学生でも社会人でも、今どきは鉛筆よりもシャープペンを使っている方ばかりでしょうね。
使った経験はあるものの、最後は小学生の低学年が関の山…。
そんな鉛筆ですが、鉛筆に表記されているアルファベットが濃さを表していることは、なんとなく知っている人も多いかもしれません。
ただ、実際にどのような順番かと言われると詳しくはわからないかもしれません。
今回はそんな鉛筆のアルファベットに関する疑問を紹介していきます。
日本における鉛筆のアルファベットの意味
鉛筆に必ず付いているアルファベットの記号。
実はこれが芯の濃さと硬さを表すものになっています。
「H」はHARD(かたい)、BはBLACK(黒い)の略です。
Hの横に書いてある値が大きくなるにしたがって、色が薄く折れにくい芯になることを示します。
一方、Bは横の数字が大きくなるにしたがって、書き味が濃く、折れやすい芯になります。
また、FはFIRM(しっかりした)の略でHBとHの間の濃さと硬さを持った芯になります。
6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9H
濃くて柔らかい―――――――――――――――――――――――――薄く硬い
日本の鉛筆はJIS(日本工業標準調査会)によって定められた上記の17種類の順番で出されています。
三菱鉛筆が販売しているものではここからさらに「10B、9B、8B、7B、10H」を加えた22種類の鉛筆があります。
普段見かける範囲だと「2B」から「F」の間になります。
「4B」から「6B」の鉛筆は主に絵画のデッサンなどに使用されるもの。
「H」から「5H」の鉛筆は主に設計図などの細かい表記をする時に使うものになります。
「7H 」から「9H」になると芯が非常に硬くなるので、紙に使うのではなく、金属や石材に書くために用いられることが多い傾向にあります。
限られた場所しか売っていませんが「10B」ともなるとまるで筆のような書き後になるほど芯が柔らかくなり、「10H」は書き心地は良いですが書いた後はとんでもなく薄いものになります。
もし、たくさん種類があって、鉛筆を買う時に困った場合はアルファベットが略であることを覚えておくとすぐにわかります。
海外における鉛筆のアルファベットの意味
先ほどは日本におけると書いたように、これは世界共通の表記ではありません。
それぞれの国で表記の仕方が異なるものになります。
アメリカの場合
アメリカでは硬さについて番号で表記されています。
#1 、#2 、#2 1/2、#3 、#4
濃い――――――――薄い
※「#2 1/2」は「2-4/8」、「2.5」、「2 5/10」と表記されることもあります。
それぞれを日本におけるものに置き換えると「#1 = B」、「#2 = HB」、、「#2 1/2 = F」、「#3 = H」、「#4 = 2H」になります。
この中で最も使われているのは、「#2 」になるようです。
ヨーロッパの場合
ヨーロッパでの表記は10Bから10Hで表記されますが、実際の濃さは日本の物とは異なります。
10H~2H、H、F、HB、B、2B~10B
硬い――――――並――――――柔らかい
変わり始めている主流な鉛筆の濃さ
読んでいる方が小学校で使用していた鉛筆がどの表記だったか覚えているでしょうか。
最近はシャープペンシルを使うのが専らで記憶に残っていない人もいるかもしれません。
ただ、恐らくちょっと前までならHBの鉛筆を使っていたと思います。
そう言えるのは、多かったはずのHBのシェアが減少しているからです。
反対に増えたのはHBより2つ上、つまり2つ分薄くて硬い2Bの鉛筆です。
HBと2Bの鉛筆のシェアは元々はHBの方が上でしたが、2014年にはその数値は逆転して2Bの鉛筆の方が上になっているのです。
その原因は最近の子どもの筆圧の低下によるものと考えられています。
筆圧が低いと柔らかい芯では濃くて綺麗な字を書くことはできません。
そのような状況を見て、小学校が指定するものが、元から濃く書くことができるBや2Bの鉛筆が使われるようになったということです。
そして、高学年になって急に鉛筆の濃さを変えるということはありません。
そうなると、それ以降もそのまま2Bの鉛筆が使われることからHBの需要が少し減っているのです。
銀行などに置いてある鉛筆は基本的にはHBの物が使われていますが、今後、筆圧が低い子どもたちが成長した時のために、2Bの鉛筆に移り変わっていくのかもしれません。
まとめ
今回は鉛筆の硬さの順番についてアルファベットを中心に見ていきました。
必ず使うはずの鉛筆ですが、学校では教えてくれないことです。