剣道の試合で蹲踞する剣士

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剣道-次鋒は弱い⁉︎役割を知ると気づく重要ポジション

投稿日:2018年10月22日 更新日:

次鋒に抜擢されたあなた。
またはお子さんが次鋒に選ばれた親御さん。

次鋒と聞いたとき、どう思いましたか?

剣道の団体戦では一般的に次鋒に一番弱い選手を置くことが多いと言われますから、少しがっかりしたかと思います。

しかし落ち込む事はありません。
次鋒には次鋒の大切な役割がありますし、剣道の世界には強い次鋒も沢山います。

という事で、今回は次鋒の役割、種類、そして団体戦において大切なことをお話します。

次鋒の役割は?

面を脱ぐ女子剣道部員
一般的に弱いと言われる次鋒ですが、次鋒にも重要な役目があります。

どれも本当に必要な役目なので、次鋒の方は誇りを持って、次鋒でない方は「次鋒ってこんな仕事をしているんだ」と知ってもらえたら嬉しいです。

先鋒からの流れを左右する

先鋒・次鋒にはチームの流れを作る役割があります。

ここ2つでしっかりと取ってくる、または強い選手相手に粘るなどの良い試合ができたら、その後のチームの流れもぐっと良くなります。

「チームの流れを作るのは先鋒の役目では?」と思った方もいると思いますが、もしも先鋒が負けてきてしまったら。
チームの風向きを変える仕事は次鋒に託されます。

そして、先鋒が勝ってきたのに次鋒が良くない試合をしてきたら。
せっかく先鋒が作ってきた良い流れを、後ろ3つにまわす前に壊してしまうことになります。

つまり先鋒が作った試合の流れを良い方に変えるのも悪い方に変えるのも、次鋒次第なのです。

どんな状況で後ろ3つにまわすかは大変重要ですので、ここ2人で良い流れを作り、チームの士気を高めていきたいところです。

先鋒とのコミュニケーション

先ほど「先・次でチームの流れを作る」とお話ししましたが、この時先鋒と次鋒でコミュニケーションが取れるとなお良いです。

私がいたチームは、先鋒の子と次鋒の子が大の仲良しでした。
家が近所で小さい頃から仲良くしてきた二人は、剣道を始めたきっかけも「○○が剣道するって言うから」でした。

気になるところがあれば庭で素振りをしていたようでしたし、他のメンバーの知らないところでたくさん剣道の話をしてきたのではないかと思います。

ですから先鋒の子の調子が悪い時は次鋒の子が取ってきてチームの流れを立て直してくれましたし、次鋒の子の調子が悪い時には先鋒の子はきちんと二本取ってきてくれました。

お互いどちらかが調子が悪くても、「私が取ってくるから大丈夫だよ」という感じで、とても理想的な先・次コンビでした。

どうしても先鋒が上級生で次鋒が下級生になってしまうことが多いですが、次鋒の子は積極的に先鋒の子とコミュニケーションを取ってほしいと思います。

蹲踞する

いきなり何を言っているんだ?と思うかもしれませんが、これも次鋒の重要な役割です。

相手チームが4人以下の場合、次鋒の選手が蹲踞しただけでチームに1勝と2本が入ります。
蹲踞をするだけで二本勝ち。存在意義が凄いです。

不戦勝というのはあまり気分が良くないかもしれませんが、綺麗事抜きで大切な存在です。

私は剣道始めたてのBチーム時代、ずっと4人で戦っていたので「どうして1人足りないだけで、自動的に1敗入ってしまうんだ!圧倒的に不利じゃないか!」と、次鋒の存在はかなり羨ましかったです。

そう、反対に言うと、次鋒がいないだけで勝手に2本取られてしまいます

剣道を始めたてで勝負に自信がない子も、「俺が大会に行くだけでチームに貢献できることもあるんだ!」くらいの気持ちで挑みましょう。

次鋒は弱い?

