少し前の話題になりますが…
店員のミスを責めて土下座させるという動画がもてはやされ、撮影者は逮捕される事件が多発しましたね。
土下座は日本では謝罪をする時の最大のものとされています。
ここで疑問。
海外では土下座って通用するものなのでしょうか?
今回はそんな土下座と海外での認識についてまとめていきます。
日本における土下座の意味
土下座とは、地面の上に直に座って、頭を地面に近付けて礼をすることを指します。
本来の意味では日本の礼式の一つであり、尊崇高貴な対象に対して控える気持ちを表したり、深い謝罪や願いを表すために使われるものです。
現代日本と土下座
現代における日本の土下座は、恥であると認識する考えはありますが、その一方で政治や企業が不祥事を起こした場合に、メディアの前で土下座を使うことが多く見られることから、土下座は保身のための手段として大きな意味を持っています。
もう1つの意味であるはずの控えたり、敬ったりすることでの土下座はあまり見られないものになっています。
強制土下座は逮捕される
なお、日本において他人に土下座を強要させることは、強要罪に当たるものとなり、実際に刑事事件として事例が挙がるようになっています。
この動作はあくまで自分からやることで意味を成すものなので、仮に相手が謝罪すべき立場であったとしても強要させることは絶対にやってはいけないことです。
海外ではいっさい通用しない土下座=謝罪
日本での土下座は謝罪の面が強く出ていますが、これは共通の文化ではありません。
なので、海外で土下座をしたとしても一定の外国人には謝罪の意図は伝わりません(伝わるはずがありません…)。
そもそも土下座という文化がある国自体がアジア近辺にしか存在しないもので、この動作そのものがわからないものとされることが多いです。
土下座は礼式として存在しても意味が違うことがある
他に土下座を使う国は、韓国が墓参りなどの「チェサ(法事)」の時にやる「クンジョル」という一般的な作法が形としては土下座と似たような形式をとります。
意味としては、これは日本での尊崇高貴な対象に向けるものと同じ意味です。
ただ、それ以外に謝罪の意味として使われることはないので、やはり謝罪としての意味合いは独特なものになります。
海外のアニメ好きたちには通用する?
海外では土下座という動作が通じないとする一方で、日本のアニメーションの中で普通の使い方やギャグの描写として土下座が出てくるものは多々あります。
そういった二次元関係が好きな外国人については、本来の意味とは別かもしれませんが、土下座という動作を認識していることはあります。
海外の最大の謝罪
謝罪としての土下座がアジア近辺のものとわかると、それ以外の国ではどのようにして最大限の謝罪をするかが気になるところ。
ここでは各国における最大限の謝罪の一部を挙げていきます。
イギリス
イギリスの最大の謝罪はシンプルにお辞儀になります。
ただし、お辞儀をする時は、頭を深々と下げるのではなく、目を合わせたまま行います。
これは誠実さを表すために相手を見続けるという意味があります。
日本で考えると、頭が下がっていないことや目を見られた状態は返って失礼に感じてしまうことがありますが、イギリスではこれが最大のものになります。
ドイツ
ドイツの最大の謝罪は握手を求めることです。
これで相手が握り返してくれると、謝罪が受け入れられたという意味になります。日本でも和解の証として握手をすることはありますが、それはお互いが許し合った状態でやるものです。
もし、相手の思いがわかっていない時に握手として手を差し出されたら、反応に困ってしまうでしょう。
タイ・パキスタン
この2つの国では手を合わせて謝罪をすることが最大のものになります。
日本では軽く謝罪をする時のジェスチャーやメールなどの絵文字で手を合わせた動作が使われることがありますが、そちらよりも仏前で拝むなど敬う気持ちで手を合わせていることをイメージする方が近い物になります。
インド
インドでは両耳を引っ張るポーズをすることが土下座に相当する謝罪になります。
具体的なやり方は、両方の耳たぶをそれぞれ親指と人指し指でつまんで、下に引っ張る形になります。
片方では意味がなく、両方で謝罪や許しを請う意味になります。
日本人からすると、意図がまるで理解できないポーズになりますが、インドの人にとっては土下座のように屈辱的な意味合いがあるものです。
仮にインドの人がこのような謝罪をしてきた時は、土下座をされている状態と同じものとして受け取ってあげなければいけません。
まとめ
今回は土下座と海外での認識について見ていきました。
海外の文化を見ると、変わっていると感じることがありますが、反対の立場から見ると、日本も変わった文化に溢れたものになっています。
当たり前に通じると思っているものがそうでなかったりするので、海外で外国人と関わる場合や仕草やジェスチャーに十分注意していきましょう。