熊による痛ましい海外の事件
※この記事には一部グロテスクな表現をしている部分があるので、読まれる際はご注意ください
熊による人への被害は日本でも時々耳にするものですが、海外にはそれ以上に悲惨な結末になった事件がいくつかあります。
今回はそのような事件についてまとめた記事になります。
日本の熊事件
日本の熊被害で最大ものといえば三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)ですね。→ウィキペディア
こちらも激しくショッキングな事件でした…小説にもなっています。
以下は海外での熊事件。
星野道夫ヒグマ襲撃事件
海外で発生した事件ですが、タイトルの通り被害者は日本人の男性。
写真家、冒険家であった星野道夫さんは、1996年の7月25日にTBSの人気番組であった『どうぶつ奇想天外』の撮影のため、TBSのクルーと共にロシアのカムチャッカ半島南部のクリル湖畔にやって来ました。
星野さんはここで「ヒグマと鮭」を題材とした写真を撮影するため、周辺施設である小屋や「鮭観察タワー」を敢えて使わず、湖畔にテントを設置する選択をしました。
その2日後の7月27日に、別のアメリカ人写真家が同じ湖畔に訪れ星野さんの傍にテントを設置しましたが、その夜に小屋の食糧庫を襲っているヒグマを発見します。
そのクマは体重が250kgはあり、額に赤い傷がある雄のヒグマでした。
それを見たアメリカ人写真家は、星野さんに危険を知らせて、現地ガイドたちによってヒグマは撤退させられます。
この時点でガイドは星野さんに安全な場所で寝るように説得しましたが、星野さんは「この時期はサケが川を上って食べ物が豊富だから、ヒグマは襲ってこない」という理屈からテントから離れませんでした。
反対にアメリカ人写真家は「鮭観察タワー」に宿泊をしました。
8月6日の夜に再び星野さんのテントの近くにヒグマが現れて、ガイドはそれを撤退させます。
再度、星野さんに小屋への移動を勧めましたが、ここでも星野さんは言う事を聞きませんでした。
そして、8月8日の早朝4時頃に、星野さんの悲鳴とヒグマの唸り声が響き、TBSクルーが異変に気付いてガイドを呼び、ヒグマを追い払うよう音を立てますが、ヒグマが去った後テントは荒らされた状態でした。
その後、探索隊がヘリコプターでヒグマを捜索し、ヒグマを射殺しました。そのヒグマには額に赤い傷があり、最初の日に見たヒグマと同じと断定されました。その後見つかった星野さんの遺体は食い荒らされた状態で森の中で発見されました。
最初の注意さえ聞いていれば、避けられる事件だったと言われていますが、
これらの証言は後から調査されたものであり、現地ガイドやアメリカ人写真家との話に食い違いがあるので、実際に忠告したりしたかどうかは定かではありません。
グリズリーマン事件
アメリカの熊愛好家であったティモシー・トレッドウェルさんが恋人のエイミー・ヒュグナードさんと共に被害にあったもので、後にヴェルナー・ヘルツォーク監督によってドキュメンタリー映画化されて世の中に知られる事件。
俳優志望であったトレッドウェルさんは映画の役を逃して以降、薬物中毒とアルコール依存症に陥っていました。
そんな中で小さい頃から動物好きだったことや親友からの説得でアラスカに行きハイイログマと出会います。
この出会いによって、トレッドウェルさんは依存をなくし、熊を保護するという目的を見つけて熱心に活動するようになりました。
そして、2003年の10月、トレッドウェルさんと診療アシスタントであったヒュグナードさんは熊を保護しているカトマイ国立公園を訪れます。
トレッドウェルさんたちはこの時例年よりも遅い時期に公園に滞在していました。
毎年訪れていたトレッドウェルさんについて、公園内のクマたちは慣れており冬眠していましたが、トレッドウェルさんのことを知らない他の熊が侵入してきます。
その後10月6日に、公演に迎えに来たパイロットはキャンプ地に到着しましたが、その場所には熊以外の存在が見当たりませんでした。
捜索後に2人の遺体が発見され、そのほとんどが身体の大部分が失われたもので、
所々に肉片が散らされたり、埋められたりしていました。
2人を襲った2頭の熊は射殺され、解剖された結果、人体の一部が見つかりました。
その時にトレッドウェルさんがたまたま回しているビデオカメラには攻撃を受けている間の2人の叫び声が記録されていたと警察によって発表されました。
熊愛好家であった青年が保護するはずだった存在に殺されてしまうという痛ましい事件は、
映画での広まりと共に人間と自然の付き合い方を考えさせられる事件になりました。
ペトロパブロフスク羆事件
2011年の8月13日に、シベリア東部のカムチャッカ半島東岸にあるペトロパブロフスクの川辺で発生した凄惨な事件です。
被害にあったのは19歳のオルガ・モスカヨワさんと継父のイゴール・チガネンコフさんの2人で、記念のキャンプ旅行の最中でした。
最初に川原で休んでいたイゴールさんはヒグマに襲われます。
抵抗する間もなく一撃で首の骨を折られ、頭蓋骨を割られて死亡しました。
その様子を近くの茂みで目撃してしまったオルガさんはその場から逃げようとしましたが、ヒグマの方が彼女の存在に気付いて、すぐに追いつかれてしまいます。
足を攻撃されて身動きが取れなくなったオルガさんをクマは生きたまま下半身から喰らい始めます。
オルガさんは持っていた携帯電話で母親のタティアナさんに助けを求めます。電話を受けた母親は一瞬ジョークかと思いますが、電話越しに聞こえる音でそうでないと理解し、イゴールさんの方に電話をかけますが、その時にはもうイゴールさんは死亡していました。
タティアナさんはすぐに切り替えてキャンプ地近くの警察に通報しますが、その途中でオルガさんから二度目の電話がかかり、新たに3頭のコグマが連れて来られたことを知らせ電話は途切れます。
その数分後、オルガさんから三度目の連絡が入り、自らの死を悟った状態での連絡がされ、それが親子の最後の会話になってしまいました。
その後駆け付けた地元のハンターによって、2人を襲ったヒグマの親子は射殺されます。
クマに襲われているのがわかっているのに助けられない状況は簡単には想像できないものです。
ですが、こんな悲しい事件は二度と起こっていいものではありません。
まとめ
今回は凄惨な熊の事件についてまとめていきました。
こう見ると熊が悪者のようになってしまいますが、結果的には熊たちも射殺される結末になっています。
どちらが悪いというわけではなく、お互いに平和に過ごせるよう、このような事件を教訓にしていきたいものです。