数学 雑学

「かける」記号はなぜ「*」!?誰も教えないキーボードの記号の謎




今この記事をパソコンで見ている方はキーボードの数字の部分を、スマホで見ている方は入力のキーボードの数字の部分で「7」の舌の部分を見てください。

その傍には加算乗除を表す記号が付けられていると思います。

では、そのうちの「*」がなぜ乗算の意味を表しているかと考えたことはありますか?

今回は「*」がキーボードで使われる理由とそれ以外の用途についてまとめた記事になります。

「*」は昔の名残?代用として記号

パソコン

「*」はアスタリスクまたはアステリスクと呼ばれ、原語では古代ギリシア語で「小さい星」を意味します。日本では星号、星印、星、アスタと呼ばれます。

「*」は記号として、かけ算や乗数の記号の代用に使われるものです。

なぜ「×」ではなくこの記号が使われているとかいうと、昔のコンピューターに搭載されていたプログラミング言語のFORTRAN(フォートラン)に「×」のキーが存在しておらず、その代わりに「*」の記号を代用していたことから、その名残が現代のキーボードにも残っているというのが理由であるといわれます。

同じく除算の「÷」もキーとして存在しなかったので「/」が代用されて今も使われています。

「*」の記号はかけ算以外にも使われている場面が見られます。

上記で出たプログラミング言語ではC言語・C++などでポインタを表したり、「/* コメント */」のように「/*」と「*/」で囲まれたテキストはコメントをしたりします。

特定のシステムにおいては「任意」を表す記号にもなります。
また、いくつかのプログラミング言語では「**」で冪演算(べきえんざん)を表します。

さらに、現実の数学においても乗数や演算などで表記されることがありますね。

現実に表記する場合には基本的に2本の縦線と4本の斜め線で書きます。

計算式以外でも?表記における「*」の役割

パソコン・スマホとコーヒー
計算やプログラミングにおいて多用される「*」ですが、その他にも記号として使用されるころがあります。

脚注記号として

文章中の語句の右上に*1につけて、別項目でその詳細を書く脚注記号*2として使うことがあります。

短剣符(†、≠)も同じ使われ方をしますが、主に使われるのは「*」がほとんどです。

*1……例としてこのように使われます。
*2……このように番号を付けて使われる場合もありますよ。

数字以外にも連続して「**」や「***」と表記することで分けることも。

メールの記号として

英文の電子メールで強調したい語句を「*」で囲んで表記します。

日本語の文でもそうされることがありますね。

伏字として

パスワードの入力画面の伏字として「●」と同じように使われます。

この他にも言語学や天文学の分野で記号として使用されますが、一般的に見られるのはこのような場面での表記だと思われます。

「×」の語源は?書く時に使う乗算

四則演算のイラスト
せっかくなので普段文字で書く場合に使う「×」についても少し見ていきましょう。

「×」の記号の起源は聖アンデレの斜め十字架であるとされています。

そして、乗算の記号として使われ始めたのは、17世紀のイギリスの数学者であるウィリアム・オートレッドが自身の著書『数学の鍵』(1648年)で使ったことが最初と言われています。

基本的は「かける」と読みますが、複数の乗算の区別をする時には「クロス」と読むこともあります。

乗算としての意味以外での表記の使われ方は結婚や交配を表すカップリングとしての表記や対戦カードを表す記号(「東京×大阪」)として使われます。

また、表記だけで見れば、「バツ」や「ペケ」と同じものになるので、場合によっては見分ける時に注意が必要です。

まとめ

今回の記事についてまとめると、

  1. 「*」は昔のプログラミング言語で「×」の代用をしていた名残である
  2. 除算の「/」も同じ理由で「÷」の代用をして現代に残っている
  3. 計算やプログラミング言語、文章中の表記などに「*」は使われる

以上の3つです。

昔のパソコンの事情から続いているとなると、普通はわからないものですね。

現代ではパソコン自体に触れないことも増えてきているので、スマホのキーボード上で気にならなければ知られることもないものなのかもしれません。

この事も、一つの知識として覚えて貰えれば、まとめた甲斐があります。




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