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剣道は駆け引きで勝てる?上級者が使う【心理戦】とは

投稿日:2019年2月22日 更新日:

剣道の試合でなかなか勝てない、体格や瞬発力に自信がないので頭脳戦をしたいと考えている剣士の皆さん、剣道において「駆け引き」とはどのようなものをいうのでしょうか。

私はあまり駆け引きについて深く研究したり意識したりせずに剣道をしてきました。

もし剣道の駆け引きの仕方を教えてもらっていたら勝てたのかしら…と今更思ったりしますが、一体何をすれば駆け引きに勝てるというのでしょうか。

剣道に心理戦はある?

トランプで相手を読む
他のスポーツなどでは「心理戦」というものが存在します。

わかりやすい例を挙げると、試合前のボクシングはあまりにもわかりやすい心理戦ですね。

ちなみに私の2つ上の男子の先輩は会場で組み合わせをチェックするとすぐさま相手チームを威嚇しに出向いていましたね(笑)

試合前も開始線に進む前に四股をふんで威嚇!

そんな彼ですが試合では本当に強かったので、もしかしたら心理作戦で優位に立っていたのかも?!
それでは剣道にも心理戦のようなものはあるのでしょうか?

フェイントは駆け引きではない

小手にいくと見せかけて…相手の竹刀が下がったところに面!だとか面を狙っているふりをして…相手の竹刀があがったところに小手!

というのが剣道でのいわゆるフェイントの王道なのですが、剣道においてフェイントはあまり良しとされていません。

それは批判されるようなフェイントには気力がこもっていないため、ただの「打つふり」になっているからではないでしょうか。

小学生の高学年~中学生あたり、特に男子には「フェイント」をしたがる時期があります。
やたらと竹刀を振り回す子がいますが、フェイントは駆け引きではありません。

せっかくの「駆け引き」が単なる「フェイント」にならないためには、フェイントの練習などしないで技の精度や気力を高める稽古をすることです。

そうすれば、相手がついつられて動いてしまうような気力が生み出されて、それは「駆け引き」になりますよ。

「打ち気」を見せて優位に立つ

先輩のような威嚇行為は剣道とは無関係ですが、基本的に剣道は駆け引きによる心理戦のような要素のある武道です。

剣道において「打ち気」を見せることは気を当てること。

「打つぞ、打つぞ」というのは竹刀を振ってみせることではなく、相手に圧をあたえることです。

打突機会をうかがう時は「打ちたい」と思うのではなく常に「打つぞ」という気持ちで攻めましょう。

その「気」が相手を動かして打突機会を作ってくれます。

事前の情報収集

学生剣道の試合の様子
駆け引きといっても、押してダメなら引いてみな、という安易な駆け引きは通用しません。

試合中に駆け引きするには事前の情報収集が意外に大事です。

駆け引きをする際、大切なのが「敵を知ること」です。

よくトーナメント戦などで、次に当たるチームの試合を見たりしますよね。その際に、どんな剣道をするチームなのか、自分の相手はどのような特徴があるのかを見極めておくことが大切です。

相手の癖や良く使う技を頭に入れて準備しておけば落ち着いて試合に入ることもできますよ。

よく出す技やタイミングは?

よく出す技やそのタイミングなどは、大会でよく見る選手や何度か当たったことのある選手ならすぐにわかると思います。

あなたが次に当たる選手の試合を見学していて、その選手が単発の面を多く打っている(狙っている)とします。この場合、あなたはどう思うでしょうか。

  • A…うわっ、嫌だな~。バコッとやられそうだな。
  • B…何も仕掛けないで面単発とか、馬鹿だな~。

AとB、どちらの感想を持つかは、相手の強さ、技の完成度によるでしょう。

例えば、相手の身体が大きくて、構えがビシッとしていたら。竹刀の振りが速くて、打ちが強くて正確だったら。

思わず威嚇される形になり、ひゅんっと居ついた間に見事に一本決められそうですよね。

反対に、構えがふらふらしていて、自分が簡単に中心を取れそうだったら。竹刀の振りが遅くて、これから面を打ちますというのがバレバレだったら。

相手の面に合わせて、出小手でも返し胴でも抜き胴でも狙えそうですよね。

また、その選手がよく出してくる技へのあなたの意識も関係するかも知れません。

「自分は返し技が得意だから、面で来てくれる選手はありがたいな」という人にとって面を多く打つ選手は大歓迎でしょうし、「ついつい相手に合わせちゃうから、相面で取られやすいんだよなぁ」という人は苦手意識を持つでしょう。

