この記事では爪楊枝の溝の謎について解説していきます。
溝がある理由について様々な説が呟かれていますが、本当のところはどうなんでしょうか。
爪楊枝の溝がなぜあるのかという説
爪楊枝の尖っていない方に付いている溝ですが、普通に使う分には何も気にならない部分で、用途はよくわからないものです。
ただ、この溝が付いていることに対する説はいくか挙げられます。
爪楊枝置きにする
爪楊枝の溝は1つか2つ付いています。その溝の部分は力を入れると簡単に折れるものです。
この折った部分を箸置きのようにして、尖っている部分を置くことで直接テーブルに付けないようにできるというものです。
束になっている時取りやすいようにしている
割り箸とセットではない場合は、何十本入りという形で爪楊枝は売れられています。
この際、溝があることによって、束になった爪楊枝が取りやすくなっているというものです。
こけしなどの装飾
これは爪楊枝の溝の部分がこけしに見えたり、単純にそういうデザインとして付けたという説です。
製造過程でついてしまう
上記のような理由など関係なしに作っていると勝手にできてしまうという説です。
主にこれら4つの説が言われています。
説があると言われると、真実はわからないのかと思うかもしれませんが、実はちゃんとした理由はこの中にあります。
そして、その詳しい理由を見ると説ができてしまう理由もわかるものです。
爪楊枝の溝ができた本当の理由
爪楊枝の溝ができた理由は先ほど挙げた中で、3番目の「こけし」と4番目の「製造過程」こそが、この謎を解くキーワードになるでしょう。
爪楊枝の製造工程と進化①1本の材料から2本の爪楊枝を作る
爪楊枝の製造の最初では、1本を両端を尖った状態になっています。
それを半分に切ることで2本分の爪楊枝を作ることができるのです。
しかし、これを2本にする際にのこぎりなどで切ると、切断面にささくれができてしまうという問題がありました。
この時点では爪楊枝に溝は付いていませんでした。
爪楊枝の製造工程と進化②グラインダーの導入
それから後の昭和30年代になって、ささくれを解決するためにグラインダーというヤスリを導入しました。
切断する時にできるささくれを削ることがこれでできるようになります。
ただ、高速で削るグラインダーは新たな問題が発生させてしまいます…それは、今現在でも見ることができる爪楊枝の裏の黒い部分。
あの黒は削る時に起こる摩擦熱によって断面が熱されてできるものだったのですね。
今では当たり前のように付いているのであまり気になりませんが、その当時に作っていた側からすると、見栄えが悪いと思ったのです。
爪楊枝の製造工程と進化③装飾としての「こけし」
そこで出てくるのが「こけし」。
爪楊枝の裏の黒い部分が、こけしの頭上の黒い部分が似ていると偶然にも気づいたのです。
そして、黒く焦げてしまった後に溝の加工をすることでこけし風にするようになりました。
その後はこの溝を付ける作り方が主流になり、グラインダーでささくれを削りながら同時に溝の加工を付けるような機械の作りをするようになったのです。
爪楊枝の製造工程と進化④小括
総括すると「製造過程でできるささくれを削るためにグラインダーを導入したが、摩擦で黒い部分ができたのでこけし風のデザインにした」ということです。
つまり、爪楊枝置きとしていう説は折りやすい部分があって、たまたまそのように使った人がいて、それが勝手に広がってしまったものなんですね。
束で取りやすいことに関しては、ささくれが無くなって取りやすくなっているのである意味間違いではないですが、そのために溝を作ったわけではないものです。
わかってみるとちゃんとした理由があったんだと思うものですが、いきなりこけしが元になっていると言われても納得はできないもの。
爪楊枝の溝ができた当時の人からしても先が尖っていればそれでいいというものだったので、爪楊枝の会社の方もわざわざ溝の理由を言わなくなりました。
このような部分があるせいで、爪楊枝に対する説が憶測で立つようになったのです。
まとめ
今回は爪楊枝の溝の謎について見ていきました。
ちょっとした疑問ですが、解決できるとスッキリできるものです。
今度誰かと一緒にお弁当を食べる時に豆知識として披露してみてください。