あなたは自分の接客に自信がありますか?
ファミレスで接客の仕事を選んだ方は、おそらく人と接するのが好きで、どちらかというと会話が得意な方なのでは?
ところが、いざ実際に仕事してみると接客以外の作業がたくさんあって接客どころじゃない!
対人は得意なはずなのにクレームをもらってしまい落ち込んだり、「こんなはずじゃなかった」と自信喪失する方も多いと思います。
マニュアルもきちんと守っているのになぜ思い描いた接客ができないのか…。
実は私も7年ほどファミレスの接客を担当した経験者です。初めの頃は毎日息切れしながら精神的にもストレスが溜まり、クレームのプレッシャーに押し潰されそうでした。
そんな私がマネージャーの仕事を任され、なぜ7年間も同じ店で勤めていたのかというと、接客についてよく考え、重きを置いた結果、色々なことが好転した結果だと感じています。
お客様に喜んでもらえる接客は、本当に大切な基本をブレずに持っていれば自然に身に付くものです。
ですから今、ファミレスの接客は自分に向いていないかも…と悩んでいる方は、今一度接客の基本に対して理解を深めてみてはいかがでしょうか。
自信を持って仕事ができれば接客の魅力に気付くことができますし、やりがいも出てきます。
ファミレス接客の基本① 笑顔について理解しましょう
ファミレスに限らず、接客の基本はもちろんお店のマニュアルにも必ず書かれている「笑顔」。
お客様が嫌な思いをして帰ることがないよう、笑顔で接客することは最も必要な気遣いです。
ところが実際働いてみると、常に笑顔でいることほど難しい事は無いと思いませんか?
どうしても顔をしかめたくなる瞬間は正直ありますよね。常に笑顔で!なんて言葉では簡単に言いますが、どれだけ大変なことか…。
それでも常に笑顔でいる店員さんのことを、見ているお客様は応援してくれるもので「いつも笑顔でいいね」と言われると報われた気持ちになりますよね。
笑顔でお客様を味方につけて、自信を持ってフロアをまわりましょう!
常に笑顔でいられますか?
フロアでお客様にニコニコ笑顔で接していても、キッチンに入った途端不機嫌な顔になっている人はいませんか?
お客様の無茶な要求や忙しさでイライラする気持ちはとてもわかるのですが、それは仕事が終わってからスタッフルームや家で吐き出しましょう。
仕事中、常に笑顔でいるということは、勿論仲間のクルーさん達にも笑顔で接するということです。
クルーさんに対して注意する時も怖い顔をしないよう、仕事中は笑顔で!を心掛けてみてください。
一度曇った表情は、無理に切り替えても不自然な笑顔にしかならないものです。
タイムカードを切るまでは嫌な顔をしない!と決心すると、仕事中のスイッチが入っている間はどんなことがあっても自然に明るい表情でいられるようになりますよ。
笑顔をお客様に向けていますか?
お客様の様子に注意深く目を向けることは細やかなサービスのために欠かせないスキルです。
困ったことがあっても忙しい店員さんを呼ぶのはちょっとタイミングが難しい…と、遠慮してしまうお客様はたくさんいます。結局声を掛けられずに不満を持ったまま退店することになれば、またそのお店に来たいと思うでしょうか?
お客様に常に笑顔を向けている店員さんには「すみません」と声を掛けやすいと思いませんか?
笑顔はお客様の要望を素早くキャッチできるアンテナです。
遠くにいるお客様と目が合ったときは、声を出さなくても心の中で「どうされましたか?」と言ってみてください。自然な表情でお客様にご用件を伺うことができますよ。
笑顔に合った姿勢で歩いていますか?
ファミレスによって違いはあると思いますが、フロアを歩く速度は結構速足に設定されていますよね。
だらだらと歩いていては、やはりだらしない印象を与えますので、歩く速度や姿勢は印象を大きく左右するものです。
笑顔だけを無理にキープして背中を丸めて歩いていては、せっかくの笑顔が台無し。
感じの良い笑顔は、きれいな姿勢やきちんとした身だしなみとセットになっているのです。
常に背筋を伸ばして周囲に目線を配りながら颯爽と歩けば、笑顔が似合う素敵な店員さんになれますよ。
ファミレス接客の基本② 本気の「お客様目線」を身につけましょう
接客の基本として「お客様の目線に立って」という言葉もよく耳にする文言ですね。これには様々な意味が含まれていると思います。
お客様が気持ちよく食事できるように気を配ることはもちろんですが、自分を抑えなければならない場面において、この考え方を当てはめるとトラブルを防ぐことができます。
本気でお客様目線になることはなかなか難しいことで、大袈裟に言うと「訓練」が必要なことだと思います。
しかし、うわべではないお客様目線を身に着けることで様々なことがスムーズに動くようになりますよ。
お客様の要望に先回りできるようになりましょう
忙しい時にベルスターで呼ばれてお客様の要望を伺った時、「そのくらい、ちょっと我慢してくれないかな」と少し苛立った経験はありませんか?
