皆さんは家の中を土足で入るスペース、例えば、玄関のようなところを何と呼んでいますか?
この答えの候補として出るのが「土間」や「三和土(たたき)」だと思います。
でも、この2つは全く別物だと言う人が中にはいるのです。
今回はそんな「土間」と「三和土」の意味について見ていきましょう。
「土間」に含まれる「三和土」と「土間」になった「三和土」
では、「三和土」と「土間」について早速見ていきましょう。
三和土(たたき)
土、石灰、にがりを混ぜ合わせて、塗って固めたものです。
3つの素材を混ぜることから三和土と書き、固めるために叩くことから「たたき」と読みます。
三和土とは、コンクリート用のセメントがなかった時代、地面を固めるためにできたものを指しています。
土間
屋内に地面より高い床を敷かず、地面と同じ高さに三和土や珪藻土(けいそうど)、コンクリートやタイルなどが使っている構造です。
日本の屋内では作業場や炊事場に使われていたり、玄関の靴を脱ぐところを土間と呼んだりします。
このような意味になっています。
つまりは「土間」はコンクリートを含む多くの素材で作られたものを指していて、「三和土」はそのうちの1つに含まれます。
そして、「三和土」は3つの素材を混ぜたものしか指しません。
なので、コンクリートで作られた玄関を見て、「コンクリートの三和土だ」という表現は、元の意味で見ると間違いになってしまうのです。
しかし、現代では、三和土が土間と同一のものとして扱っているところもあり、どんな素材を使っている場合でも三和土と呼ばれることが多いです。
元の意味とは違っていますが、言葉の意味は時代の流れによって付加されるなどで変わっていくものなので、頭ごなしに間違っていると否定はできません。
もし、三和土を土間として扱っている人がいて、それが気になってしまっても広い心で受け入れることが大事だと思います。
本来の「三和土」とコンクリートの差
さて、本来の意味ではコンクリートが無かった時代に使われていた三和土ですが、今ではそのコンクリートがあるので、わざわざ三和土を使うメリットがあるのか気になるところですね。
では、三和土のメリットについて挙げていきたいと思います。
コンクリートにはない温かみ
コンクリートの土間も綺麗で見栄えが良いですが、コンクリートは熱を吸収しやすく、屋内にある場合でもひんやりとした感じになってしまうことがあります。
対して、三和土はある程度熱を蓄積してくれるので、温かい環境にすることができます。
(コンクリートの場合は床暖房をつけて対策すると良いようです。)
また、土間の空間を子どもたちやペットのわんちゃんを放して歩るかせたり、走らせたりするためのスペースとして活用する場合は、コンクリートよりも三和土の方が遊び場として適しています。
三和土も固まると硬度はあるのですが、コンクリートほどではないです。特にわんちゃんは三和土の方が素足にも優しいものになります。
自分で作ることができる
三和土を構成する素材は建材店などで購入することができます。
建材の売り方は混ぜ合わせるようにセット販売しているものもあれば、既に三和土として使えるように混ざっているものもあります。
自分でいろんなところから素材を集めるのという苦労はしなくて済むわけです。
そして、作業に関してですが、三和土を付けたいところに敷き詰めて固めるように叩いていけば良いだけなので簡単です。
さすがに職人さんほど綺麗にはできないかもしれませんが、ちょっとした作業ならば、職人業ではなくとも心配ありません。
ただ、これに関してはコンクリートも簡易セメントなどが登場して、比較的簡単に作業ができるようになってきています。
そこで比べる場合は、保温性や用途、何よりどちらが自宅の景観に合うかになると思います。
全体的に見ても「三和土」とコンクリートには大きな性能差はありませんでした。
元々「三和土」は「和製コンクリート」と言われるほどで、メリットと呼べるほど大きなものはありませんが、同じような性質なら土間に関しては好みで使い分けていって良いということになります。
まとめ
今回の記事をまとめると、
- 「三和土」は「土間」に使われる素材の一種である
- 「三和土」は「土間」そのものを指す意味に変わってきている
- 「三和土」はコンクリートとそれほど差があるわけではない
の3つになります。
当たり前のように使っていた言葉が昔と意味が変わっているのはよく見かけることです。
初めて知った人はそういう意味があったと心に留めて、知っていた人も新しい意味を否定し過ぎないように気を付けていくのが、お互いにとっていい関係になると思います。