女性にとって爪のお手入れは気分をあげるための大事なおしゃれですよね!
常に爪のお手入れに気をつかっている人にとって、爪切りや爪やすりは大事なアイテムです。
爪切りって不思議なもので、お気に入り以外で爪を切ると上手にケアできませんよね。
私たちは何気なく使っていますが、日本製の爪切りは高性能で大変使いやすく外国の方からの需要も高いのでお土産としても人気が高いのだそうです。
日本製以外は正直使いづらいようですね…。
それでは、使いやすい現在の爪切りが誕生する前、ひとはどのように爪のお手入れをしていたのでしょうか?
昔の人だって爪のケアをしていたはず!それでは爪切りの歴史を探ってみましょう。
爪切りがない時代
現代の爪切りが現れる以前、ひとはどうやって爪を切っていたのでしょうか。
昔の人だって当然爪はのびるでしょうし、のばしっぱなしなんてことはありませんよね。
調べてみると、人間が文化的に進化するのに合わせて爪切りの仕方も変わっていったようです。
爪を切る必要がなかった?~原始時代~
原始時代の人間が爪を切っていたという説はどうやらなさそうです。
石器時代なら石を削ってナイフとして使っていましたが、それで爪を切っていたという話は聞きませんね。
原始時代のひとが爪を切らなかったということは、爪がのびなかったということではないでしょうか。
原始時代、爪はある意味刃物の代わりに道具のような役割を果たしていました。
獲物の肉や皮を剥いだり、泥を掘ったり、木登りをしたり…。
野生動物が爪切りをしないで生活しているように、原始時代の人間は爪を道具として使うことで爪が摩耗してのびきることがなかった、と考えられます。
鉄などで削っていた?~古代~
人類が進化して道具を生み出してからは、爪を道具として使わなくなりますね。
古代人は爪のお手入れをどのようにしていたのでしょうか?
弥生時代には鉄製の刀もありましたので、農耕をする必要のない地位の高い人たちは小刀のようなもので切ったり削ったりしていた可能性があります。
弥生時代の墓から毛抜きが出てきたという例がありますし、鉄や銅を使えない人々も「爪磨(つまと)」と呼ばれる石で爪を削っていたようですから、古代人は身だしなみを整える習慣があったのかも知れませんよね。
持っている刃物で~江戸時代~
江戸中期になるとハサミが広く使用されるようになります。
ハサミが江戸庶民に広まるまでは、ハサミはやはり高級品でしたから武士は持っている短刀で、庶民はノミなどで爪を切っていたようです。
難しそうですし、あまりにワイルドで正直こわいですね。
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という言い伝えは誰でも聞いたことがあると思います。
これは昔の小さな灯りの下で爪を切っていると→小刀で思わぬ怪我をして→傷口からばい菌が入り→親より先に死んでしまう→親の死に目に会えない
ということから生まれた言葉のようです。
それほど、爪切りのなかった昔において神経を使う危険なケア方法だったと想像できます。
爪切りの登場
昔は爪を切る道具として既存の刃物を使っていたのですね。
しかし明治維新以降、近代に入るとついに爪を切る用途で作られた「爪切り」が登場します。
爪切り専用ハサミ~明治時代~
江戸時代までは、持っている刃物を使って爪を切ったり削ったりしていたようですが、明治時代になると爪切り専用に作られた握りばさみが流行し、広く普及したようです。
ハサミ自体は紀元前の古代ギリシアではすでに登場していたようです。
日本には6世紀に中国から伝わりましたが、非常に貴重なものなのでかなり地位の高い人物しか手にすることがなかったと思われます。
高級品だったハサミを爪切りとして使いやすく改良して庶民に広めたわけですね。
ニッパーのような爪切り~大正時代~
現在でも海外ではメジャーな爪切り「ニッパー式爪切り」は大正15年に諏訪田製作所で作られました。
ニッパー自体はそれ以前から海外にありましたが、諏訪田製作所で扱っていた「喰い切」というニッパーのような道具を爪を切りやすく改良して売り出したようです。
これは、それまでのように何かしらの刃物で爪を切ったり削ったりするのではなく、爪を切るために作られた「爪切り」です。
取っ手をカーブさせて握りやすくデザインされていて、現在の爪切りの刃と同様に爪のカーブに沿った斜め刃が使われています。
斜め刃は巻き爪や甘皮もきれいに切ることができる優れもの。1996年のグッドデザイン商品に選ばれているんです。
現在の爪切りが登場~昭和~
現在日本でメジャーなクリッパー式爪切りは昭和に入ってから登場しました。
とはいえ、昭和初期は地方では爪切りはまだまだ広まっていなかったようです。
戦後、様々なメーカーがクリッパー式の爪切りを発売し、今やコンビニや百均でも必ず店内においてありますね。
国内外でも工夫され、改良された爪切りが販売されていますが、今だに大きな進化はないようです。
それだけ現在の爪切りが使いやすくできているということですよね。
老舗の良品爪切り
日本の技術は様々な分野で世界から称賛されていますが、爪切りも然り。
刃物の技術はもちろんのこと、使いやすさを追求した精巧なつくりの爪切りは日本でしか手に入らないものです。
ここでは、日本において爪切り界をリードしている老舗の素晴らしい爪切りをご紹介したいと思います。
たかが爪切りと侮るなかれ、世界から注目される日本の爪切りを知ってください。
諏訪田製作所のニッパー式爪切り
前述した、大正時代にニッパー式爪切りを発売した諏訪田製作所の爪切りは現在も世界中のネイリストが使用していて「SUWADA」のブランドで知られています。
ハイカーボンステンレス鋼で出来ていて、職人さんが一点一点磨き上げている美しいミラー仕上げ!
刃研ぎや調整などのメンテナンスも行っていて、現在も愛用者が長く使う良品なのですね。
「うぶけや」の爪切り
「うぶけや」は江戸時代創業の刃物の老舗で、現在もレトロな店舗で販売をしています。
コレクションとして購入したくなるような高級感の漂う爪切りが店内のショーケースに並んでいます。
重厚で手作り感のある品のある商品で「東京うぶけや」の屋号がなんともレトロで素敵です。
別売りですがなんと桐箱や革ケースもあります。
刃の噛み合わせは絶妙で精巧にできていますので、切れ味はもちろん抜群。
現在日本で広く使われているクリッパー式の爪切りですが、歴史を感じる芸術品のような爪切りです。
まとめ
- 爪切りが登場する前は、時代に合わせた刃物で爪を切っていたようです
- 近代に入って、爪を切るための道具「爪切り」が登場しました
- 日本の爪切りの歴史を感じる芸術的な爪切りをご紹介
爪切りの歴史を調べてみると、爪切りという道具は意外と最近登場したものだとわかりました。
それまでは手持ちの刃物で代用することで事足りていたということになりますが、爪切りという道具になれた現代人にはこわくて真似できないですよね。
私は介護施設で働いているので爪切りの大切さをよく理解しています。
どんなに歳をとっても爪はのびます。
のびた爪が原因で大きな傷になる可能性もありますし、逆に切りすぎて深爪するのも問題。
他人の爪を切ることはとても緊張しますが、きちんとしたケアをしなければいけないのです。
昔の人が苦労して爪切りしていたことを考えると、日本では使いやすい爪切りが一般に使われていることに感謝しなければいけませんね。