パソコンを前に頬杖をつく女性




仕事術

ゆとり世代は本当に”使えない”?工夫して訓練すれば化けるかも‼︎




「これだからゆとり世代は…」なんていう上司の愚痴を一度はきいたことがないでしょうか?

職場とは様々な年代の様々な人が集まって仕事をまわしていますから、中には「使えない」タイプの人間が必ず混じっているものです。

この「使えない」タイプに多いのがどうやら「ゆとり世代」だと世間一般では言われているようですが…。

果たして、ゆとり世代は本当に「使えない」のか?!

また、どうしても「ゆとり世代は使えない」とひとくくりにされてしまうのはなぜなのか?

ご自分がゆとり世代だという方も、ゆとり世代の扱いに困っているというゆとり世代以外の方も、ちょっとだけ偏見を捨てて考えてみませんか?

「ゆとり世代」とは

桜をバックにポーズする新社会人の男女
「ゆとり世代」とは、いわゆる「ゆとり教育」を受けた年代を指した呼び名です。

私の子供たちはゆとり教育を受けた世代で、当時、小学校が土曜日休みであることに私は衝撃を受けました。

数年経過した頃、ゆとり教育の弊害が持ち上がってきたのも覚えています。

この年代が成長して社会に出てから、若者の特徴として問題視され始めた「ゆとり世代」たち。

実際職場にいる若者は「ゆとり世代」なのかどうか…正しく知っていますか?

ゆとり教育とは

それまで日本が行ってきた詰め込み教育をやめて、学校を週5日制にしたり学習内容を削減する一方で、体験学習やクラス討論などの「生きるために必要な力」を学ぶことに時間を使ったカリキュラムを作成しました。

これが「ゆとり教育」です。

知識を詰め込むだけの教育により学歴最優先の考え方が起こり、社会問題となったため思い切った政策をとったわけです。

しかし、登校日数が減り学習内容も削減されたことにより日本の子供たちの学力低下がみられるようになりました。

そこで、今度は隔週で土曜日を登校日にしたり、学習内容を増やすなどの修正が行われたのですが、この流れを「脱ゆとり教育」と呼んでいます。

ゆとり世代はいつからいつまで?

ゆとり教育が開始されたのは、小学校で2002年度から。高等学校で2003年度から。

そして脱ゆとり教育が開始されたのは、小学校で2011年度、中学校で2012年度、高等学校で2013年度です。

ですから、ゆとり世代の定義を「ゆとり教育期間に学生だった世代」とすると2002年度~2012年度に学生だった人を指します。

生年月日で言うと、1987年4月2日~2004年4月1日生まれの人が「ゆとり世代」となるわけです。

若者に対して安易に「ゆとり世代」と呼ぶ人もいますが、ゆとり教育を受けた期間や時期によって大きく差がありますので何でもひとまとめで考えるのは間違っています。

ゆとり世代が改めるべき特徴

指でバツをつくるスーツの女性
ゆとり世代にはいくつか特徴があるのですが、彼らが成長期を過ごした時代背景が濃く反映されています。

もちろん全員が同じ特徴だとは言いませんが、世間で言われているマイナス面を社会人になった時点で抱えている、尚且つその特徴が何年たっても解決していない人は多いように感じます。

ここでは、ゆとり世代が今後社会で働くうえで「使えない」と言われないように改めるべき点を挙げていきます。

自分で判断できない「指示待ち」

仕事をするうえでゆとり世代の一番の特徴は、自分から動かない指示待ちタイプが多いことのようです。

誰かから指示があるまで動かない。自ら判断して動くことをしない。

これは、出世したいだとか人よりリードしたいという野心がほぼないため、叱られなければそれでいい、という考えから「言われたことしかやらない」というスタイルになるのだとか。

