ぬいぐるみを入れた写真を撮る「ぬい撮り」。
普通の写真よりも可愛らしく華やかになるので、女性を中心にインスタグラムなどのSNSで人気が高まっています。
しかし、一人ひとりが周囲に配慮しないと、「ぬい撮り=マナーが悪い」という印象を持たれてしまいます。
どんなにぬいぐるみが可愛くても、一歩外に出たら公共のマナーを守るのは当然のこと。
新ジャンル・ぬい撮りの人気が高まりつつある今だからこそ、ぬい撮り初心者さんも経験者さんもマナーを確認して、気持ちよくぬい撮りを楽しみましょう♪
写真を撮る際の基本マナー
インスタ映えの流行がピークに達していた頃、一部のマナーの悪いインスタグラマーが問題になりましたよね。
地面に座り込んでピースだとか、フォトスポットでの迷惑行為だとか…。
ぬい撮りの存在が世間に認知されることは嬉しいのですが、流行と共にこうした問題が浮き彫りにならないでほしいな、と思います。
という事で、まずは写真を撮る際の基本マナーを押さえておきましょう。
撮影禁止の場所
まずは、その場所が写真撮影OKかどうかを確認します。
注意書きなどがある場合はきちんと確認し、無い場合でもきちんとお店の人や係の人に許可をとっておきましょう。
また、写真撮影OKでも、フラッシュ禁止の場所もあります。
注意書きがある場所ではもちろん、「ここではフラッシュたかない方がいいかな」と思ったらやめておきましょう。
自撮り棒禁止
スマホに取り付けて、ぐーんと伸ばす自撮り棒。
ぬいぐるみを持つと手がふさがるので、好きな距離から撮影できる自撮り棒はとっても便利なアイテムです。
しかし、撮影に夢中になると通行人にぶつかったりするので危ないですし、混雑している撮影スポットで自撮り棒を伸ばすと、後ろにいる人の視界に入って邪魔になってしまいます。
「自撮り棒禁止」の注意がある場合はもちろん、無い場合でも周りに気を使って、使用してもOKか考えましょう。
自然物や展示物について
木や花などの自然、美術館や博物館の展示物、歴史的建造物などの扱い方にも気を付けたいですね。
ぬいぐるみと旅行する際、記念になる自然物や銅像、建物などがあるとぬいぐるみをお座りさせたくなりますが、場所によっては触ってはいけないものも多くあります。
触れることを当たり前と思わずに、こちらも気になったら触ってもOKか確認しましょう。
人が多いところ
キャラクターのイベント会場や観光スポットなど、人が多いところでの無理な撮影は控えましょう。
特にぬい撮りは、撮影場所によってはぬいぐるみの視線に合わせてかがむ必要があるので、通行人の邪魔になってしまいます。
大切なぬいぐるみのためにも、安全な場所で撮影したいですね。
また、ぬい撮りをSNSにあげて楽しんでいる人も多いと思いますが、ぬいぐるみに夢中で一般の方の顔をネットに流さないように注意しなくてはいけません。
できるだけ人気のないところで撮影するか、SNSに写真をあげる際に加工するなど気を配りましょう。
ぬい撮り世界の暗黙のルール
普通のカメラ界にはない、ぬい撮りならではのルールもあります。
ぬい撮りというジャンルがまだ新しいせいか、ルールのラインが曖昧ですが、自分がされたらどう思うかを考えて行動しつつ、ぬい撮りの空気感、マナーを覚えていきましょう。
ぬいぐるみの数
ぬいぐるみ好きの中には、
「お気に入りの子がたくさんいる!みんなと一緒にお出掛けしたい!」
という方もいると思います。
しかし、ぬいぐるみが多いと場所をとりますし、それぞれ座らせたりポーズを取らせたりすると時間がかかってしまいます。
ですから、お気に入りを一体決めてお出掛けのお供にするですとか、ここに行くときはこの子、あそこに行くときはこの子という風に担当を分けると良いと思います。
私もお気に入りの子がたくさんいますが、たくさん連れて行っても車から降りるのは一体だけ、あとは車内でお留守番と決めています。
また、ぬいぐるみ好き同士で集まって、それぞれのぬいぐるみを並べて撮影するということもあるかと思いますが、この場合どうしてもぬいぐるみの数が多くなります。
ぞろぞろとぬいぐるみを並べ始めると明らかに迷惑されるので、できるだけ一般のカフェなどは避けて、空いている屋外やぬいぐるみに慣れたお店で撮影すると良いかもしれません。
特にイベント会場のフォトスポットなどは、他にもその場所を使いたいと思っている人がいるということを忘れずに、手早く撮影を済ませましょう。
ぬいぐるみの大きさ
ぬいぐるみの大きさにも気を付けたいところです。
大きいとそれこそ撮影時に場所を取りますし、大きなぬいぐるみを抱えながら出歩くのも少しおかしいです。
「いやおかしくない!うちの子は可愛い!」と思う方もいるかもしれませんが…
「好き」は人それぞれですから、大きなぬいぐるみを抱いてお出掛けしている光景がぬいぐるみ好きの人にとってほほえましいものでも、そうでない人は不快に思っているかもしれません。
大きい子を外に連れ出したい時は、ぬいぐるみに優しいカフェやぬいぐるみ好きの集まりなどに連れて行くのが良いと思います。
ぬいぐるみも、知らない人に「邪魔だな…」と思われるよりも、お仲間さんに可愛がられる方が嬉しいと思います♪
レストランでぬい撮りはOK?
