白紙を丸めて剣のように握る




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剣道初段に落ちたらその後が大事?原因&対策をチェック!




初段の昇段審査に落ちてしまった方。
初段は段位の一番最初のステージですし、結構ショックですよね…。

しかし、落ち込んでいる暇はありません。大切なのはその後です。

今回は、中学生の時に初段を取った剣道経験者である私から、試験別に「どういった原因で落ちるのか」とその対処法をご紹介させていただきます。

こう言ってはなんですが、たかが剣道初段です。焦ることはありません。

次の試験では無事合格できるように、前向きな気持ちで読んでくださいね。

実技試験で落ちてしまった場合

体育館で稽古する剣道部の風景
実技試験で落ちてしまった人の剣道には何らかの問題点が潜んでいます。

初段の昇段審査で落ちてしまった場合、基本ができていないという事

このままの剣道で稽古を続けていくのは危険ですから、問題点に気付ける良い機会だと思って、自分にどのような部分が足りなかったのかを見つめ直してみましょう。

元気があったか

初段審査においては、テクニックよりも「気迫」などの根本的な部分である元気の方が重要です。
いくら剣道が上手でも、この部分が抜け落ちていると落ちてしまいます。

反対に、あまり剣道が強くなくても元気があれば大抵受かります。
立ち上がりの発声から気持ちを高めていくことが大切です。

剣道の基本ができているか

いくら「自分は強い」と自負していても、

  • 蹲踞の姿勢が正しくない
  • 竹刀の握り方がおかしい
  • 刃筋が正しくない
  • 残心が取れていない

など剣道の基本が疎かになっていては落ちます。

多少はアクシデントとして見逃してくれますが、あからさまに着装が乱れているのもいけません。
初段は剣道の基本ができていることが条件ですので、まずそこからできていないと次の段には進めません。

真っすぐな剣道だったか

段審査は全ての段位において、合否が剣道の優劣で決まることはありません。

例え相手に一太刀もかすらせる事なくガンガン打ったとしても、掛かり稽古のようでは落ちてしまいます。

反対にずっと回避行為を取るのももちろんいけません。
試合ではなく稽古です。「一本取りたい」「取られたくない」にこだわらず、正しい剣道を心掛けましょう。

初段は段位の第一歩ですから、真面目で真っすぐな剣道が求められます。
強かろうと弱かろうと、曲がった剣道は印象が悪いので落とされる可能性が高いです。

日本剣道形で落ちてしまった場合

板間に飾られた木刀

日本剣道形は大太刀七本と小太刀三本から成っており、初段の審査では大太刀七本のうちいずれか三本が課題となります。

多くの審査会では

  • 一本目「左上段 対 右上段 面抜き面」
  • 二本目「正眼 対 正眼 籠手抜き籠手」
  • 五本目「左上段 対 正眼 面擦り上げ面」

の三本が課題になることが多く、そうでなくても何本目が出題されるかは事前に分かります。

普段の稽古で触れることのない形は、事前の練習がモノを言います。
形で落ちてしまったら次の機会には確実に合格できるように、反省点を踏まえながら練習しましょう。

刃筋は正しかったか

級審査から受けている人は木刀の扱いが大体わかると思いますが、初段が初めてという人にとっては初めての木刀になります。

木刀を振り上げる際には頭の上に立つように振り上げるのがポイントですが、木刀慣れしていない方は振り上げる際に木刀を寝かせてしまいがちです。

また、木刀はつるつるとしていて手の内がおかしくなったりするので、振り下ろした時に刃筋が曲がっていた、なんてこともあります。

声が出ているか

防具を着けて竹刀で一本を取り合う剣道でもそうですが、木刀による剣道形でもこれは同じです。

打太刀の「ヤー」と仕太刀の「トー」という発声は普段の剣道ではしないので戸惑いもあるかもしれませんが、思い切って大きな声で発生しないとここも落とされてしまいます。

正しい間合いか

木刀は竹刀よりも短いので、いつもの感覚で打とうとすると相手に届かなくなります。

また、「防具を着けていないから」と相手を心配して思い切った形をできない心優しい子もしばしば見かけます。

距離感も恐怖心も、慣れです。
たくさん日本剣道形の練習を積めば木刀の距離感や打突部位の見極めに慣れてきます。

明らかに間合いが遠かった、または近かった、相手を打つのが恐くて木刀が浮いてしまったという方は、練習量が足りなかったと考えましょう。

次の審査までに練習し直せば大丈夫です。

相手とのタイミング

私も級審査は市内で行われていたので知り合いの子と練習を重ねてきましたが、段審査ともなると知らない子とペアを組むことになり、少し戸惑いました。

そうなると、いつも学校や道場でやっていた練習通りに行かなくなることがあります。
どちらも間違いでないにしろ、学校や道場の指導者によって強調して教えている部分やコツなどが違うので当然のことです。

