中学2年生で習うことになる鋭角ですが、鈍角との違いがわからないという声が出ることがあります。
実際に習ってみれば難しくはないのですが、文字で見るとそう思えないこともあるかもしれません。
今回はそんな鋭角について、鈍角そして、直角と比較して見ていきたいと思います。
鋭角と鈍角と直角―内角で求める三角形―
鋭角は「するどい」角と書いて「えいかく」、鈍角は「にぶい」角と書いて「どんかく」と読みます。
鋭角とは直角(90℃)より小さい角のことを言います。
反対に直角より大きい角度のものは鈍角と言います。
鋭角<直角(90℃)<鈍角
という関係です。角度だけを見るならば小さいか大きいかだけの問題なので、それほど難しくはありませんね。
しかし、文字上で見ると、「鋭角」と「鈍角」は非常に似通った字であるため、その点で混乱してしまうことがあります。
その問題を解決するには、最初に書いたように「鋭角」の「鋭」が「するどい」と読むことを一緒に覚えておくと良いです。
90℃より小さい鋭角は、「鋭い」ので突き刺されたら痛いというイメージと共に覚えると、鋭角の漢字とその意味を同時に覚えやすくなります。
鋭角三角形・直角三角形・鈍角三角形
では、これが鋭角三角形か、直角三角形か、鈍角三角形のどれか見分ける場合はどうすればいいいかというと、
- 一番大きい角度が90℃より小さいものは、鋭角三角形
- 一番大きい角度が90℃である場合は、直角三角形
- 一番大きい角度が90℃より大きいものは、鈍角三角形
になります。
では、具体的な問題を見ていきましょう。
問題1:三角形ABC において、Bの角度が40℃、Cの角度が60℃であるとき、この三角形は「鋭角・直角・鈍角」のどれに当たるか答えなさい。
まず、Bの角度を見ると40℃であるのでB<90℃になり、鋭角です。
Cの角度も60℃でC<90℃になり鋭角です。だた、ここだけで判断してはいけません。
残るはAですが、三角形の内角の和からA=180℃-40℃-60℃=80℃となります。
角ABCの中で一番大きい角度はA=80℃です。
すると、A<90℃となるので鋭角になります。
つまり、この三角形ABCは鋭角三角形になります。
問題2:三角形DEFにおいて、Dの角度が30℃、Fの角度が20℃であるとき、この三角形は「鋭角・直角・鈍角」のどれに当たるか答えなさい。
先ほど最初に見たものは飛ばしていきなり残りの角Eを見ていきます。E=180℃-30℃-20℃=130℃となり、これが一番大きい角度になります。
そして、90℃<角Eとなるので鈍角になります。
つまり、この三角形DEFは鈍角三角形になります。
三角形の内角を求めることができれば、後は大きい角をみて判断すればいいので、苦労をせずに解くことができます。
鋭角と鈍角と直角―辺で求める三角形―
さて、ここまで内角をみればすぐにわかるものでしたが、少し難易度が上がって角度がわからず辺の長さのみがわかっている時に鋭角三角形か、直角三角形か、鈍角三角形か求める方法を見ていきます。
三角形の3辺の長さをa、b、cとし、aが最大の辺の長さとします。
この場合、
a^2b^2+c^2 なら鈍角三角形
※^2は二乗
という条件になります。
それでは具体的な問題を見ていきましょう。
問題3:3辺の長さが3、4.6の時、この三角形は「鋭角・直角・鈍角」のどれに当たるか答えなさい。
この場合は最大の辺の長さは6なので、a^2=6^2=36となります。
それ以外の2つの辺の長さは、b^2+c^2 =3^2+4^2=9+16=25となります。
よって、a^2>b^2+c^2 の条件が成立することになるので、この三角形は鈍角三角形になります。
まとめ
今回の記事をまとめると、
- 鋭角は90℃より小さい角度のことを指す(鈍角は90℃より大きい角度)
- 一番大きい角度が90℃より小さいものは、鋭角三角形である
- 辺の長さがa^2
の3つになります。
鋭角の判断や和の求め方自体は簡単なものなので、漢字で間違えてしまわないように。「するどくて刺されると痛そうな鋭角」をイメージして覚えていきましょう。