美味しいお食事や可愛いスイーツを食べたら、お気に入りのぬいぐるみと一緒に写真撮影したくなりますよね。
しかし、食事の場にぬいぐるみを持ち込むことを良く思わない人もいるようです。
調味料入れなど、洗わずに他のお客さんも触るところはもちろん、テーブルにあげるのもやめてほしいという意見も。
「それを言うなら、テーブルに毎日触るスマートフォンを置く方が汚くない?トイレに持ち込む人もいるし」というのが私の正直な意見ですが、何を不快に思うかは人それぞれなので、そこはやはり周りの声をきちんと聞いて、こちらも注意すべきだと思います。
例えば、ぬいぐるみは手にもって撮影する、テーブルに座らせたらきちんと拭く、撮影後は速やかにぬいぐるみを鞄にしまう(ぬいぐるみの汚れ予防にもなります)など。高級なお店は遠慮することも大切です。
様々な考えの人がいるので、お互いが気持ちよく好きなことを楽しめる環境にしていきたいですね。
ぬい撮りに対する世間の見方
マナーと言えば避けられないのが、ぬいぐるみを可愛がる人を良く思わない人との関わり方。
以前テレビ朝日の「アメトーーク!」で芸人さんがフシギダネのぬいぐるみを可愛がっていて、私は「めっちゃ可愛い‼」と思ったのですが、スタジオの雰囲気が「ヒィィ~‼」と引き気味だったのを見て、ぬいぐるみ認知はまだまだだなぁと思い知らされました…。
こちらの好きなものを、興味のない人に「可愛いでしょ!」と押し付けるのは良くありませんから、ぬいぐるみ好きでない人と上手く距離を取りつつ、少しずつ世間にぬいぐるみやぬい撮りの良さが伝わるといいなぁ、と思います。
感じ方は人それぞれ
ぬい撮りを楽しんでいる人にとって、ぬいぐるみは特別な存在だと思います。
ですから、「ぬいぐるみと出掛けているなんておかしい」とぬいぐるみ好きを否定されると、ちょっとムッとするのではないでしょうか。
確かに、趣味は「自分の好きなことを楽しむ」ことですから、他人の趣味に文句をつけるのは良くありません。
しかし、「何をしても自由だ!」と開き直って良いわけでもありません。
結局のところ、なんでも「節度」が大切であり、「自分の好きは誰かの嫌いかもしれない」という事を頭に入れて、他人を不快にさせない範囲で楽しむことが大切です。
例えば、アニメ好きの人が、大きな美少女抱き枕を抱えて街を歩いていたらちょっとびっくりしますよね。
同じくアニメ好きの人なら「その子可愛いよね!」で良いのですが、全ての人がそうとは限りません。もちろん不快に思う人だっています。
ぬいぐるみも同じです。自分にとっては「最高に可愛い!この子が可愛くないなんてありえない!」と思うぬいぐるみでも、他の人がどう思っているかは分かりません。
ですから、先ほどお話ししたようにお出掛けに連れて行く子の大きさを選んだり、移動中はカバンにしまったりと周囲に配慮することが大切だと思います。
色々な人が趣味を楽しみながら気持ちよく過ごせるように、周囲への気配りを忘れないでおきましょう。
大人がぬいぐるみを可愛がること
大人がぬいぐるみを可愛がることに対して、「いい年して…」という声がありますが、大人の方はとても肩身の狭い思いをしているのではないでしょうか。
今は雑貨のようなおしゃれなぬいぐるみも増えているのに、まだ「ぬいぐるみ=子供のおもちゃ」のイメージがあり、子供だから良い、大人だからダメ、という見方は少し悲しいですよね。
しかし、ぬい撮りに免疫がないと、小さい子供や若い子がぬいぐるみではしゃいでいる姿は良くても、ぬいぐるみではしゃぐ大人の姿に引き気味になる人が多いのも事実です。
こちらも不快に思うかどうかの線引きが難しいのですが、ある程度周りの空気を読んで、大人として常識ある行動が取れれば大丈夫だと思います。
ニュアンスとしては、「年齢に合った服装をする」といったところでしょうか。
