雑学

「五月雨式」とメールにあるのはナニ?/粋な言いかえ表現




目を開かせる猫
耳長ネコ次郎
ついに社会人になった!少しはオトナに見えるようになったかな?

はじめて就職すると、覚えることってたくさんありますよね…。

たとえば上司や取引先の会話や、メール文中に現れた「五月雨式(さみだれしき)」という言葉、聞いたことないですか?

目を開かせる猫
耳長ネコ次郎
どうして急に五月雨という単語が?

…と思うかもしれませんが、これは「五月雨」が持つもう一つの意味が関係しています。

今回はその「五月雨式」について、正しい意味と使い方を紹介していきます。

「五月雨」のもう一つの意味とビジネスでの使われ方

まずは「五月雨」の意味を確認しましょう。

「五月雨(さみだれ)」とは「陰暦の5月頃(現在の6月頃)に降り続く長雨、梅雨」を指す言葉です。

そして、もう一つの意味として「継続的にいつまでもだらだら続くことの例え」というものがあります。

そこから「五月雨式」を見ると、後者の意味を含んで「物事が断続的に行われること」という意味として使われています。

ビジネスメールとしての使い方ではそれ以前に一度メールを出していて、同じ内容に関して2通目以降を出す際に

首輪をした黒猫の子
黒ネコ太郎
「五月雨式に申し訳ありません」

という風に冒頭に置いてお詫びの意味を表します。

普通に書くなら「何度も」「度々」「立て続けに」という単語に置き換えることができます。

元の意味からするとポジティブな意味ではありませんが、ビジネスメールの場合は、必ずしもそうなるわけではありません。

例えば、

首輪をした黒猫の子
黒ネコ太郎
「この作業は五月雨式でお願いします」

と書かれている場合は、断続的に行うことを勧める意味になります。

ただ、ほとんどの場合は、最初に書いたようなお詫びの文で使われるので、文脈で判断していきましょう。

また、ビジネスメールで使う場合は、俳句のように季語としての役割があるわけではないので、どの季節でも使うことのできる語句です。

五月雨戦術

「五月雨式」以外で継続を意味する「五月雨」が使われる言葉に「五月雨戦術」というものがあります。

その意味は梅雨の時の長雨のように、長期間にわたって闘争を繰り返して持続する労働組合や議会の戦術のことを指します。

テレビやネットのニュースなどで目にすることがあるものなので、その時はこのような意味があったことを思い出してみてください。

「五月雨式」と「矢継ぎ早」

「五月雨」と似たような意味を持つ単語に「矢継ぎ早(やつぎばや)」というものがあります。

「矢継ぎ早」には「休みなく次から次へと何かをする様子」を指す単語です。

例文としては

首輪をした黒猫の子
黒ネコ太郎
「矢継ぎ早に失礼いたします」

というような使い方ができます。

この2つには大きな違いがないように見えますが…

  • 「五月雨」は継続的となっていますが、途中に間が空いても続いていれば良いもの
  • 「矢継ぎ早」は間隔を空けてはならないもの

と判断される場合があります。

ただ、実際に使われる場合はどちらもそれほど差がなく使われるものなので、念のためとして覚えておくと良い表現の違いです。

実際に「五月雨式」を使う場合に考えること

ここで「五月雨式」や「矢継ぎ早」といった単語を覚えることができたので、

次に自分が送る時もこのような表現を使っていこうと考えている人もいるかもしれません。

もちろん、それは正しい用語として使うので良い事ではありますが、

「五月雨式」という意味を知らなくてこの記事を開いたように、このような特殊な言葉はビジネスメールの使い方においても必ずしも学習すべきものではありません。

かっこいい表現ではありますが、「五月雨式」自体は丁寧語の表現でもなく、言い換えの「何度も」や「度々」でもビジネスメールや会話としての格が落ちるということは早々ないものです。

なので、もし、次に「五月雨式」という言葉を使える場面に出くわしたとしても、相手方の理解力に沿って使用することが大事であるということになります。

良いビジネスメールや会話というのは、相手に合わせてきちんと意味が通じ合うということです。

それを考えると、言い換えのわかりやすい語句を使った方が良い印象を与えることもあります。

今回の記事で「五月雨式」の意味を理解しておき、今度使われた時はその意味をすぐに読み取れたり、他の人が意味の理解に困っている時にそっと教えてあげたりするなど、自分から使わずとも知識として身に付けておくというだけでも有意義なものになります。

まとめ

今回は「五月雨式」という言葉の意味について見ていきました。

「五月雨」という言葉は知っていても別の意味があることはきちんと調べない限りはわからないものです。

今後も理解できない表現に出会った時は、そのままにしておかずに、辞書やネットの検索で調べておくことをオススメします。




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