剣道の試合の鍔迫り合い
大学試合のような7人制や玉竜旗のような勝ち抜き戦の場合は変わってきますが、一般的な5人制試合の場合、次鋒は弱いと思われがちです。

しかし次鋒のことを何も知らない人に、一概に「次鋒は弱い」と言われたくありませんよね。

一口に次鋒と言っても様々なタイプの次鋒がいますし、強い選手も多いので侮れませんよ。

メンバーに入れただけで素晴らしい

大所帯のチームでは、団体メンバーに入ることすら困難です。

もちろん全国レベルの強豪チームは大勢の強い選手の中から一握りが選ばれる訳ですから、次鋒どころか補欠も超強いです。
このレベルになるともう説明は要りませんね。

私の学校は男子が多かったので、大会の度にオーダーよりも「メンバーに誰が入っているか」が注目されていましたし、後輩たちの代は大所帯だったのでこちらもまたさらに過激な団体メンバー争いがありました。

ですから、次鋒に入れただけでそこそこ強い選手なのです。人数が多いチームの次鋒は決して弱くありません。

ちなみに私たちの代の女子チームは人数が少なかったのですが、決して「一番弱いから」という理由で次鋒を決めず、「この子が一番次鋒に向いている」と思う子を選んでいました。

このように、人数が少なくても選手みんなにそれなりの力量があれば、前向きな理由で次鋒を決めるチームもあります。

皆さんの次鋒のイメージ通り、部員が5人ぴったりの学校で「こいつ一番弱いからなぁ」と消去法で次鋒が決まることもありますが、その子もきちんと次鋒としての役割を全うしようと思っているはずです。

つまり、団体メンバー争いに勝って次鋒になった子も、少ない人数の中で力量を認められて次鋒になった子も、仕方なく消去法で次鋒に選ばれた子も、団体メンバーに入っている時点でそれなりの闘志があるはずですので、あまり舐めて掛からないことです。

ポイントゲッター次鋒

先ほどお話した「消去法で仕方なく選ばれた次鋒」以外はポイントゲッターです。

「弱い選手が多い」とされている次鋒で、一本でも多く取りに行くために送り出されます。
役割は、先鋒と共にチームの流れを作ること。

特に「団体メンバー争いに勝って選ばれた次鋒(強さランキング上位5人に入ったのではなく、次鋒向きという理由で選ばれた子)」と「少ない人数の中でも、向いているので次鋒に選ばれた子」は「お前は次鋒に向いているぞ」という理由で選ばれた訳ですから、きっと攻め剣タイプなのでしょう。

この期待を裏切ってはいけません。

正直、この「次鋒に向いているから選んだ攻め剣タイプ」が取れないで帰ってくると、「あー、次鋒取れなかったかー」と結構絶望的です。

引き分けならまだ良いのですが、ポイントゲッター次鋒が負けてくるのはナシです。
ここで取ってこないと、なんやかんやで後ろがぐだぐだしてチームが負けることが多々あります。

期待の新人

「団体メンバー争いに勝って選ばれた次鋒」の中には、下級生が入ることも多々あります。

部内戦などで下級生が上位5人に入って選ばれることもありますし、上位5人に入った訳ではないけれどあえて下級生を、という考えもあります。

もしも団体戦メンバーを全員3年生で揃えたら…。
現在の2年生が3年生になった時、経験値が浅くて困りますよね。

こういう時に「俺は2年の時から先輩たちとAチームで戦ってきたんだ」という子がいると、チームを引っ張る存在になれます。

ですから、粒が揃っているところは「期待の新人」を時には上級生を差し置いて次鋒に抜擢することがあります。

大会プログラムを見て「次鋒だけ2年だぜ余裕~」なんて言っていると、その次鋒が2年生最強の可能性が高いです。

私が「チーム全員の一つ一つの試合の大切さ」を痛感した話

5人のピースで星をつくる
どのポジションが強いだの弱いだのとよく言われますが、結局は全員大事です。

団体戦は「みんなで協力してチームの勝利を掴む」ことが目的であり、個人戦では得られない喜びや感動、達成感を与えてくれます。
次鋒というポジションにがっかりしている人も、次鋒の誇りを捨ててはいけません。

