みなさん、どうしても離れられない大切なぬいぐるみはありますか?
私の娘は大のぬいぐるみ好きで、小さい頃からベッドに大量のぬいぐるみを置いていて、息子に「座敷童が来そう」と言われていました。
高校生になった今ではぬいぐるみ好きがさらに加速し、今いるぬいぐるみたちをとても可愛がっています。
娘のぬいぐるみ愛に半ば呆れながらも、なんだかんだで娘のぬいぐるみたちを可愛がる私と息子。
我が家はぬいぐるみ大好き一家です。
しかし、ぬいぐるみは可愛がれば可愛がるほど、一緒にいる時間が長くなればなるほど、綿が痩せてグッタリしてしまったり、ほつれたり破けたり、おハゲができてしまったり…。
大切なぬいぐるみ、古くなったからと言って捨てることはできないし、家で何とかならないものでしょうか…。
そんなお悩みを解決すべく、今回はぬいぐるみを自分で修理する方法をご紹介します。
ぬいぐるみの破れの縫い合わせ
まずはどんな修理でも基本になる縫い合わせ方から。
自分でぬいぐるみを作ったことがあるような方は、どのように縫えば縫い目が目立たないか、型崩れしないか大体手が覚えていると思います。
ちょっとした工夫で縫い目が目立たずきれいに仕上がりますので、少しだけ気を付けながら縫ってあげましょう。
縫い目のほつれ
ぬいぐるみは年月が経つと縫い目から糸がほどけて破れてしまうことが多いですね。
中の綿が出てこないうちに縫い合わせてあげましょう。
ほつれた縫い目の糸が残っていたらリッパーか縫い針で糸をきれいに抜いてから縫合を始めましょう。
毛足の長い子なら色を合わせた糸を使ってまつり縫いしてもそれほど目立たないと思います。
毛足の短い子の場合、やはり元の縫い目のように糸が見えない縫い方をしてあげたいですね。
中の綿がはみ出さないように縫いながら針で綿を抑えつつ縫い進めるといいですよ。
コの字とじ
表から糸が見えない縫い方で一番きれいなのは「コの字とじ」という縫い方です。
しかも簡単ですので、裂けた場所を縫い合わせるときなど活躍する縫い方です。
- まず、裂けた部分の布を両側から内側に折り込みます
- 裏からみるとこのように、内側に折り込んであります
- 縫い始めの玉止めが表に出ないよう、内側からちょうど折り目の線に合わせて針を出します
- 表に出した針を反対側の布の折り目の表から裏へ刺し、少し間隔を開けて今度は裏から表へ針を出し、反対側の折り目に沿って表から裏へ。これを繰り返します。
- 気を付けたいのは針を出す間隔を等しくすることです。布同士を少し離しながらゆるく縫っていけば上手に等間隔にコの字で縫えます。
- 最後に糸をキュッと引けばこのようにきれいに糸が隠れてとじることができます。
とじ終わって表で玉止めをしたら玉止めを出した場所に再度針を入れ少し、少し離れた場所に針を出して強く引きます。
そうすると玉止めが内側に入り込みますので、玉止めが入ったら糸を切り、少し布を引っ張って切った糸の端も内側に飲み込ませます。
縫い目以外の穴や破れ
縫い目を再度縫い合わせるのはさほど大変なことではありません。
しかし、破れは縫い目のほつれだけとは限りません。
こどもが誤ってチョキン!としてしまった、なんてトラブルもありますね。
あまり大きな穴ですと縫い合わせるだけでは無理ですが、切れた部分をギュッと寄せてみて何とかなりそうなら当て布などはしないで縫い合わせるほうが傷口は目立ちません。
傷を目立たせないコツは糸選び
傷口を目立たせたくないと考えるなら一番気を付けたいのは使用する糸だと思います。
糸の色を合わせるのはもちろんですが、ぬいぐるみのお肌に合った光沢のものを選んであげなければ予想以上に目立ってしまいます。
実際に縫う前に糸をぬいぐるみに当ててみて目立たないような糸を選ぶことが大事です。
まつり縫いやかがり縫いで修理するときは糸が多少見えますので特に気を付けてくださいね。
綿の交換
大切なぬいぐるみの中身、見たことありますか?
