わかびと?にゃくじん?と知らない人は絶対に正しく読めない漢字である「若人」
ただ、その意味を見ていくと現代っ子が読めなくても仕方がない単語ではあります。
今も生きる「若人」という言葉
「若人」は「わこうど」と読み、意味としては青年や若者のことを指します。
表現としてはやや古い言い方で詩歌などに使われています。
現代でも使わないわけではありませんが、どちらかといえば目を引き付けるためのキャッチコピーやスローガンで見たり聞いたりするものです。
元々は「わかびと」から転じて「わこうど」になったので、そのまま読んでもある意味間違いではないのかもしれません。
ちなみに反対語としては老人になります。こちらに関しては「わこうど」のような読み換えはされていません。
ヤングに見る死語
「若人」よりは後にできた言葉ですが、若者を指す言葉には「ヤング」という言葉があります。
英語の「young」をそのままカタカナに起こしたものですが、一時期は若い世代をこのように呼んで「ナウいヤング」などと称していました。
しかし、時代が流れると「ナウい」も含めて「ヤング」自体が死語として見られるようになりました。
「若人」は古い言い方としてありますが、詩などに使われることから死語という扱いを受けることはあまりありませんが、近い世代で外国語を起こした「ヤング」が死語として扱われるのはなかなか面白い比較であると思います。
「若人」と同じように読みを優先した単語
「若人」の「若」と「人」…本来はそのように読めないですが、漢字よりも音を優先して漢字でもそう読むものになっています。
ここでは同じように一見すると、そのまま読んでしまいそうになる漢字を挙げていきます。
仲人
「なかびと」や「ちゅうにん」という読みとしても辞書で出てきますが、「なこうど」と読んで特に結婚の仲立ちを務める人の意味になります。
こちらは現代でも普通に聞く言葉です。
仲介人だと少し堅苦しい感じがしてしまいます。
海原
広く遠くまで続く海面のことを指す「うなばら」も本来の読み方と異なります。
苗字で行くこともありますし、「大海原」と聞くことも多いでしょう。
ちなみに「大海原」は「おおうなばら」で本来は「う」を抜いて読むものではありません。
海女
NHKのドラマ「あまちゃん」で広く知られたのであまり間違える人はいなくなったかもしれませんが、「うみおんな」ではなく「あま」と読みます。
ちなみにこれ男の場合だと「海人」、「海士」と書いて「あま」と読みます。
雪崩
これだけで「なだれ」と読んで積もった雪が大量に崩れ落ちることを指します。
「雪が雪崩れる」というのは「頭痛が痛い」と同じような状態になってしまいます。
息吹
「いぶき」と読んで「春の息吹」、「生命の息吹」などの使われ方をします。
固唾
「固唾を呑んで見守る」で聞く「かたず」もこれと同じように本来の読みから外れています。
挙げていくとまだまだ出てきますが、日本語の中にはこれらのような漢字本来の読みと違うものが存在しています。
よく聞く単語なら良いですが、日常的に聞かないものでは読み間違ってもおかしくはないものです。
「若」に見る他の読み方
「若」という漢字は「わこうど」と読み方をしなくても若い人指す漢字になります。
「わかい」の他には「ジャク」や「ニャク」といった読みもあります。
「ジャク」に関しては「若年」や「若干」などで聞きますが、「ニャク」は限られた単語でしか聞きません。
- 老若貴賤(ろうにゃくきせん/ろうじゃくきせん)
年齢や身分など区別なく、すべての人びとという意味 - 老若男女(ろうにゃくなんにょ)
上記と同じ意味 - 般若(はんにゃ)
日本語としては上記のようなものでしか聞かないでしょう。
また、「若」には「杜」と合わせて「杜若(カキツバタ)」と読むことができます。
これも本来は「若」の時にはない読みです。
そうなった理由は、本来は別種のヤブミョウガの漢字名としてあった「杜若(とじゃく)」がカキツバタと混同されて、その後にカキツバタの方の漢字として定着したからです。
このような背景まで見ないとわからない漢字の読みもあるので、日本の漢字はとても難しいものになります。
まとめ
今回は「若人」とそれに準ずる漢字についてまとめていきました。
知って入れば難しく感じることはありませんが、使う機会がなければ知ることもできないものです。
外国語は難しいと日本人は言いますが、外国からすれば日本語はもっと難しいと言われるのも何だか納得できてしまいますね。