ここで、私が中学校3年間の集大成である、夏の大会で経験したことをお話させてください。

取得本数で勝負となったリーグ戦

私たちの学校は、複数の学校と試合をする予選リーグで、優勝候補のA校と勝ち数、勝者数が同じになりました。

予選リーグを一位通過するのはA校か、私たちの学校か。取得本数にかかっています。

このリーグを二位で通過すると、トーナメントの位置が厳しい。もう一つの優勝候補、B校といきなり当たることになります。

でも一位通過なら、一回戦目でA校とB校が試合をし、どちらかが敗退します。
反対側のヤマに行くので、私たちは決勝戦までどちらのチームに当たることもありません。

最低でも決勝戦に行かなければ、次の大会に進めない。
次の大会に出場するために、絶対にリーグを一位で抜けたい。

みんな急いで取得本数を調べました。その結果、僅差で私たちのチームが勝っていたのです。

一人一人の試合が、チームに勝利をもたらした

リーグ戦の試合記録を細かく見た時に、勝った試合も負けた試合もみんなそれぞれが「一本でも多く取ろう」と奮闘していたという事に気が付きました。

運動神経を買われて、2年生で先鋒になった後輩。
3年生の先鋒相手に、引き分け狙いでなく一本取りに行き、かなりの本数を稼いできてくれました。

チームで一番弱い子。
取られても必死に声を振り絞って格上の選手相手に果敢に攻めていき、一本取り返した彼女の試合は涙もので、「私は今まであんなに必死に取りに行ったことがあっただろうか」と、今までの自分の剣道が恥ずかしくなりました。

結果その試合は負けてしまったのですが、強い選手相手に「チームに一本でも多く本数を」と奮闘した彼女の2-1の負けは、1-0よりずっと価値のあるものでした。

こうした5人の全ての試合内容が一つの勝利をもたらしてくれたのです。

  • 結果私たちは決勝戦で再びA校と当たり勝利し、見事優勝することができたのですが、私は決勝戦よりもこのリーグ戦の方が印象深いです。
  • 「私がチームで一番弱いんだ」「私は下級生だ」と思っていた子も、自分の真面目な試合が結果的にチームの勝利に繋がったこの時、とても報われたのではないでしょうか。

    私の剣道人生でこの大会は最も嬉しい記憶であり、ここまで一生懸命に頑張ってくれたこの時のメンバーを、私はきっと一生忘れません。

    5人全員、目標は同じ

    負けない。勝つ。そして、一本でも多く取る。
    これは先・次・中・副・大、どこのポジションにおいても共通することです。

    勝者数や取得本数が多ければチームが勝つのですから、5人全員が強い選手相手に粘らなければいけませんし、取れる相手からは取らなければなりません。

    例え自分がチームで一番弱く、それを理由に次鋒に置かれていたとしても「みんなと目標は一緒なんだ」という事は忘れてはいけません。

    きっとチームのみんなはそれをよく分かっていますし、だからこそ次鋒に「取って来いよ」と期待しているのです。

    5人全員がそれぞれのポジションに誇りを持ち、一丸となってチームの勝利を掴みに行きましょう!

    まとめ

    1. 次鋒の役割は、先鋒と共にチームに良い流れを持ってくることです
    2. 次鋒は弱いとよく言われますが、強い次鋒も多くいます
    3. 団体戦において大切なのは、メンバー全員が自分の仕事をすることです

    次鋒の役割、種類、そして団体戦において大切なことをお話してきました。
    強い次鋒になるか、弱い次鋒になるかはあなた次第です。

    次鋒の役目をしっかりと心得て、長く次鋒を務めるプロの次鋒もいます。

    自分の剣道に自信が無い人も、次鋒は立派なチームの一員ですので、ぜひ誇りを持ってメンバーと協力しながら頑張ってほしいと思います。

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