こまめに洗って綺麗にしていても、例えばジメジメとした風通しの悪い場所に飾っていたり、家で洗った際にきちんと乾燥させていなければ、中綿にダニやカビが繁殖しているかも知れません。
ダニやカビがあると小さなお子さんに遊ばせられないですし、何よりも大事なぬいぐるみの体内でダニやカビが…!と思うと、居ても立っても居られません。
実際に長く湿気の多い場所に置いていたぬいぐるみの中綿を取り出してみると、綿がごろごろとしたいくつかの塊で出てきます。中綿が湿気てしまったようです。
こうなってしまうとぬいぐるみの形が崩れたりくたびれてきてしまうので、「あんまりふわふわしていないな」と感じたら、ぜひ中綿を交換してあげてください。
中綿の交換の仕方
まずは元からある縫い口(できればミシン縫いではなくまつり縫いをしてあるところ)を探し、リッパーで糸を切っていきます。
そこから古い綿を全て取り出し、綿を抜いてぺたんこになったぬいぐるみをエマール等布を傷めない洗剤で丸洗いします。
この時洗濯機を使うのではなく、ぬるま湯を張った洗面器などに洗剤を入れ、ぬいぐるみを押し洗いすることをお勧めします。
それから、いよいよ新しい綿を詰めていきます。
古い綿をふわふわの新しい綿に総取り換えしてあげれば、物理的にダニやカビを除くことができますし、形も戻ります。この際に詰める新しい綿は、防ダニ加工済みのものがおすすめです。
最後に切り込み部分を自然に縫合していけば完成です。
中綿の交換は意外と難しい!
先ほどの説明を読めば、意外に簡単に感じるかもしれません。
しかし、これが結構難しいんです。
傷跡が残らないように綺麗に縫合する工程はお裁縫が得意な方なら何とかなりそうですが、意外に難しいのが綿詰め作業。
均等な密度で綿を詰めていかなければ、ぬいぐるみの形が歪になってしまったり、手触りに違和感が出てしまいます。
私もテディベアを作ったことがあるのでお裁縫にはそこそこ自信があるのですが、娘が手術してほしいというぬいぐるみはとても小さく、脚が細いので細かいところまで綿を綺麗に詰める自信がありません。
ぬいぐるみの形によっては綿詰めが難しいものもありますので、自信が無い方は大切なぬいぐるみが取り返しのつかないことになってしまわないように、プロに頼むことをお勧めします。
ぬいぐるみのおハゲの直し方
ぬいぐるみトラブルで最もショックな症状…それは、汚れでも破れでもなく「おハゲ」ではないでしょうか。
見た目もショックですし、破れと違って自分で治してあげることができない気がしますよね。
しかし!ぬいぐるみのおハゲに植毛してあげれば元通りにしてあげられます。
ぬいぐるみの状態にもよりますが頑張れば自分でもできますよ。
おハゲに糸を縫い込みます
まず、おハゲを隠せるように周りの毛と同様の毛糸や糸を用意しましょう。
そしてハゲてしまった箇所に新しい毛を縫い込んでいきます。
その際、几帳面に植毛する必要はありません。縦横無尽に塗ったほうが糸が互いに抑え合ってくれるので抜けにくくなります。
周りの毛の密度に合わせてたくさん植えてあげてください。
カットしてそろえる
新しい糸を縫い込んだら、周囲の毛となじむようにはさみで切って整えていきます。
この時、少し周りの毛よりも若干長めに切りそろえておくと良いでしょう。
植毛した毛はほどなく少し短くなってしまうからです。
ぬいぐるみ病院
さて、ここまで家でのぬいぐるみの修理方法について説明してきましたが、やはりかなりのお裁縫の腕が無いと難しいです。
修理に失敗して、大切なぬいぐるみが取り返しのつかないことに…なんてことが心配な方は、ぜひプロにお任せすることをお勧めします。
そこでぬいぐるみ大好き一家の私がおすすめするのが、「ぬいぐるみ健康法人もふもふ会 フモフモランドぬいぐるみ病院」です。(ちなみに現在、娘の大事なぬいぐるみは入院の順番待ちをしております!)