小さなことのように思われる要望は本当に不必要なことだったのでしょうか?いいえ、お客様が実際困ったから呼んだわけです。
例えばお二人様のテーブルでドリンクバー2つとパスタ1皿のオーダーだったとします。
料理が運ばれてほどなく呼ばれて「取り皿をください」と言われる可能性があります。
このオーダーを受けた時点で気づいて確認できることは2点あります。まずはパスタのオーダー数がお一つで間違いないのか、間違いなければ「お取り皿をご用意致しますか?」と確認しておくことです。
そうすればお客様も不便を感じてわざわざ店員を呼ぶ必要もなくなりますし、店側としても何度も呼ばれることがなくなります。
わかりやすく言うと「気が利く接客」ができると無駄がなくなり、結果的に仕事がよく回転します。
お客様の年代に合わせて接客のしかたを使い分けましょう
ファミレスには様々な年代のお客様が来店します。
私はランチタイム、ディナータイム、深夜勤務を経験していますが、時間帯によって客層が違いますね。
それでもランチは主婦ばかりではないし、ディナーは家族連ればかりではありません。
少数派の年代のお客様にこそ、気を遣ってみてください。
例えば、子供連れのお客様にトーンの高い元気な接客をしつつ、おひとりで静かに過ごしているお客様にはトーンを少し下げた落ち着いた声で丁寧な接客を。
若者の団体と少しフランクに笑いを交えて話をしながら、高齢のお客様には正しい言葉を使ってゆっくり話しかける。
お客様の雰囲気を察してテーブルごとにさっと切り替えができるよう、心がけてみましょう。
本気のお客様目線でクレーム対応が迅速にできます
ファミレスの接客で一番のストレスはお客様からのクレームではないでしょうか。
対応に追われ、他のお客様へのサービスもどんどん遅れ、不満をまともにぶつけられてメンタルもやられてしまいます。さらに上司へ報告…。
クレームを受けた時、一番先にするべきことはまず謝罪!でしょうか?
もちろん「申し訳ありません」と頭を下げることは必要なのですが、なにも考えずにただ謝っても解決しないことがほとんどです。
まずは、クレームをよく理解して「お客様はどうしてほしいのか」をきちんと考え、そのうえで対応を提案するようにしましょう。
クレームに対して腹を立てたり後悔するより先に、お客様の立場で対応を判断して提案すればこじれず迅速にクレームを治めることが可能です。
ファミレス接客の基本③ マニュアルにこだわらず、基本を大事に
接客の基本と聞くとマニュアルを思い浮かべるかも知れませんが、マニュアルはあくまで指針です。
マニュアルの中には細かく設定されているものがあり、確かに分かりやすいのですが、イレギュラー時、逆に戸惑う原因になります。
なぜ戸惑うのかというと、意味を理解していないからです。
マニュアルのセリフだけを頭に入れても、なぜそれが禁止されているのか、なぜそのような決まりごとがあるのか、を理解していなければ間違った判断をしかねません。
NGとされる言葉遣いについて
ファミレスやコンビニでよく耳にする接客時の言葉遣いに関して細かく注意している店もあります。
レジでの「2,000円からお預かりします」や「以上でよろしかったでしょうか」などが有名ですが、いまだによく耳にすると思いませんか?
接客時の言葉遣いについて厳密に間違いを指摘すると、きりがないほど沢山の例が挙げられます。
たしかに正しくない日本語で、よく考えれば間違っていますし気になるというお客様もいることは確かです。
しかし、このような言葉遣いがクレームに発展することはまずないですよね。お客様を怒らせる言葉遣いではないので、正しくない接客の言い回しはなかなか消えないのではと思います。
大事なのはお客様に対して失礼がなく、正しく伝わることではないでしょうか。それが基本です。
基本がしっかり身についていればお客様を怒らせるような言葉遣いは出てこないはずです。
それに、接客用語がどんなに完璧でも、失礼な態度をとっていれば何の意味もないですよね。
マニュアルを理解できていればはっきりとお断りすることもできます
正しい理解が共有されていれば、お客様の要望に対して、できる範囲で臨機応変に対応可能なこともあるんです。
お客様に喜んでいただくのが最優先なのですから。
その逆で、お客様の安全に関することなど要望に応えられないことをしっかり理解しておくこともできます。
例えばお子様がチャイルドシートを嫌がるから大人と同じ椅子を用意してほしい、という要望に対して、なぜ小さなお子様にチャイルドシートを用意するのかを理解できていなければ、要望に応えてしまうかもしれません。
もし滑落して怪我でもしてしまったら…。「危険ですから」と説明できていれば起こらなかった事故です。
お客様を大切にする気持ちがあれば、誠意をもって説明することができ、お客様も納得していただけることがほとんどです。
ファミレス接客の基本 まとめ
- 「笑顔」について深く理解して、接客に有効な笑顔を身につけましょう
- お客様の目線で判断すると、トラブル回避につながります
- マニュアルの意味を理解して、イレギュラーに対応しましょう
ファミレスでの接客に自信がなくなってくるとお客様に対して恐怖心すら芽生えることもあります。
入店のチャイムをきいただけで反射的にため息がでる…それではせっかくファミレスで仕事をしているのに接客の楽しさを見逃してしまいます。
私がファミレスの仕事をはじめたとき、私より動作が素早く、頭の回転の速い店員さんは他にたくさんいました。
ですから私は自分に自信をつけるため、接客だけは誰にも負けないように考え方を変えました。
特別難しい事ではありません。仕事の優先順位を接客にして開き直ったわけです。
それが結果的に上手にフロアをまわせるようになり、お客様からのクレームも減り、私がいるからと来店してくれるお客様もたくさんできました。
接客の基本は、ファミレスの仕事全体の基本だったんですね。
接客について真剣に向き合ってよく考えるようにしてみると、自分のセールスポイントにすることができます。
自信を手に入れてファミレスの接客を楽しみましょう!