ウインタースポーツの花形とも言える「フィギュアスケート」。
毎年、秋と冬の週末によく大会が放送されていますよね。
ただ、実況と解説でジャンプの時に
[st-kaiwa-675]規定違反のためこのジャンプの分は得点になりません[/st-kaiwa-675]
[st-kaiwa-685]コンビネーションにできなかったため、ジャンプが1つ0点になってしまいました[/st-kaiwa-685]
と言われることがあります。
これはどういうことなのでしょうか。
今回は、フィギュアスケートのジャンプの種類やルールを紹介していきます。
ジャンプの種類
ジャンプは6種類あり、それぞれ特徴があるのですが、解説がないとどのジャンプなのかわからないですよね。
文章になりますが、1つずつ説明していきます。
アクセル
こちらは「トリプルアクセル」で有名ですね。
アクセルはシングルでも1回転と半回転するため、最も難しいジャンプです。
ジャンプの中で、唯一前向きの状態から回転するジャンプです。
ですので、「ジャンプは実況がないとジャンプの種類がわからないけど、アクセルだけはわかる」という方が多いです。笑
現在、紀平梨花選手のトリプルアクセルが注目されていますよね。
トリプルアクセルは、男子は当たり前のように飛んでいますが、女子にとってはかなりの大技です。
公式大会での女子のトリプルアクセル成功者は、伊藤みどりさん、中野友加里さん、浅田真央さん、紀平梨花選手・・・と数えるほどです。
また、羽生結弦選手は、まだ誰も成功していない4回転アクセルに挑みたいと言っていました。
こちらも注目ですね。
ルッツ
ルッツは、アクセルの次に難しいジャンプです。
後ろ向きの状態で、右足のつま先から踏み切って飛びます。
4回転アクセルの成功者が誰もいない現在、4回転ルッツが最も難易度の高いジャンプになっています。
4回転ルッツは、中国のボーヤン・ジン選手、アメリカのヴィンセント・ゾウ選手、ロシアのミハイル・コリヤダ選手がよくプログラムに入れています。
・・・ちなみに、先日ロシアの14歳女子のトルソワ選手が、練習で4回転ルッツを成功させたというニュースがありました。
女子はトリプルアクセル成功でも大快挙なのに、4回転で、しかも男子でも苦労するルッツを成功させるとはどのような体をしているのでしょうか・・・おそロシア。
フリップ
フリップは、ルッツと同様に後ろ向きの状態で右足のつま先で踏み切って飛びます。
ルッツとフリップは似ているため、解説なしで見分けるのは難しいでしょう。
見分け方としては、ジャンプの体制に入るタイミングです。
フリップは、ジャンプに入る直前に後ろ向きになって飛びます。
ルッツは、後ろ向きになっている時間が長いです。
2016年4月、地域対抗団体戦で宇野昌磨選手が初めて4回転フリップを成功させ、ギネスに認定されましたよね。
男子の4回転対決はその前から始まっていたのですが、恐らくここから他の選手の闘争心に火がつき、男子の4回転対決が加速したのでしょう。
ループ
ループは、上記3種類のジャンプと異なり、つま先を使わないジャンプです。
スピードをつけ、その勢いで左足を上げて飛びます。
飛ぶ直前に、椅子に腰を掛けたような体制になるのが特徴です。
羽生結弦選手は一時期、ケガでリンクを離れていた時期がありました。
その時、羽生選手は4回転ループを練習していました。
ループは踏み切るのも着氷も右足で行うため、非常に右足に負担がかかるジャンプです。
見事平昌オリンピックで金メダルを獲得した羽生選手の「右足に感謝」は名言ですね。
サルコウ
サルコウも、つま先で踏み切らず、滑る勢いを利用するジャンプです。
サルコウは、左足で踏み切り、右足を上げるので、飛ぶ前に足がスキーのハの字のようになるのが特徴です。
女子で初めて4回転ジャンプを成功させた「ミキティ」こと安藤美姫さんが成功させた4回転ジャンプも、このサルコウです。
トウループ
名前の通り、ループのトウ(つま先で踏み切る)バージョンです。
最初の体勢はループと同じで、トウループはそこから左足のつま先で踏み切って飛びます。
ジャンプの中で、一番難易度が低いジャンプなので、4回転ジャンプを飛んでいる男子選手の大半はこの4回転トウループをプログラムに入れています。
以上6種類のジャンプを紹介しましたが、実は2018-2019シーズン(フィギュアスケートは7月1日~翌6月30日がシーズンです)にルール改正があり、オイラーというジャンプが加わりました。
このオイラーはトウループの半分の回転で、単独でプログラムに入ることはありません。
