お子さんがいる人で、子どもたちに図形について聞かれることはありませんか?
こんな疑問に、「教科書を見ればわかるでしょ」と答えるのは簡単です。
ですが、そういう子どもの疑問に、できれば自分でちゃんと教えられた方がいいですよね。
特に図形はきちんと理解しておかないと、算数だけじゃなく、その後の数学でも使うので、その時に余計に難しく感じてしまうことになるので大変です。
そこできちんと答えられるために、今回は図形の性質について、「ひし形」を中心にざっくりと見ていこうと思います。
普段から使うことではない人も1度は習っているはずなので、記憶を蘇らせながら見ていきましょう。
ひし形の性質―実はあの図形の特殊な形―
それではひし形の性質を早速見ていきましょう。
- 4つの辺の長さが全て等しい四角形/li>
- 隣り合う2辺の長さが等しい平行四辺形
- 対角線が直交する平行四辺形
ひし形特有の性質はこのようになっています。イメージされるひし形はトランプのダイヤのようなもので、当然それもひし形で合っているのですが、それ以外でも上記の条件を満たしているものは、ひし形と呼ぶことができます。
また、書いてある通り、ひし形は平行四辺形としての性質を持っていますので、以下の条件も満たすことになります。
- 2つの対辺の長さがそれぞれ等しい
- 2つの対角の大きさがそれぞれ等しい
- 2つの対辺がそれぞれ平行
- 2つの対角線が他の対角線の中点を通る
- 1つの対辺が平行かつその長さが等しい
反対に平行四辺形側から見ると、ひし形は特殊な平行四辺形と言えるのです。
さらに、これらの条件を満たし、4つの内角の和が全て等しい、つまりは直角(90℃)であるひし形は、正方形ですよね。
そうなると、正方形はひし形であり、平行四辺形でもある図形ということになります。
このようにひし形一つを見ると、他の図形との関係性が見えてきます。
算数の図形の関係性―細分化で見る図形―
さて、ひし形の性質はこれで終わりになりますが、さすがにこれだけだと読み足りないと思うので…
次に見るのは、ひし形が平行四辺形の特殊な形だったように、ある図形と他の図形との関係性を少し見ていきたいと思います。
ここで挙げるのは難しい図形ではなく、算数に出てくる平面図形になります。
四角形の関係性
- 四角形のうち、少なくとも1つの対辺が互いに平行であるような図形→台形
- 台形のうち、対辺が2つともそれぞれ平行である図形→平行四辺形
- 平行四辺形のうち、4つの辺が全て等しい図形→ひし形
- 平行四辺形のうち、4つの角が全て等しい図形→長方形
- 平行四辺形のうち、上2つの両方満たす図形→正方形
四角形はこのように分類することができます。
平行四辺形は台形の特殊な形であり、その平行四辺形が条件を満たすと、3つの図形に細分化することになります。
つまり正方形だけ見ると、長方形、ひし形、平行四辺形、台形の特殊な形と言えるものになっています。
何気なく言っている正方形が他の全てに当てはまると聞くと、「言われてみればそうだけど……」という感じになるかもしれません。実際、台形の例を出すときに、正方形を出されてもピンときませんからね。
三角形の関係性
一方、三角形を見ていきますと、
- 三角形のうち、1つの角が直角である図形→直角三角形
- 三角形のうち、2つの辺の長さが等しい図形→二等辺三角形
- 二等辺三角形のうち、直角三角形の直角を挟む2つの辺が等しい図形→直角二等辺三角形
- 二等辺三角形のうち、3つの辺の長さが全て等しい図形→正三角形
このような分類をすることができます。四角形に比べると、こちらは言葉通りでわかりやすいので、皆さんもよく覚えているものだと思います。
このような関係性から図形を見ていくと、違った視点で見られるので、子どもたちにも新しい発見になるかもしれません。
まとめ
今回の記事をまとめると、ひし形の性質としては、
- 4つの辺の長さが全て等しい四角形/li>
- 隣り合う2辺の長さが等しい平行四辺形
- 対角線が直交する平行四辺形
となります。また、その他の図形の関係性から見ると、
- ある図形は他の図形の条件を満たした特殊な形である
- その中で正方形は長方形、ひし形、平行四辺形、台形の特殊な形である
の計5つになります。
どうでしたか? ひし形の性質をご理解いただけたでしょうか?
他の図形との関係性もぜひ教えて、興味を広げてあげてください。