私はまだぬい撮りをしているときに嫌な目を向けられたことはありませんが、30代40代になってもこのままぬいぐるみを可愛がり続けるつもりです。
そうなったら、きゃあきゃあとはしゃがずに、スマートに撮影してさっと引きたいと思います(笑)
ぬいぐるみへの愛を忘れないで欲しい
ぬいぐるみの可愛さを広めてくれるぬい撮りブームは嬉しいのですが、小さい頃から大のぬいぐるみ好きである私としては、ぬいぐるみへの愛をなおざりにして写真映えだけを気にする人が増えることが心配でなりません。
最後に、周囲の人のためでなく、ぬいぐるみたちのためのマナーについてお話ししたいと思います。
売り物のぬいぐるみとの接し方
好きなキャラクターのテーマパークやイベントに行くと、可愛いぬいぐるみたちがたくさん並んでおり、ついついテンションが上がってしまいますが、これらが売り物であるという事を忘れてはいけません。
例えば、マイぬいぐるみと同じ種類の子がお店にたくさんいたら、つい「きょうだい!」「お友達!」と嬉しくなってしまいますが、自分のぬいぐるみを売り物のぬいぐるみの山に入れたりするのはNG。
また、テーマパークなどで売り物のぬいぐるみを抱きしめた写真をSNSに載せ、撮影後ぬいぐるみを買わずに棚に戻している人もいますが、これもダメです。
もちろんぬいぐるみを触ってはいけないという訳ではありません。清潔な手のひらで撫でて、お気に入りの手触りの子を選ぶくらいなら良いでしょう。
しかし、べたべたと触ったりぎゅっと抱きしめた際にお化粧や皮脂などがついてしまうと、商品として売ることができなくなり、その後廃棄になってしまう子もいます。
誰かのお家に迎えられ、可愛がられるはずだった子がこのような運命に遭うのはとても悲しいことです。
お店に並んでいる子たちは、これから誰かのお家にお迎えされる大事な商品であるという事を忘れないようにしましょう。
ちなみに、お店によっては「SNSで広めてほしい」というところもあるので、売り物のぬいぐるみを撮影する際はお店の人に許可を貰い、マナーを守って撮影しましょう。
SNSにとらわれないで
メインがSNSにあげるための写真撮影になって、お出掛けやお食事などが二の次になっている人がよくいます。
写真のためだけにホテルでランチをしたり、ブランド物を買ったり…なんだか虚しいですよね。
モラルがない人だと、写真映えする大きなスイーツを注文したものの食べきれず道端に放棄したり、写真映えのためだけに動物を飼って、嫌がっているのに服を着せたり無理なポーズを取らせたり…。
これがぬい撮りで起こるとしたら、ただただぬいぐるみやグッズを増やして古いものは可愛がることなく放置…ですとか、ぬいぐるみに無理なポーズを取らせたり汚したり…といったところでしょう。考えるだけでも胸が痛みます。
先ほどお話しした売り物のぬいぐるみの件もそうです。写真映えのためだけに、お迎えしないぬいぐるみと撮影…というのは、あまりに無責任です。
抱きしめるならお会計を済ませてお迎えする。買うなら責任をもって可愛がる。
ぬい撮りをただのいいね稼ぎのツールと捉えず、写真では分からない見えないところでもきちんとぬいぐるみを可愛がってあげてほしいと思います。
まとめ
- まずは写真撮影の際の常識マナーを覚えておきましょう
- ぬい撮りならではのマナーやルールを知っておきましょう
- 世間のぬい撮りの感じ方にも対応しましょう
- 主役であるぬいぐるみを大切にしながらぬい撮りを楽しみましょう
こまごまとお話してきましたが、ぬい撮りのマナーは人それぞれ。
人が不快になるラインは難しいですが、とりあえず自分がされて嫌なことはしないなど、適度に気を配ることができれば十分です。
マナーを守っているつもりでも、知らないうちに迷惑をかけていることはぬい撮りに限らずよくあること。
その都度ぬいぐるみと一緒に学習していけたらいいのかな、と思います。
最低限のマナーは守って、大切なぬいぐるみと写真撮影を楽しみましょう♪