今回は経年という言葉について、使われている単語をまとめた記事になります。
聞いたことはあるけど、あまり使われる言葉じゃないと思う人は、この記事で確認してみましょう。
経年を使う単語とその意味
経年とは、「幾年も経つこと」を意味する言葉です。
主に他の単語と組み合わせて建築物や物などに対して使われることが多いものです。
経年使用
幾年も使用していることを指します。検索の候補としては出てきますが、単語としてはあまり使われないものです。
経年劣化
年月が経つうちに品質・性能が低下することを指します。経年を使う単語で最も使われやすい言葉で、建築物の分野で壁や床、元から取りつけられていた設備を指して使われます。
経年変化
こちらは経年劣化と同じ意味もありつつ、年月が経つうちに品質・性能が変化することを指す単語です。変化なので、状態が良くなることについても使うことができますが、経年使用すると劣化する方が多いので、使われるのはマイナスの意味の方が多いです。
経年経過
辞書等には載っていない言葉ですが、使われることがあります。経年が経過の意味もあるので、過剰な書き方にも見えますが、同じ意味を重ねている単語は他にもあるので間違いとも言い切れません。
経年減点補正率
建物の固定資産税評価額について用いられるもので、「損耗の状況による減点補正率」を指すものです。
賃貸と経年劣化の関係
最もよく使われる「経年劣化」という言葉を使う上で気を付けばなければならないのは、「通常損耗」と「特別損耗」との関係性です。
これらの言葉は、アパートなどの賃貸を借りたりする時に使われるものになります。
通常損耗と経年劣化の違い
通常損耗とは、故意や過失ではなく、通常の生活を送る中で生じた建物の傷みのことを指します。
経年劣化との違いは、通常損耗は部屋を使うことによって起こるもので、経年劣化は部屋を使うことに限らず単純に年数の経過で起こるものを指していること。
この2つについて賃貸を退去する時に見られる場合は、賃貸を借りた側ではなく、大家の方の負担になります。
特別損耗とは
特別損耗とは、故意や過失によって生じさせてしまった建物の傷みのことです。
例えば、部屋の中にカレンダーやポスターなどを掲示するために画鋲で壁に穴を空けることは、通常の生活を送る範囲に含まれるものです。
しかし、この画鋲で壁に空ける行為が常識の範囲よりも多かったり、壁を貫通させるレベルで穴を空けるようなものだったりする場合は故意の行為として見られます。
また、子どものイタズラで壁にラクガキをしたり、汚してしまった場合は、子ども自身は故意と判断はできないかもしれませんが、親がその行為を止める義務があると考えるため、それをしなかったという故意の好意に含まれます。
賃貸を借りる側が気を付けること
経年劣化・通常損耗と特別損耗は見つけた・やってしまった時点で報告をしておかなければ、後のトラブルに成りかねないことです。
経年劣化・通常損耗については、特に気を付けるべきことで、仮に劣化していることがわかっていて、報告せずに使い続けてしまえば、それは特別損耗として請求されることになります。
例を挙げると、入居した時に、ドアノブの調子が悪いように感じだが、暫くそのまま使い、数か月後に壊してしまった場合は特別損耗です。
入居前に大家が部屋のチェックをしているとは思いますが、それでも新しい住居に来た際は、取り付けや壁の傷についてひと通り見渡して、少しでも違和感がある場合は、大家に報告するようにしましょう。
意外と特別損耗になってしまう例
また、入居後には画鋲やお子さんがいる場合は子どもの動きにも注意しなければいけませんが、加えて注意すべきは、日常生活で何気なく出てしまうものです。
水回りで発生するカビや油汚れについては経年劣化に含まれず、程度がひどい場合はクリーニング費用を請求されることがあります。
タバコを吸う人は室内で発生した煙が壁や天井に付いてヤニ汚れとして残ったり、飛び散ったカスが焦げ跡になってしまうことがあります。
これも特別損耗として請求されることになります。
これらについては掃除をしたり、タバコを吸う場所を外にしたりと普段の注意で防ぐことができるので、気にかけるべきところです。
まとめ
今回は経年という単語を中心に見ていきました。
自分自身で使うことは少ないかもしれませんが、賃貸やリフォームなどで表記されていることがあり、重要な部分であるので、ぜひ覚えておいてください。