練習を多く積んできて、自分のところの指導者の形がしっかり体に染みついた人ほど、間合いやタイミングなどペアとの違いに戸惑います。

ですから、事前にペアの子が分かれば一度は形を合わせておくのが良いです。

お互い上手く演舞したいという気持ちは一緒ですし、「緊張しますよね」と言葉を交わしておけば緊張も和らぎます。

学科試験で落ちてしまった場合

鉛筆を握る手
学科試験で落ちてしまった場合は、具体的にどのような問題が駄目だったのか、どんな風に勉強したかを振り返る事が大切です。

同じ失敗を繰り返さないように、きちんと勉強し直して再試験に挑みましょう。

ノー勉は絶対に避けて

「剣道初段の学科試験の内容は、普通に稽古をしていれば身につく当たり前のこと。」
ネットにはこう書いてありますし、先生や先輩方からも「初段は落ちないよ」と気楽な言葉を掛けられるかもしれません。

確かに初段の学科試験は「え?こんなもの?!」とびっくりしてしまうくらい基本的な知識と簡単な問題ばかりで、「あんなに勉強しなくても良かったじゃないか」と拍子抜けしてしまうものです。
しかし、だからと言ってその言葉を真に受けて全く対策しないというのはNGです。

先生や先輩方、ネットの記事を書いている昇段審査経験者は、みんなある程度勉強してきた上で「簡単だった」「まず落ちない」と言っているのです。

いくら基本とは言え暗記する言葉なども多くあり、普段の稽古で身に着けた予備知識だけでは対応できません。

ヤマを張って勉強していませんか?

筆記試験の内容は、各都道府県によって出題傾向がだいぶ違います。

竹刀の名称など全国的に出やすい問いもちろんあるのですが、その他こまごまとしたものは都道府県によって出題のされ方が違ってきます。

ですから、ちょっと手を抜いてヤマを張るのは良くありません

実際私が昇段審査を受けた際はどんなに剣道が弱い子でも受かっていたのに、県内有数の実力者が筆記で落ち、会場がざわついていました。

どんなに剣道に自信があっても油断は大敵です。

自分の言葉で記述しましたか?

都道府県によっては事前に原稿用紙に作文を書くこともあるようですね。
私の県では、椅子も机もない体育館に剣道着の子供たちがかがんで、床で解答用紙に記述する感じでした。

どちらにしてもあるのが、選択問題や虫食い問題ではない「作文方式」

ここでは自分で文章を組み立てて解答しなければならないのですが、頭の固い子なんかは暗記した文章をそのまま書こうとして、文章の意味合いが変わってしまうことが多々あります。

そうでなくても問いをよく見ないで解答すると、文章内の肝心な部分が曖昧になってしまったり、問いの意図と違うことを記述してしまったりと様々なミスが起こります。

大事なポイントを押さえながら、自分の言葉で記述することが大切です。

【関連記事】
剣道/審査で作文の書き方はどう書く?勉強法もご紹介‼︎

学科試験は再試験が可能

学科試験の成績が合格点に達していなかった場合、再試験を受けることが可能です。

こちらも都道府県によって変わってくる可能性があるので一概には言えませんが、私の県では別の日に別の会場で学科の再試験があるとのことでした。

再試験があれば次の審査まで待つ必要が無いですし、実技や形で落ちるよりも救われたような気分ですが、地域によっては再試験の会場まで結構遠かったりするんですよね。

北海道の隅っこにいる剣道少年が、小さなペーパーの再試験のためだけに札幌まで移動する…となると結構きついのではないでしょうか。

そして、筆記試験で落ちた人が集まる会場とは…。審査する方の眼差しは…。考えるとちょっと恐ろしいです。

ですから、剣道だけでなく学科試験も「一本勝負」の気持ちで挑みたいですね。

まとめ

  1. 実技試験は自分の剣道を見直す良い機会ですので、改善点を確認しましょう
  2. 剣道形は、次回までに練習を重ねておきましょう
  3. 学科試験は再試験があるので、勉強の穴を埋めて挑みましょう

周りから見たら大したことでなくても「初段はまず落ちない」と言われているので、初段に落ちるのはとても落ち込むと思います。

しかし、有名な某先生も学生時代は初段審査に何度も落ちたという話がありますし、強くなれば笑える話です。

大切なのは落ちた後にどうするか。
きちんと今回の審査を振り返り、改善点を見つけて稽古を積めば、必ず次は受かります。

実技試験と剣道形で落ちてしまった人は次の昇段審査に向けて、学科試験でおちてしまった人は再試験に向けて頑張りましょう!

作文の攻略法はこちらにもくわしく書いていますのでどうぞ。
剣道/審査で作文の書き方はどう書く?勉強法もご紹介‼︎

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