競争社会で生きてきた古い世代からはちょっと信じがたい考え方ですから、批判の的になってしまいます。

それに、言われたことしかやらないという仕事ぶりでは若いうちはそれで済みますが、中堅になったとき困ってしまいますよね。

正直、周囲から言わせてもらえば出世欲が無くたってこちらは一向に構いませんので良いのですが、いちいち細かい指示を出さなければいけないようでは仕事が回らないのです。

例えばAを変更する指示を出したのだから当然Bも変更しているだろう…と思って蓋を開けたらAしか変更されていなくてBは放置されていた!というような場合。

ゆとり世代の言い分としては「Aについての指示しかきいていなかったので」ということになりますが、仕事全体のことを考えていれば気付くことですし、指示がなかったのであれば「Bの変更も行いますか」と一言確認すれば良いだけのこと。

これでは周囲の負担が倍増して職場全体が疲れてしまいます。

答えをすぐに出したがる

ネット検索で何でも答えを探す習慣のあるゆとり世代は、わからないことは基本的にgoogle先生。

簡単に表面的な答えを手にしてしまいますから、仕事で解決すべき問題に対してもすぐに答えを出してしまう癖があるようです。

一辺倒では対応できないイレギュラーも苦手です。

また、自分の意見を求められても無難な答えを検索するのがセオリーになっている人も少なくありません。

そのため、よく考えなければ答えを出せない問題や、回り道や時間が必要な解決方法が苦手です。

同僚や先輩に相談するという習慣がありませんから自己判断で安易に答えを出したがる傾向があるようです。

この場合、出された答えは間違っていることがほとんどでしょう。

社会はそんなに単純ではないからです。

「使えない」と思われるのはイヤ

さきほどの「すぐに安易な答えを出す」という癖にもつながることですが、仕事を覚えることに関しても「ああ、わかりましたわかりました」という姿勢のゆとり世代をよくみかけます。

「その説明で本当にわかったの?!しかも1回で?」と突っ込みたくなることが多々あります。

指導する側も丁寧に説明しているそばから「わかりましたよ」と言われるとそれ以上教えてあげる気が削がれるものです。

この反応の仕方は「仕事ができないと思われたくない」というゆとり世代の潜在意識を感じます。

「ゆとり世代」とひとくくりにされている彼らは「自分は違う」というおかしな自己主張を持ち合わせている場合があります。

仕事で成長できない人の特徴であるあるなのが「プライドが高い」こと。

わからないことを質問できない人はいつまでたっても成長できません。

が、ゆとり世代の場合「理解できていないこと」すら素でわかっていないようにみえます。本気で「ああ、わかりました」と言っているかも知れません。

これは、本当はわからないのに黙っているタイプより指導が難しいかも知れません…。

ゆとり世代を理解して仕事を円滑にするには

オフィスで会話する男女
ゆとり世代特有の「使えない」特徴を一気に羅列してしまいましたが、一緒に仕事しているほうは本当に困り果ててしまうのです。

しかし!これに対して指導する側も工夫が必要です。

苦い顔をするばかりでは何の解決にもなりませんし、イライラしないように解決策を探すのは自分のためでもありますよ。

「指示待ち」の原因は他にありませんか?

例えばゆとり世代特有の指示待ち体質についてですが、そうさせているのは周りの上司や同僚かも知れませんよ。

私の職場のゆとり世代さんは指示されたことしかできないというか、指示されたことしか知らないと言った方が近いかも知れません。

というのも、正直指導する側にも多少の問題があるからです。

問題のゆとり世代さんに対して指導を行う職員が多すぎて、一体だれがどのように仕事を教えたのか明確ではないため、誰もゆとり世代さんに対して責任を持とうとしません。

何かミスをしたときだけそれぞれが違う方針で注意を与えているのをよく見かけます。

あれでは正直「誰の指導を信じれば良いのかわからない。何をしても叱られるから自分で判断するのはやめておこう」と思われても仕方がないのでは…。

私の職場の話でしたが、皆さんの職場ではどうなのかちょっと考えてみてはいかがでしょう。

このようなケースではなくても、ゆとり世代さん達には気の毒な場合もあるかも知れないのです。

丁寧に仕事を教えていますか?

