「改悪」という言葉に皆さんは耳馴染みがありますか?
日常的に使っている、ネットではよく見る、造語ではないの?と様々な感想があるかと思います。
では、その言葉の意味をきちんと言えるでしょうか?
言葉がどこにでも溢れているこの時代は、意味を知らず何となく使っている言葉があっても不思議ではありません。
今回はその「改悪」という言葉について、意味と共に掘り下げて見ていきます。
本当の意味を知りたい、改めて聞かれると答えられないかも、という人は一緒に確認してみましょう
「改悪」の意味の確認
では、「改悪」の意味を見ていきます。改悪は実際に辞書にも載っている言葉です。
- 手なおししために、前よりもかえって悪くなること
- 用例:憲法の改悪
- 対義語:改善 改正 改良
- 類語:悪化 腐敗 変質 腐朽 頽廃
- 【参考】反対者の目で批判的に言うことばで、当事者は、改善するための「改正」だと思っている。
確認してみてください…、正しく使えていらっしゃるでしょうか。
【参考】に書いてあるように、あくまで当事者は良い事だと思っているという前提があって、「改悪」の言葉を使うのが、本来の使い方として正しいものになります。
つまりは、当事者が悪いと思いながらやっていることに関しては、「改悪」とは言えないことになります。
世間一般でそういう「改悪」の言葉を付けられる対象になるものは、誰かしらが良しとして出しているもであることがほとんどなので、その点では使い方を間違えることは少なそうです。
ただ、悪い事自体を指すわけではないので、何でもかんでも「改悪」の言葉1つで片づけてしまうことはできません。類語を含めて、その状況にあった単語を選択していく必要があります。
どうして「改悪」という言葉を聞くようになったのか
辞書的な意味を見ていくと、憲法などの政治に関して使うことが想定されていそうな「改悪」という言葉ですが、私たちも日常的に使うようになっています。
もちろん、政治も日常に関わってくることですが、それ以上に現代には「改悪」という言葉を使えるシチュエーションが多く存在します。
事例①好きな作品が映像化された時
例えば、小説や漫画が実写化やアニメ化された時…
どうしても尺的に削らねばならない部分、倫理的に描写を変えなければいけない部分、監督や脚本の都合で捻じ曲げてしまう部分があります。
それをした結果として、原作の本来の良さが失われて出来上がったものが面白くなかったり、つまらなかったりする時、私たちは「改悪」という言葉を使うことになります。
事例②商品などの仕様が今までと変わったとき
それ以外にも買っていたもの内容量が少なくなった、SNSの仕様が少し変わった、よく使っていた店がお気に入りの商品を取り扱わなくなった……等々、
そのような自分に不都合なことが発生した時、私たちはそれを「改悪」という言葉に当てはめることができるようになるのです。
同時に、私たちは「改悪」という言葉を軽々しく使うようになっているのかもしれません。
「改悪」を使うときは気をつけて
字面で見ると「改悪」という言葉は、相当マイナスの印象を持たせる言葉です。
そして、マイナスな印象の言葉は、よく考えずに使うと人や物を傷つけてしまう可能性があります。
特にSNSが普及している現代では自分のちょっとした発言があっという間に広がってもおかしくはありません。
ちょっと良くないと思った程度で、「改悪」の言葉を使って、それを全世界に発信すると、外から見た者には相当悪いという感想を抱くでしょう。
個人同士のやり取りでも、その「改悪」の言葉1つで印象が悪くなってしまうこともあるでしょう。
だから、「改悪」という言葉を使う時は、当事者の事を思い浮かべて、本当にそこまで言う必要があるのかどうかを考えていくことが必要になってくるのです。
便利に使える言葉だからこそ、一歩踏みとどまって考えることも大切です。
まとめ
- 「改悪」の意味は手なおししために、前よりもかえって悪くなること
- 当事者ではなく反対者が批判的に使う言葉
- イメージが悪すぎるため、SNSなどで使うときには慎重であるべき言葉
今回は「改悪」という言葉1つを掘り下げて見ていきました。
言葉自体の意味は、何も難しいことはないものだったと思います。
しかし、この「改悪」という言葉に限らず、マイナスな意味を持つ言葉の取り扱いは慎重にしなければならないのが今の世の中です。
政治家が少し口を滑らせれば切り取ってニュースに取り上げられ、SNSで不用意な言葉を言えばそこらじゅうに晒される。
そういうリスクのある時代に…改めて自分知っている言葉の意味が本当に正しいか確認して、それが相手にどんな印象を与えるか考えてから発信していくことが、今のネット社会で重要なことになってくるのではないかと私は思います。