「バウ」ってなに?と聞かれて、皆さんはすぐに答えられますか?
このような舞台用語には日常で聞かないような単語がたくさんあり、俳優さんのインタビューなどでも注釈なしでは理解できないこともよくありますよね。
この記事ではそんな舞台用語のうち「バウ」を始めとした外国語を元とする言葉について見ていきます。
カーテンコールで使われる「バウ」
「バウ」とは、主にカーテンコールで演者たちが客席にお辞儀をすることを指す舞台用語。
英語の「bow」から来ているもので、こちらの意味では「腰をかがめる、お辞儀をする」などの深々としたお礼の動作の意味があります。
舞台の演劇におけるカーテンコールでは役の重要度の昇順で舞台に出てきてお辞儀を行い、主役のものが終わると再び全員で並んでお辞儀をする場合が多いですね。
この一連の流れの中で行うお辞儀を全て「バウ」と指すのです。
紛らわしい「バウホール」
この「バウ」で少し紛らわしく感じるのは、宝塚の劇場として「宝塚バウホール」というものがあることです。
大劇場としてあるバウホールでは多くの公演が現在でも行われています。
なので、宝塚の舞台の話をしている時に「バウ」と言われると、どちらを指しているのだろうと紛らわしくなることがあるのです。
外国語を元にする舞台用語
「バウ」のように外国語を元にした舞台用語が数多く使われています。
ここではそんな舞台用語について挙げていきます。
アドリブ
現在では日常的にも使うようになった言葉ですが、元の言葉はラテン語の「ad libitum」の略語であり、「自由に、気ままに」という意味の単語です。
舞台用語的には即興でやる演奏や演技などの台本に書かれていない動作やせ利府を指します。
アンコール
コンサートやリサイタルでは定番になっているアンコールは、フランス語の「encore」からきている言葉で、元の意味としては「再び、もっと」というものになります。
ただ、この言葉を使うのは英語圏や日本であり、フランスでは「bis (ビス)」で再演を求めるものになっています。
エチュード
音楽では「練習曲」、演劇では「即興劇」の意味で使われる言葉です。
英語のように見えますが、元はフランス語の「etude」で「試み」という意味があります。
試すという意味から練習や即興という意味として使われているのです。
グラン・ギニョール
様々な舞台の表題にも用いられるこの言葉ですが、元はフランスのパリの19世紀から20席半ばまであったグラン・ギニョール劇場から取られたものです。
この劇場では当時の舞台ではあまり見られなかったホラーをテーマにした公演をしており、そのことから転じて「滑稽無稽な」、「血なまぐさい」といった意味も含んだジャンルを指す形容詞的な使われ方をするようになりました。
ゲネプロ
ニュースなどでも取り上げられることもあって聞くこともあるゲネプロですが、元はドイツ語の「Generalprobe(ゲネラールプローベ)」の略称です。
「General」は総合、「probe」は「稽古」を意味する言葉で、最終リハーサルや通し稽古といった意味で使われます。
ゲネプロと略すのは日本特有のものであり、他の国では通じません。
また、英語圏では通し稽古を「ドレスリハーサル」を使うことがあり、舞台のうち演劇ではこちらの方がよく使われる言葉になっています。
シュプレヒコール
舞台で一つの台詞を合唱する形で進行する演劇を指す言葉です。
ドイツ語で「話す」などの意味を持つ「Sprechchor」や英語で「合唱団」の「choir」に由来する言葉と言われています。
つまるところ舞台で使われる言葉としては、和製のものになります。
マチネ・ソワレ
公演の時間帯を指す言葉に使われる2つの言葉はフランス語からきており、「マチネ(matinee)」は「朝・午前」、「ソワレ(soiree)」は「夕方・陽が暮れた後」の意味がある言葉です。ここから昼公演をマチネ、夜公演をソワレと言うようになりました。
まとめ
- 演劇用語「バウ」とは演者が順番にみんなでお辞儀をすることをさす
- 舞台用語は外国語由来が多い。しかし日本など一部にしか通用しない
今回は外国語を元にする日本の舞台用語について見ていきました。
知っている人かすると当然のように使われる舞台用語ですが、さすがに言葉から意味を想像するのは難しいものが多いです。
メジャーなものは覚えて、舞台の記事や友達と感想を言い合う際に役立ててみてください。