絵画に対して使われる単語であるスケッチ。あなたはそのスケッチが本当はどんな意味であるか知っていますか。
他にも様々な専門用語があるので、明確に全部の意味を知るのは難しいと思います。
今回は、そんなスケッチを含む絵画の専門用語の意味を少しだけ見ていきます。
どれも同じ見えていたもの違いがわかると、ちょっと友だちに言いたくなるうんちくになると思いますので、違いのわかる人になりたい方は一緒に見ていきましょう。
実は文章にも使える? スケッチの意味
それでは最初に今回のメインであるスケッチの意味を見ていきます。
スケッチ
①写生をすること。写生画
類義語:デッサン。素描。クロッキー
②情景や人物をたんたんと書き表すこと。情景や人物をたんたんと書き表すこと。そのように書いた、小説や随筆の小品。
類義語:点描
しゃせい【写生】
実際の様子をありのままに絵や文章に描き出すこと。スケッチ。
スケッチの意味として挙げられている写生についても書き出しました。
言葉だけの意味を見ると、人や情景をそのまま描くという意味合いが強い言葉になっています。
美術の訓練として行われるものであり、鉛筆でスケッチブックに描く白黒の下書き、と聞くとイメージしやすいと思います。皆さんも学校の美術の授業で1度くらいはやったことがあるものでしょう。
また、絵画だけに使われる言葉ではなく、小説などの文字についてもスケッチ(写生)という言葉を使えることに注目です。
小説のスケッチ、と書くと違和感を覚えるかもしれませんが、小説の下書き、だとしっくりくると思います。
意味的には同じことを言っているので、このような使い方ができるのです。
そして、これ以降に書く様々な手法はこのスケッチという大きな意味から言葉から枝分かれして、少しずつ変わっているものになります。
本来の意味を見ていこう! スケッチの類義語
次に見ていくのはスケッチの意味の中で挙げられた類義語についてです。
一見すると同じように感じるかもしれませんが、少しずつ持っている意味が違っているので、その違いに注目していきましょう。
デッサン
下絵をかくこと。下絵。
言葉の意味では要するに下書きの意味として日本では使われています。
しかし、語源であるフランスでのデッサンは広い意味では絵全般の意味を指すもので使われていて、狭い意味では主に線で描かれた絵を指すものとして使われています。
なので、本来の意味でいうと、線で描かれた絵という細分化をすることができる言葉になっています。
そびょう【素描】
だいたいの形を絵や文章にざっと描き出すこと。また、その絵や文章。下絵。
言葉の意味ではこうなっていますが、デッサンはフランス語の素描という意味なので、この言葉に関しては同じことを指しています。
一般的に耳馴染みがあるのはデッサンの方かもしれません。
ちなみに英語ではドローイングという言葉になります。
クロッキー
人やものを短い時間で手早く描く写生。全体の感じをおおまかに描き出す。
言葉の意味としてはスケッチと同じように見えますが、クロッキーに関しては特に10分くらいの短い時間で描き出されたものに対して使う言葉になっています。
元はフランス語で、日本語的に訳すと速写という言葉を当てはめられます。
てんびょう【点描】
①印象派の画家が始めた手法で、絵の具を一面に塗らないで、細かな点で埋めていくもの。
②ものごとの一部分を簡単な文章で描くこと。また、その文章。
スケッチの②の言葉の意味と同じ意味として使われる言葉ですが、大きな意味があるのは①の意味の方です。
モザイク絵やドット絵という言葉で聞くとわかりやすいかもしれません。
もしゃ【模写】
ものとものをそのまま写し取ること
単語の意味としては同じように見える模写ですが、これは絵画以外全般に対して使われる意味の模写です。
絵画における模写は、風景ではなく、既に描かれている絵画を、作者の意図や技法を理解するために、描き写すという意味になっています。
なので、情景や人物を描き出すスケッチとは異なる言葉になっています。
模写を横文字に表すのならば、トレースやレプリカといった言葉が当てはまります。
まとめ
今回のスケッチの意味についてまとめると、
- スケッチは絵や文章をそのまま描き出すという意味
- デッサンや点描は同じ意味として使われるけど、本来はもっと細かな意味
- スケッチと模写はまったく異なる手法
の3つになります。
描き方による違いが少しでもわかってもらえたでしょうか。
何気なく聞いている言葉でも詳しく見ていくと知らなかった違いを知れて楽しいと思います。
美術番組を見た時や美術館に行くことなどがあれば、この違いを頭に入れて解説なを聞くと、ちょっとした専門家気分が味わえるかもしれませんね。