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「プラネテス」の意味と高い評価への理由~漫画とアニメの共存~




皆さんは「プラネテス」という漫画、あるいはアニメのタイトルを聞いたことがありますか?

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どちらの媒体も高い評価を得ている「プラネテス」ですが、聞いたことがない人は、そのタイトルの意味や評価の理由を知りたい人もいると思います。

この記事ではそんな疑問がある「プラネテス」について見ていきます。

「プラネテス」という単語~タイトルから見る意味~

惑星の模型
「プラネテス」はギリシア語で「惑う人」の複数形、つまりは「惑う人々」を意味しています。

そこから転じて「惑星」という意味もあります。

また、英語で惑星を意味する「planet」の語源にもなっています。

「プラネ」までが共通していますし、話の内容も宇宙が中心となっているので、漫画やアニメを見た人はなんとなくわかるかもしれません。

ただ、本来の単語が造語ではなくギリシア語ですから最初から正解がわかる人は少ないでしょう。

でも、このタイトルなら他の作品とはほぼ被らないものですし、そういうわからないタイトルだからこそどんな話なのか興味を惹かれることもあると思います。

「プラネテス」の評価~あり得る未来と共感性~

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さて、ここからは「プラネテス」の作品を知らない人に向けた紹介になります。まずはざっくりとあらすじを見てみましょう。

あらすじ

舞台は2070年代。

宇宙開発が進み、火星には実験住居施設ができて、木星や土星への調査が進んでいる一方で、その宇宙開発により生まれたロケットの残骸などの宇宙空間のゴミ、スペースデブリが宇宙に溢れて、衝突事故の原因となる社会問題が起こるような時代です。

また、高度な宇宙開発が進んでもその技術は先進国が独占しており、貧困や紛争、テロなどの問題は未解決のままの世界でもあります。

主人公の星野八郎太(通称ハチマキ)はスペースデブリの回収作業をしながら働くサラリーマン。
そんなハチマキが自分の夢と現実のどちらに向かって行くか悩みながら生きている。

大まかなあらすじとしてはこのようになります。

ジャンルとしてはSFになりますが、空想科学的な派手な技術や戦闘があるわけではなく、スペースデブリという現実にも起こりうる宇宙の問題がストーリーの軸としてあります。

また、その回収業者をしているハチマキたち主要人物の人間ドラマがストーリーの主題としてあり、愛や哲学、人生や仕事に対するキャラクターごとの考えや心理描写などが見どころになっています。

漫画とアニメの違い

「プラネテス」は漫画とアニメとでは様々な描写が異なっています。どちらが良いというわけではなく、どちらも個別の作品として良い評価がつけられています。

アニメでの大きな変化はヒロインである田名部愛(通称タナベ)が最初から登場していて、ハチマキとタナベの恋愛描写を中心に描かれるようになっているところです。

また、タナベのキャラクター性も少し変わっています。

なので、アニメでは考えや心理描写については「愛」について大きく取り上げられることになっています。

また、原作の漫画が1999年に始まっていて、アニメは2003年に放送されたことから宇宙開発に関する事情が多少変わっていました。

アニメではそれを加味した上で、今後の宇宙開発について考察したストーリーが作られており、そこはアニメならではの見どころになっています。

そして、様々な違いがあっても最終的に伝えたいことは漫画でもアニメでも変わらないように作られています。

そういう作られ方をしているので、アニメが原作である漫画の考え方を塗り替えたり、壊したりせず、もう1つの「プラネテス」になっているのです。

このように原作からアニメへの再構成に関しては、よく考えた上で作られていることから原作とは差異があってもアニメはアニメとして高い評価を得ています。

原作とアニメで違いがあるとあまり良い評価に繋がらないことが多い中で、両方が良い関係で評価されるのはとても珍しい例です。

高評価の理由

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先に挙げたように、「プラネテス」は宇宙開発の問題と人間の考え方を描いた作品です。

高評価の理由として、このようなタイプの漫画やアニメがあまりなく、それでいてその描写が上手く描かれていることがあります。

宇宙開発という議題は未だに想像の域を出ていませんが、その中で今の社会性にも言えるような描写があり、そこが仕事をしている人や何かに悩んでいる人たちの心を掴んだのです。

それは連載や放送されて当時だけではなく、今現在の人でも共感できるものです。

まとめ

今回は「プラネテス」について見ていきましたが、最後にタイトルの意味とストーリーについてもう1度見てみましょう。

「プラネテス」は「惑う人々」と「惑星」の意味を持っています。そして、ストーリーは宇宙開発と人間の考え方を描いています。

これを合わせて見ると、いろんなことに悩み考えている主人公たち=「惑う人々」と見ることもできるのではないでしょうか。

ここまで考えられてタイトルが付けられているか定かではありませんが、「プラネテス」のタイトルはとても魅力的だと思いました。

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