが、たとえ脂肪でも中身が詰まっていればポンポンとは鳴りません。
中身が詰まっていれば、叩いても「ペチ!ペチ!」というお腹以外の身体の部位を叩いたのと同様の音しかしません。
なるほど、だから腹筋が割れた筋肉質の人のお腹はポンポン鳴ったりしないのですね。
ポンポンと音がするのは、中で音が響いているからなんです。
ということは、お腹の中に空気が溜まっているという可能性があります。もちろん、お腹の中に溜まる気体ですからガスということになります。
おならとの関係
お腹の中に溜まっているガスといえばおならですが、お腹にガスが溜まっている感じってわかりますよね。
お腹が張っているときはよくおならも出ます。
お腹にガスが溜まってポンポンと音がするのなら、なぜおならが異常に溜まってしまうのかを探ってみましょう。
食事のときにのんでいる空気
おならが出る原因の多くは食べ物です。
腸内で発生したガスは腸管から吸収されますが、吸収しきれなかったガスがおならとなって体外に出てくるのです。
おならの成分の約7割は窒素や水素、炭酸ガス、メタン、酸素です。
これらは食事の際に口から入った空気と一緒になっておならになって排出されます。
「呑気症(どんきしょう)」という言葉をご存知でしょうか。これは「空気嚥下症」とも呼ばれ、知らず知らずに食べ物と一緒に空気を飲み込んでしまっている状態のことをいいます。
呑気症の方は味噌汁を一気にすすったり、飲み物をがぶがぶと一気に飲む癖があります。
その際に知らず知らずに空気が胃腸に取り込まれるのです。
ですから、早食いする癖をお持ちの方は食事のときにたくさん空気を飲み込んでしまっているということです。
お腹に空気が溜まりやすいと感じている方は試しに食事のペースを落としてみてはいかがでしょうか。
また、炭酸飲料やビール、発泡酒を多く飲む人も同様の症状になりますので飲みすぎかなと感じた方は控えてみましょう。
ガスの異常発酵
腸内のガスが溜まると腸管が膨らむため、お腹をたたくと太鼓のような音がします。
腸内ガスが溜まる原因の一つにガスの異常発酵があります。
便秘や消化不良が続いたとき、ガスは異常発酵してしまうのですがこのとき、おならが異常に匂うことが特徴です。
通常のおならの臭いではない、独特の悪臭がします。
便秘解消のため食物繊維を努めて摂取する、消化不良を起こさないように暴飲暴食や早食いなどの習慣を見直すことで改善しましょう。
ストレスも原因
今やどんな症状の原因にも出てくる「ストレス」
まさか、おならの原因にもストレスが関係しているなんて!
とはいえ、もちろん直接関係しているというわけではなく、ストレスがたまると自律神経が乱れます。
自律神経が乱れると腸内の悪玉菌が活性化し、腸内環境が悪化するのは有名なお話。
悪玉菌の勢いが良くなると腸内に有毒ガスが発生し、おならになってしまうのですね。
健康のためお腹ポンポンを解消しよう
どうやらお腹がポンポン鳴るのはあまり良い傾向ではなさそうですね。
お腹の張りも慣れてしまうと「いつものこと」と鈍感になってしまい、お腹を気にするのは健康診断の時期だけ…なんて方もいるのではないでしょうか。
お腹にガスが溜まった状態を放置するとどんな危険があるのか、健康のためにどのように改善すると良いのか知っておきましょう。
病気を見落とすことも
「夕べ呑み会でたくさん呑んだから仕方ない」「このお腹は歳のせいだ」などと放置していると病気の前駆症状を見落としてしまう可能性があります。
例えば腸閉塞は何らかの原因によって腸がねじれて腸が運動できない状態にあります。するとガスが腸内に溜まっていきます。
胃腸の病気には様々ありますが、胃や腸に過剰な負担をかけた状態が続くことによって将来的に胃
腸の機能障害を引き起こすのです。
内臓機能は年齢と共に低下していきますので、普段から胃腸に負担をかけないよう大事にしましょう!
食事で気を付けること
暴飲暴食はもちろんのこと、早食いもやめましょう。ビールなどの炭酸飲料もほどほどに。
食事の際はよく噛んでゆっくりと食事をするように心がけましょう。
早食いの癖がある人が直すのはなかなか大変かも知れませんが、まずは一口の量を減らすことから始めてみましょう。
口
いっぱいにほおばるとよく噛まずに飲み込んでしまいがちです。
ゆっくり食べると食べすぎる前に満腹感がやってきますから、一石二鳥です。
また、食事の時間が乱れると胃腸に大きな負担をかけてしまいます。
規則正しい生活を心がけて、なるべく同じ時間に三食とるようにしましょう。
運動する習慣をつけましょう
便秘は万病の元と言われます。
腸内環境を整えるため、運動の機会を取り入れるようにしましょう。
ダイエットを目的にするとつい無理な方法をとってしまいがちですが「腸の動きを活発にするため」と思えばちょっとした運動でも効果がありますので挑戦しやすいと思います。
例えば意識して階段をつかう回数を増やしてみたり、通勤の際に一駅ぶん歩いてみたり。
私が一番おすすめしたいのは腹式呼吸です。
仕事で疲れた時など少しだけ時間をつくって腹式呼吸をすると胃腸が刺激を受けて消化機能が改善しますし、自律神経のバランスを整える効果もあります。
お腹に手を当てて鼻から息を吸うのと同時に思い切りお腹を膨らませ、鼻から息を吐きながらお腹をぺたんこにへこませます。これを数回繰り返してみてください。
姿勢も良くなりますし、なにより時間も場所もとらず簡単です。
まとめ
- お腹の中にガスが溜まって皮が張っていると太鼓のような音がします
- 呑気症や便秘、消化不良、ストレスなどでガスが腸内に溜まっておならになります
- 健康のため、食事や運動に気を配って腸内環境を整えましょう
お腹がいっぱいになると、つい膨れたお腹をポンポンたたいてしまいますよね。
しかし、その太鼓のような「ポンポン」という音は、あなたの身体からのSOSなのかも知れません。
もちろん、音が鳴ったからといっていきなり病気と直結するわけではありませんが、音が鳴ったら「腸内にガスが溜まっているんだ」と認識しておきましょう。
私も中年になってからお腹だけはどうにも痩せなくて半ば諦めていましたし、お腹がポンポン鳴っても笑いごとにしていました。
しかし、これからの人生を考えた時、やはり健康でなければと考え直して徐々にダイエットに励み少しですが痩せることに成功しました。
すると、以前のような音は鳴らなくなりました!
「お腹をたたくとポンポン音がする」という悩みは一見「誰だって鳴るんじゃない?」と流されがちですが、不安に感じたとしたらこれは良い機会だと捉えましょう。
腸内環境が整って健康な身体に変化したとき、お腹の音も変化するはずですよ!