次に、安易に答えを出して適当な仕事ぶりのゆとり世代さん達についての解決策をかんがえてみましょう。

これももちろん問題の根本はゆとり世代の考え方の癖にあるのですが、だからといってため息だけついて放置するのでは問題は解決できません。

しっかり考えて時間をかけなければいけない仕事を任せる時、正直いって「この仕事はこの人には無理なんじゃないか」とベテランなら薄々気付いているはずです。

それをそのままゆとり世代に任せてしまうことこそ、上司としての怠慢ではないでしょうか。

「これくらいわかるでしょ」という仕事の任せ方ではなく、また、なんでも言うとおりにすれば良いように細かい指示を与えるのではなく、まずはどんな質問でもトラブルでも受け止める覚悟を持って任せましょう。

質問が来なければ放置せずに進捗ぶりを確認しましょう。簡単な仕事ではないのに質問がないのは不自然ですから。

一緒に仕事をするという姿勢を示して、なんでも相談してもらえる関係を作る努力をしてみてください。

面倒くさがりのゆとり世代に「丁寧に仕事をすることの達成感」を教えてあげましょう。

そのためには指導する側も仕事をしっかり理解していることが肝要ですよ、意外とこの部分に自信のない指導者はいませんか?

社会人として認めてあげていますか?

ゆとり世代の仕事に対する姿勢に問題があると思ったら、思い切って「このままでは一生逃げ腰で仕事しなければいけないよ」と一石を投じてみましょう。

ゆとり世代にとって仕事は生き甲斐でもなんでもありません。大事なのはプライベート。

しかし、プライベートを充実させるには仕事も充実していなければいけないということをしっかり教えてあげた方が良いでしょう。

「仕事なんて適当にしていても楽しく生きていける」と本気で思っている傾向がありますから「このままでは社会人として恥ずかしい」という気持ちを全く持っていないという可能性があります。

今の仕事ぶりでは職場全体に迷惑がかかるし、ここを辞めてどこかへ行ってもこのままでは何も変わらないということを本気で伝える必要があるんです。

ただし、残念なことにこの本気の救済の気持ちが通じる人と通じない人がいることが現実です。
ゆとり世代でも皆が同じ性格なわけではありません。

少しでもミスをすると「ゆとり」の一言で片づけられてしまうという悩みを実は抱えていて「本当は変わりたい、きちんと仕事のできる社会人になりたい」と思っている人も少なからずいるのです。

ゆとり世代全員に対して投げやりになるのではなく、一社会人として受け入れて認めてあげる姿勢をまずは先輩がとるべきなのかも知れません。

まとめ

  1. ゆとり世代とは1987年4月2日~2004年4月1日生まれでゆとり教育を受けた世代のことを指します
  2. ゆとり世代には仕事をするうえで改めた方が良い特徴がいくつかあります
  3. 仕事を円滑にしたいのならゆとり世代との関わり方を見直しましょう

私の職場にも現在20代半ばのゆとり真っただ中ちゃんがいます。

入社した当時はあまりの常識のなさにどうなることかと思っていましたが、彼女はいま職場に欠かせない存在へ成長を遂げつつあります。

それは、彼女が根がまじめで一生懸命だったことと、愛嬌があって憎めないキャラだったため先輩から可愛がられたおかげでしょう。

彼女もゆとりの特徴はもちろん持ち合わせていましたが、彼女のことを思って親身に世話をした先輩たちの勝利だ、と私は感じています。

もちろん個人の性格に左右される部分は大きいのですが、できるだけゆとり世代の気持ちに降りて考えてみてください。

脱皮するチャンスを与えてあげれば、もしかしたら「使える社会人」に変身するかも知れませんよ!




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