コンビネーションのつなぎとして取り入れられます。
※コンビネーションについては以下で説明します。
ジャンプを飛ぶ際の注意点
ジャンプは得点の大部分を占める大切な要素になります。
しかし、ジャンプも転ばなければ良い、きちんと着氷出来たら良いというわけではありません。
演技終了後、よく選手のジャンプの様子をスローで振り返る映像が流れますよね。
これはきちんと回転をしているか、回転が足りているかをジャッジの人が確認しているのです。
その際に、きちんと4回回って着氷していればOKです。
もし、4分の1以上回転が足りていないと、減点されます。
これが解説でよく言われる回転不足です。
「あれ?目立ったミスはないのに点数が高くないな・・・なぜだろう・・・」と思ったら、大半はジャンプの回転不足です。
ちなみに、2017-2018シーズンまでは、半回転以上回転が足りていなかったら回転不足の判定でしたが、2018-2019シーズンのルール改正で、4分の1回転以上回転が足りていなかったら回転不足の判定に変わりました。
ジャンプの回転不足が課題となっていた選手にとっては辛いですね・・・。
また、仮に転倒したとしても、きちんと回転が足りていれば転倒の1点減点のみで済みます。
トリプルのつもりがダブルやシングルになってしまった・・・という方が基礎点が大幅に下がってしまい、絶望的です。
最悪の場合、回転が足りないことで同じジャンプを数回行ったという判定になり、ジャンプが1つ0点になってしまった・・・ということもあります。
※こちらも以下で詳しく説明します。
ショートプログラムのジャンプのルール
では、ショートプログラム、フリースケーティングのジャンプのルールを次の項目で詳しく見ていきましょう。
最初に行われるショートプログラムは、2分50秒以内に演技を行います。
ショートプログラムでは、3回ジャンプを行います。
また、体力がなくなってくる頃に行う最後の1本のジャンプは、基礎点が1.1倍になります。
さらに、ルールとして
- 必ずアクセルのジャンプをする
- アクセル以外の単独のジャンプをする
- 2のジャンプとは異なる種類でコンビネーションジャンプをする
というように定められています。
コンビネーションジャンプとは、3回転ジャンプ、2回転ジャンプ・・・のようにジャンプを続けて行うものです。
もし、このコンビネーションジャンプを失敗し、全部単独のジャンプになってしまった場合、ジャンプが1つ0点になります。
これは痛いですね・・・。
そして、1、2、3を見てわかるかと思いますが、ジャンプは全部違う種類のものにしなければなりません。
構成を考えるのも大変ですね。
フリースケーティングのジャンプのルール
ショートプログラムの後に行われるフリースケーティングは、4分+-10秒で演技を行います。
フリースケーティングでは、ジャンプを7回飛ぶことになります。
体力がなくなってくる頃に行う最後の3回のジャンプは基礎点が1.1倍になります。
また、フリースケーティングでも、アクセルジャンプは絶対に1回どこかで入れなければなりません。
コンビネーションジャンプは最大3回までという規定です。
ショートプログラムと違ってコンビネーションを失敗したら0点になってしまう・・・ということがないのは良いでしょう。
また、コンビネーションを積極的に取り入れ、成功させたら、得点源になりますよね。
また、ダブルジャンプは2回までで、全く同じ技を単独で行ってしまった場合は、2回目に行ったものはリピートとされ、基礎点が3割減ってしまいます。
全く同じ技を2回行う場合は、1回は単独のジャンプ、もう1回はコンビネーションにする必要があります。
もし、このコンビネーションを失敗し、単独の4回転トウループになってしまった場合は、リピートとみなされ、この4回転トウループの基礎点が3割減ってしまいます。
何気なく見ているフィギュアスケートも色々なルールがあるのですね。
まとめ
私は2015年の全日本選手権で宇野昌磨選手に一目惚れをしてフィギュアスケートを見始めたのですが、最初はルールもよくわからず、宇野選手以外の選手の演技はただぼーっと見ていました。
しかし、見ていくうちに色々なスケーターを知ったり、ルールがわかるようになったりして、見るのが楽しくなりました。
ジャンプもこんなにたくさんの種類があり、プログラムに入れる規定があるのを知った時は驚きました。
フィギュアスケートを見ているけど、ジャンプについてよくわからないという方はどうかこちらを参考にしていただけると幸いです。