古典文法に出てくる動詞の活用形ですが、全てが活用形の基本通りというわけではなく、中には例外もでてきます。
今回はそんな例外のうち、引っかかりやすい「寝」の語幹についてまとめていく記事になります。
語幹と活用が一体になる語
「寝」は動詞の活用の種類では下二段活用に属します。
下二段活用は全ての活用語尾にウ・エ段の音が入ってそれに「る、れ、よ」が付く形で活用されます。
未然形 う-け
連用形 う-け
終止形 う-く
連体形 う-くる
已然形 う-くれ
命令形 う-けよ
未然形 み-え
連用形 み-え
終止形 み-ゆ
連体形 み-ゆる
已然形 み-ゆれ
命令形 み-えよ
「受く」や「見ゆ」の場合は上記のような活用になり、他の下二段活用も基本的にはこの活用に準じます。
しかし、「寝」を含む3つの語幹については語幹と活用語尾の区別がつかない、もしくは語幹がないものと扱われるため、活用表が次のようになります。
未然形 ね
連用形 ね
終止形 ぬ
連体形 ぬる
已然形 ぬれ
命令形 ねよ
未然形 え
連用形 え
終止形 う
連体形 うる
已然形 うれ
命令形 えよ
未然形 へ
連用形 へ
終止形 ふ
連体形 ふる
已然形 ふれ
命令形 へよ
「寝・得・経」の3つのみが持つ性質なので、ややこしいように見えますが、活用は下二段活用のままなので、語幹がそのまま活用されていると思えばそれほど難しいものではありません。
ただ、間違いやすいところでもあるので、テストでは狙われる部分になります。
古典の活用形はリズムで口ずさんで覚えよう!
皆さんは古典文法の活用形をどのように覚えているでしょうか?
未然形や已然形といった言葉は普段聞かない上に紛らわしい単語ですし、活用を覚える時も「~形」がどの活用であるか結びつきづらいこともあると思います。
そんな時に役立つ覚え方はリズムよく単語を口ずさんで覚えることです。まず、動詞の活用の基本となる活用形をリズムよく覚えましょう。やり方は「~形」を除いて、
の順番通り口に出して繰り返し言います。
リズムよくなので、活用形1つごとに手を叩きながら口に出して言うと覚えやすいです。
この活用形が覚えられていると、どの動詞の活用を見ていく時も頭に入りやすいので、古典の動詞の活用が苦手な人はこの方法をオススメします。
「寝」の活用形をリズムで覚えよう
そして、活用形がリズムよく頭に入ったら、次は今回の主題である「寝」について見ていきましょう。
テストで狙われやすい場所ではありますが、逆に言えば、ここを覚えておけば得点源にもなるので、「寝」の活用は覚えてしまうべきです。
「寝」の活用形を覚えれば、あと二つの「得・経」も置き換えていけますし、活用形自体に変化はないので、下二段活用そのものを覚えられることにもなります。
では、その覚え方はといいますと、これも活用表の順番通りに見ていきます。
を一連の流れとして口に出して繰り返してください。
「ね」は言いきりですが、口に出して言う時は「ねー」と言うとリズムよく言いやすくなります。
文字に書く必要はありません。目で言葉を見て口に出すだけで十分に覚えられます。
順番通りに覚えられれば、先に覚えておいた活用形とすぐに合わせることができるので、わかりやすくなると思います。
頭で思い浮かべるのが難しい場合でも、テストの時には空白に書き出していけば確実です。
リズムで覚えていれば「得」でも置き換えることができる
置き換える場合は「得」の場合は「あ行」なので、
というようにして割り出すことができます。
「未然―ぬ」「連体―ぬ」のようにぶつ切りで覚えていくと、どうしても時間がかかるので、まずは活用形をリズムで頭に入れて、そこから順番通りに特定の語の活用形を口に出して覚えるものが頭に入りやすい方法です。
もちろん、下二段活用以外の動詞の活用も覚える語幹と活用を1つ決めて、それを覚えれば、他にも置き換えて考えられるので、動詞の活用の問題が解きやすくなります。
もう1つお得な事
動詞の活用形の順番を覚えておくと、古典だけではなく現代文でも使うことができます。
古典の「已然形」の部分は現代文だと「仮定形」になっています。
つまり、先ほどのリズムで覚えるならば、
になります。
このリズムでもう1度覚えなくてもどちらかのパターンで覚えていれば「已然」と「命令」を入れ替えるだけでよくなります。
古典と現代文で混ざってしまう不安があるかもしれませんが、「已然形」は「いぜん(以前)古典で使っていたもの」と覚えれば間違いづらくなると思います。
まとめ
今回は「寝」の活用形と覚え方についてまとめていきました。
古典は読み解くよりも暗記する方が多いものなので、頭に入れたつもり、だけでは解けない問題がいくつも出てきます。
活用形については、今回の覚え方をベースにすれば覚えやすいと思うので、ぜひ使ってみてください。