スピード

「動きが早くて振り回される!」ということももちろんあるので事前に知っておくことが大切なのですが、反対も然り。

よく初心者の子と試合をすると、実力は自分の方が上なのに、絶対に二本取れるはずなのに、終始相手のペースに飲まれていい試合ができなかった、という事があります。

私も剣道初心者の時に、経験者と引き分けて「きちんと構えていて良かった!」「自分のペースを保てたね!」と褒められたことがありますし、それから数年経ち、剣道初心者の子と当たった際に引き分けてしまい「向こうの方がよっぽどしっかり構えていた」「向こうに飲まれてるんだよ。一本にならない打突を出すな」と言われたこともあります。

避け方

相手の避け方は非常に重要です。

避けている時にどのように態勢が崩れるのかを知っておけば、そこを上手く利用して取ることができます。

例えば、避けるときに(またはこちらがちょっと攻めただけで)ふわっと手元が浮いてしまう選手は、出小手や抜き銅で合わせることができます。

手元を空けることなく体を寄せてくる選手に対しては、上手く立つ場所を変えながら引き技狙い。
このように、こちらの打突の機会を知ることもできますし、反対に向こうの攻撃に気を付けることもできます。

というのも、上手い選手はこちらの攻撃を避けつつそこも打突のチャンスと捉えるからです。
安易にこう出たら足を使って捌きながらこう返されるな、というのも想定できます。

このように事前に対戦相手の試合を見ておくことは非常に重要です。

先生方はなぜ強いのか

ひとり佇むダルマ
高い段位をお持ちの先生方は自分はほぼ動かずに一本を取ることができます。

それはなぜかというと、自分の意のままに相手を動かしているので、どのタイミングでどの技を相手が出してくるか予想できているからこそ、相手の隙が手にとるようにわかるのですね。

なかなかそのレベルの駆け引きはできるものではありませんが、その入り口程度でも勉強することに価値がありそうですね。

剣道において、駆け引きとは自分の行動で相手の攻撃を誘発したり、相手の隙を作ったりするものです。

駆け引きが楽しいと思えればきっとはまりますよ。

優位に立つための自分の間合い

駆け引きをするには相手の構えの全身を見ることが重要です。

相手の動きの中でも目が行きがちなのは手元など上半身の動きですが、相手が構えたときの足の位置や動き出したときの足の位置を見ることができれば間合いがつかめるようになります。

剣道の試合をするうえで間合いは非常に重要な意味を持っていますね。

その間合いを作るのは自分の足さばきですなのですが、それは足の動きがそのまま間合いとなるからです。

初心者のうちは相手の距離で試合をさせられることが多いですが、足さばきが身に着くと、自分の攻撃の距離を保って試合することができるので優位に立つことができます。

「先」の取り合い

剣道でも駆け引きの面白さは、一足一刀での剣先による「先」の取り合いです。

よく、道場でも最年長の先生方同士が試合をしていると剣先をカチャカチャと合わせ続けて長時間…なんて様子が見られますが、彼らは互いに駆け引きをしあっているわけです。

学生剣道でも強い選手同士の試合となると、長時間ではなくても先の取り合いがみられます。

相手に四戒(驚・迷・疑・恐)を作り出して、出頭や居着き、技の尽きを狙うのです。

つまり、相手の隙を自ら作り出して、その隙を狙って打突するための駆け引きを上級者は常に試合中に行っているのですね!

「溜め」を使う

学生剣道でも、上手な選手の中には「溜め」を使う選手もいます。

私の中学時代の同輩の男子は「溜め」の使い手でした。

剣道において「攻め」とされるのは、抑える、払う、巻くなどしつつ自分から打ち間に入っていくことを指します。これを「つくり」と呼びます。

上達する前は「つくり即打突」で攻めることが多いのですが、だんだん相手が強くなるにつれ「つくり即打突」では一本をとれなくなってきます。

そこで「溜め」の登場です。

「溜め」は打ち間に入って、半拍または一拍おいて相手の反応をみる行為をさします。

「つくり」によって打ち間に入られると居ついたり、構えが崩れる、さがる、または打って出てくるなどの反応がありますので、「溜め」によってそれらの反応を引き出せれば「攻め勝った」となるわけですね!

まとめ

  1. 剣道の駆け引きをただのフェイントにしないためには稽古で気力を身に着けること
  2. 試合前の情報収集で対策を練っておくことで落ち着いて試合に入れます
  3. 上級者が強いのは自分の意のままに相手を動かすことができるから

剣道の駆け引きについてお話ししてきましたが、剣道をしていて駆け引きができている人は上段者なのではないでしょうか。

剣道の駆け引きについて勉強するのは勝つために必要なことかも知れません。

しかし精進が足りないまま駆け引きの稽古ばかりしても相手に勝つことはできません。

いきなり攻防で勝とうと思わずに、まずは厳しい稽古を十分に積んでからにしたほうがいいでしょう。

それからやっと「考える剣道」を実践できるようになるのではないでしょうか。

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