スタッフはみんなぬいぐるみ!
こちらの病院、院長さん、お医者さん(内科、外科、整形外科、眼科・耳鼻科、救急科)、看護師・インターン、心のケア室スタッフ、受付、作業療法士、配膳係、薬剤部窓口といった細かいスタッフがいるだけでなく、これらみんなぬいぐるみなんです。
ぬいぐるみをお直しするところですが、「ぬいぐるみのスタッフが患者さんを元気にする病院」という設定がとてもメルヘンで可愛らしいですよね。
くたびれるまでぬいぐるみを愛用してきたぬいぐるみ好きの人にとって、これだけで心が奪われてしまいます!
様々な治療(修理)をしてくれます
そんな可愛らしく、ぬいぐるみへの愛情を感じられるこの病院。さらに調べてみると…
「当院では開院以来、3000件近い症例を経験してまいりました。
今までご入院いただいた患者さまは症状の重さだけでなく体の大きさや体型、年齢もさまざまで、さらにはご家族によって望まれる術後の状態までも千差万別でした。」
とのこと。
このぬいぐるみ病院、ただの可愛いお直し施設ではないようです。
おハゲや破れなどの大怪我でも綺麗に治してくれますし、綿の取り換えやぬいぐるみシャンプーでお風呂にも入れてくれます。
どのような治療が必要かは問診票に書き込むようになっています。
なんと言っても経験値が豊富ですし、ぬいぐるみを大切に思う心が感じられますよね。
他の所ではお直しを断られた子でも無事綺麗になって帰ってきたということですから、「うちの子はもう駄目かな…」と思っている方も諦めないでくださいね。
入院させてみようかな…と思った方はホームページをチェック!
ぬいぐるみ病院には多くの患者さんがやってくるのでとても忙しく、完全予約制となっています。
申し込みから順番が回ってくるまでは長い期間待つことになりますので、入院を検討したい方はそれを承知の上で申し込みましょう。
細かい予約の仕方やぬいぐるみ病院の魅力はここでは伝えきれないので、気になった方はぜひホームページをチェックしてみてください。特に「お客様のお声」は心がほっこりしますよ。
また、この病院には「3つの約束」があり
- 高い技術力で治療をする「クオリティ」
- 患者様お一人お一人を愛し、こころを込める「ケア」
- 素敵な思い出を作っていただける「イベント」
をお約束してくれるようです。
お直し技術の高さはもちろん、手術経過の報告、添い寝スタッフ、お薬などとにかく細部まで気が配られているので、ぬいぐるみが綺麗になるだけでなく大切な思い出ができること間違いなしです♪
まとめ
- ぬいぐるみの破れを縫い合わせるときは目立たないように工夫をすればきれいにできます
- 中の綿を抜いて詰めるときは密度を均一に詰めていきましょう
- ぬいぐるみのおハゲは植毛で直してあげられます。周囲の毛と上手になじませましょう
- 自分で直すのが難しいならぬいぐるみ病院にお願いしてみても
冒頭にも書きましたが、我が家はぬいぐるみを家族同様に扱っています。
うちの子たちはどのご家庭よりも愛されていると思っていましたが、インターネットを見ると皆さん大切なぬいぐるみがいて、長く愛情をかけているんだな、と感じます。
こんなに愛されて大切にされているぬいぐるみが全国にたくさんいるんだ!ととても幸せな気持ちになります。
もし大切なぬいぐるみが怪我を負っていたら、ぜひ諦めずに修理してあげてください。
ご主人の手で直してもらったらきっと、喜ぶと思うんです。
手を尽くしてみて力が及ばなかったらプロにお任せして、きれいな状態に戻してあげたいですね。