昆布の風味と程よい塩気が美味しい昆布茶。
古くから親しまれ、江戸時代には風味茶の一つとして人々に飲まれていたそう。
そんな昆布茶には、昆布のうま味だけでなく、調味料も含まれているのでお料理の味付けにぴったり。最近では様々なレシピで昆布茶の文字を見かけます。
しかし、緑茶のように多くの家庭で頻繁に飲まれている訳ではなく、粉末だしや液体だしのように家に常備されているものでもありません。
お料理に昆布茶を使いたいけれど、家にない…そんな時、昆布茶の代わりになるものをご紹介します!
昆布茶とは
昆布茶は、昆布を乾燥させて粉末状にしたものに塩味や甘味を付けたもので、お湯を注ぐだけで飲むことができる飲み物です。
昆布ならではの豊かな風味やうま味を持ちつつ、丁度いい塩気を持つので万能調味料にもなります。
昆布茶の主な成分はこちら。
塩や砂糖などの調味料の他に、うま味成分であるアミノ酸が入っているため、ただの調味料よりもうま味を加えることができます。
そんな昆布茶、100gあたり98㎉と低カロリーなのですが、糖質は39.6gと多めです。
これは砂糖や食塩などの人工・化学調味料が加えられているため。
しょっぱいので当然ですが塩分も多めなので、飲みすぎや使い過ぎには気を付けたいところです。
「昆布茶」と「昆布だし」は違う!
レシピで昆布茶と目にすると、昆布だしではだめなの?何が違うの?と思う方もいると思います。
昆布茶に馴染みが無いと引っかかるこの疑問。昆布茶と昆布だしの違いについてご説明します。
昆布茶と昆布だしの違い
昆布茶は先ほどご紹介した通り、昆布だしに食塩や砂糖、アミノ酸などの調味料が含まれており、飲み物として飲まれるのはもちろん、「調味料を加える手間が省ける便利な味の素」として活用されているので、一発で味付けすることができます。
また、昆布だしの他にかつおエキスや椎茸エキスといったうま味成分が含まれているので、より深い味を楽しむことができます。
対して、普通の昆布だしにはそれらが含まれていません。基本的に昆布を煮出しただけのものです。
昆布だしのみだと味付けされないので、昆布だしを昆布茶の代用品として使うことはできません。
昆布だしを使うなら
本来昆布茶を使う場面で昆布だしのみを使うと、味が薄くなってしまいます。
なので、昆布茶の代わりに昆布だしを使う場合は、塩などで味を調整するようにしましょう。
昆布だし+塩だけだと味気ないな…と感じる方は、かつお節や煮干しのほんだしと合わせるのもおすすめです。
昆布茶には昆布だしだけでなく他のエキスも含まれているので、他のだしと合わせることでより味を昆布茶に近付けることができます。
また、一般的に具材が魚や肉など動物性の場合は植物性のだし、野菜や豆腐など植物性の場合は動物性のだしが合うと言われていますが、具材は色々なものを入れることが多いので、昆布だし(植物性)とかつおだしや煮干しだし(動物性)を合わせてしまった方が美味しくいただけます。
ほんだしには塩分なども含まれているので味付けもばっちり。ぜひ試してみてください。
昆布茶代用候補①ほんだし
先ほど話題に挙がったほんだしですが、こちらはお味噌汁の出汁をはじめ、煮物や炒め物などに使えてとても便利なので、どこのご家庭にも置いてあると思います。
そんなほんだしが昆布茶の代わりになるならばとっても便利ですよね。
ほんだしの成分
では、ほんだしの成分を見てみましょう。
お料理が優しい味に仕上がるイメージがあるほんだしですが、食塩や砂糖など様々な調味料がしっかり入っているんですね。
入っているだしも、商品によっては複数の合わせだしだったりするので、ほんだしだけで十分にうま味が出ます。
メインのだしがかつおか、昆布か…という違いがあり、昆布茶の代用なんだから昆布だしの方が良いんじゃない?というような気もしますが、あくまでも出汁なのでそこはあまり影響されません。気にしなくても大丈夫です。
ということで、かつおでも昆布でも、ご家庭にあるほんだしは昆布茶の代用になります。
塩加減に注意!
昆布茶と同じような味で、昆布茶と同じ粉末状であるほんだし。
しかし、あくまでも昆布茶の代用として活用していることを忘れてはいけません。
いちばん気を付けたいのが、塩分の違い。
昆布茶と粉末だしでは塩分が異なるので、レシピににある昆布茶と同じ分量のほんだしを使うと失敗してしまうことがあります。
また、同じ粉末だしでも商品の種類によって塩分が異なるので、味見しながら使うようにしましょう。
昆布茶代用候補②塩昆布
味のイメージとして、「似てるんじゃない?」と思うのが塩昆布。
キュウリやキャベツと和えても美味しいですし、お茶漬けやおかゆに乗せても美味しいですよね。
昆布茶と塩昆布、どちらも昆布のうま味と塩気があるので代用できそうな気がしますが、果たして…?
塩昆布の成分
しょっぱいイメージのある塩昆布、成分はこちらです。
塩昆布は、昆布を醤油で煮詰め、塩が噴き出るように乾燥させたものです。
そのため、昆布茶には含まれていない醤油がメインの味付けになっており、和食に合う味。
醤油が邪魔をしないかな?と気になるところですが、その他の原材料を見てみると、昆布、食塩、砂糖、アミノ酸…と、昆布茶とほとんど同じです。
既成のだしと比べて細かい化学調味料が少なくシンプルな成分構成になっていますし、使ってみれば分かると思いますが、醤油の違和感も出ません。
ということで、塩昆布も充分昆布茶の代用になります。
大きさに気を付けて
昆布茶の代わりに塩昆布を使う際に気を付けたいのが、塩昆布の大きさです。
皆さんご存知の通り、昆布茶は粉末状なのに対し、塩昆布は昆布の姿のまま。
ちょっと味付けに使うくらいなら良いのですが、塩昆布をそのままパスタソースに、なんて考えると、ソースや麺と上手くなじまず、しょっぱい部分が出てきてしまいます。
元々塩昆布と相性がいいご飯もの、例えばチャーハンなどに使うことをお勧めします。
まとめ
- 昆布茶は、乾燥した昆布を粉砕して、食塩や砂糖などの調味料とあわせたものです
- 昆布だしには調味料が含まれていないため、そのままでは昆布茶の代わりになりません
- ほんだしは昆布茶の代わりになりますが、塩加減に気を付けましょう
- 昆布茶の代わりに塩昆布を使う際は、塩昆布を料理になじませましょう
昆布茶の代用品になるものをご紹介しました。
昆布茶は昆布のだしと丁度いい塩気が利いていて美味しいですが、あまり使う機会が無いですし、少々お値段も張ります。
しかし、ほんだしや塩昆布を上手く使えば安く済みますし、だしをとる手間も省けて一石二鳥です。
身の回りにある調味料や食材を活用して、手軽に美味しい料理を作りましょう!