皆さんは二重の虹をご存知でしょうか？
実際に見た事がある方はとても幸運であると言えるほど珍しい現象なのですが、この二重の虹について、地震の兆候であるという悪い現象と言われることもあるようなのです。
今回はその二重の虹と地震の関係について、まとめていきます。
二重の虹の仕組みと珍しさ
二重の虹(ダブルレインボー)とは、読んで字のごとく虹が二重に加算っている光景を指した言葉。
この虹は単純に2つ並んでいるわけではなく、主虹と副虹と呼ばれ方があります。
主虹は赤から始まって紫で終わる通常の虹ですが、副虹は紫から始まって赤で終わるという通常の反対の色の順番になっています。
また、主虹は明るく見えますが、副虹は暗くなっていて、主虹と副虹の間の空が暗く見えるという特徴があります。
その原理は太陽に光が雨粒に反射や屈折してできるのが通常の虹ですが、その虹がさらに反射してもう1つの虹ができているというものになります。
反射自体はそこそこの頻度で起こり二重になる可能性はいつでもあるのですが、はっきりと目で見えるまでにはならないことが多いので、非常に珍しい光景になります。
その幻想的な光景から幸運や願いが叶うサインであると言われることがありますが、その一方で今回の主題である地震の兆候であると考える人もいるのです。
二重の虹と地震を結び付ける根拠
珍しい現象がこの世の終わりや天変地異に結び付けられるのはよく聞く話ですが、それについては根拠よりも信仰的な面が強いので、説得力に欠けるものになります。
では、二重の虹と地震自体の関係はというと、自然現象としての繋がりはあまりないものになります。では、なぜ地震の兆候であるかと言われると、二重の虹が広い範囲ではっきり見られたその後に、大きめの地震が発生しているケースがいくつかあるからです。
二重虹と地震の例
いくつか例を挙げると…
2014年の7月11日に関東地方で二重の虹が見られたその翌日の7月12日に福島県沖でマグニチュード6.8の自信が起きました。
2015年の7月18日に東京で二重の虹が見られると、7月21日に福島県沖でマグニチュード5.0の地震、さらにはその翌日の7月22日に八丈島東方沖でマグニチュード5.1の地震が発生しています。
海外でも数件の例があり、そのことが二重の虹と地震が関係あるように思わせています。
しかし、これらの二重の虹が観測された現場と地震が発生した現場が一致しているわけではなく、しかも例としては数えるほどしかないため、必ず正しいとは言い切れないものです。
二重虹と地震は物理的な関係性がない？
ただ、二重の虹と地震を結び付けるものとして、雨と地盤の関係を出す人もいます。
先ほど虹と地震の繋がりは薄いと言いましたが、虹を構成する太陽の光や雨については、地震を起こす地盤に影響を及ぼす可能性もあると考えられます。
しかし、具体的な根拠としては挙げられているわけではなく、災害を引き起こす可能性のある雨と地盤のイメージが重なってしまっただけと見られる場合もあります。
実際に地震が発生するメカニズムとしては、常に動いている岩盤がずれることによって発生するものですが…
この現象はいきなり起きるわけではなく、何度も動くことによって岩盤が耐えられなくなることで発生するものなので、数ヶ月以上前から地震が起きる可能性は予測されるもの。
そのメカニズムから考えると、偶然に発生する二重の虹とは結び付かないものになります。
二重虹と、地震が発生する時にでる光の関係
最後に考えられるのは二重の虹と地震が発生する時にでる光の関係です。
地震が発生するのに先立って光が発生することがまれにあります。
当初は謎の兆候と呼ばれていましたが、研究の結果、岩盤が動くことによって発生するエネルギーが溜まって、どこかのタイミングで動いた時にそれが放出されてプラズマのような光として出てくるものだと判明しました。
この現象は発生することがまれであることから地震の予知に使うには難しいですが、この光が連続すると地震が発生する可能性が高いと言われています。
そのような研究結果がある中で、そのまれに発生する光が二重の虹が発生する条件であると考える人もいるのです。確かに虹の発生条件に光は必要ですが、これに関しては光が発生する頻度が少ないため、検証するにも難しいものになります。
二重虹と地震の関係…結論
いずれの根拠も薄っすらとした繋がりは見えますが、根拠としては足りない部分が多く、あくまでオカルト的な部分で二重の虹と地震との関係は囁かれるものになっています。
まとめ
今回は二重の虹と地震の関係について見ていきました。
具体的な根拠がないので、どうせなら珍しい幸運の現象として見た方が良い考えではあると思います。
ただ、何かしらによって地震の兆候がわかって、被害を最小限に抑えることができるなら早く解明してもらいたいものだと思います。