皆さんは「腰抜け」という言葉の意味はわかりますか?
知っているけど、そんなに聞く言葉じゃないかも、と思うかもしれません。
でも、実際に若い世代には読んで字のごとくなだけで、本来の意味が通じない言葉になっているかもしれません。
今回はそんな「腰抜け」の意味とそれにまつわるあれこれを紹介していきます。
普通に使うこともできる? 腰抜けとその類義語
まずは「腰抜け」の意味を確認してみましょう。
こしぬけ【腰抜け】
①腰の力が抜けて、立てなくなること。またその人
②臆病で意気地がない人を罵って言う言葉
類義語:腑抜け、意気地なし
辞書的な意味では、単に①のような状況を指して使うとされていますが、実際に言う時には、②の意味に聞こえないように、「腰が抜けた」と言う方が多いと思われます。
なので、主にこの言葉を使うのは②の意味として使う時でしょう。
②の意味としては、恐怖や驚きによって①のような状況になることからこの言葉が使われるようになったとされています。
実際には、相手を煽ったり、反対に奮い立たせるために言ったりするので、そこまで大げさな状況ではなくても、使うようにはなっています。
次に、類義語で意味の中にもある「意気地」について確認します。
何が何でもやりぬこうとする気力。「いきじ」ともいう。
類意義:甲斐性、維持、根性、気概、ガッツ
ものごとに立ち向かおうとする気力がない人
類義語:弱虫
「意気地」自体は広い意味合いで取れる言葉に見えます。
「意気地なし」になると、「腰抜け」と同様にも取れますが、臆病というニュアンスが抜けているので、微妙に使い方が変わるかもしれません。
また、似た語感の「腑抜け」について確認していきましょう。
気持ちや態度に、きりっとしたところがないこと。
このような書かれ方をしていますが、そもそも意味として「腰抜け」やいくじがないことを指すので、それらとほぼ同じ意味として使うことになります。
その由来ですが、「腑抜けの「腑」は、はらわたを意味する言葉で、そのはらわたを抜かれた状態=肝がないので力が入らない状態を、腰抜けや意気地なしという風に取ったのではないかとされています。
もしかしたら「腰抜け」よりも日常で聞かない言葉かもしれません。
「腰抜け」よりも耳馴染みがある? 臆病のスラング
そんな「腰抜け」という言葉ですが、基本的には罵倒になるわけですから、そんなに日常で聞く言葉ではないと思います。
もし、日常的に聞く臆病者を指す単語なら「チキン」の方がよく聞くようになっているのかもしれません。
「チキン」はアメリカで使われているスラングで、その由来は、恐怖を感じた時にたつ鳥肌とそういう状況になった際に、鳥のように周りをキョロキョロ見渡すようになることから来ています。
日本では、臆病な相手を指すだけでなく、「僕はチキン野郎だから……」と自分を指して使うこともあります。これが「僕は腰抜けだから……」に代わると、とんでもなく臆病なやつに聞こえるような気がしませんか?
もちろん、アメリカでの「チキン」は「腰抜け」と同じ程度に侮辱的な意味の込められた言葉です。
意味的には変わりはないのに、このように感じるのは、外来語特有の言いやすさがあって、本来の意味よりも軽い罵倒や侮辱と取っている可能性があるのかもしれません。
ただし、この「チキン」には男性の同性愛者のスラング(主に英語圏)としての意味もあり、その場合は同性愛経験が未熟なものを指すときにも使われます。
なので、何気なく軽い気持ちで使っていたら、あらぬ誤解を生んでしまう可能性もあるので、使う相手には充分注意して使いましょう。
また、「腰抜け」にしろ「チキン」にしろ、普通に使っていても不快な言葉に取られる可能性があるので、特に相手を指す時に使うかどうかは、一旦考える必要があると思います。
まとめ
今回の記事についてまとめると、
- 「腰抜け」は臆病で意気地のない人を指す
- 「チキン」は「腰抜け」よりも軽く使われる
- どちらにせよ罵倒なので、使う時には注意!
の3つになります。
語彙としてはいろんな言葉を知っておくと、得にはなります。
しかし、使い所は常に考えなければいけないので、特にSNSの拡散が怖いこの時代は、自分の発言に気を配っていきましょう。