皆さんはこんなことを思ったことがありませんか?
土日に自分が働いていると、周りはみんな休んでいる。
土日休みの仕事のはずなのに、実際は休日出勤ばっかりしている。
テレビのニュースやイベント事も土日休みであることが当たり前のようになってる。
今回の記事ではそんな仕事と休みについて、ざっくりとまとめていきます。
果たして、世間が思っているほど、土日休みはあるんでしょうか……?
生活時間で見る土日休み
それでは、気になる土日休みの割合を見ていきたい……ところのなのですが、直近の土日休みの割合が明確に掲載されている資料は見つかりませんでした。
ネット上に載っている情報は古いものだったり、明確な情報元がないものが多いです。
厚生労働省の「平成29年就労条件総合調査」には、完全週休二日制の割合が載っていますが、この完全週休二日制というものは、例えば、「水曜日・日曜日が定休日」だった場合も含まれるので、土日休みだけを指すわけではありません。
なので、それに近いもので土日休みの割合のおおよその見当をつけたいと思います。
参考にするのは、NHK放送文化研究所で調査された「2015年国民生活時間調査」にある国民全体の「平日、土曜日、日曜日」の時刻別行為者率になります。
これは日本人の生活実態がどのようになっているかを5年ごとに調査するもので、「食事」「睡眠」「仕事」などの項目があり、その項目に対して、「平日、土曜日、日曜日」で国民のうちのどのくらいの人がその行動をしているかをパーセントで出しています。
このデータにおける「仕事関連」の時間は、平日が52.9%、土曜日が34.9%、日曜日が23.5%となっています。
つまりは、国民のうちの5割程度が平日に働いており、土曜日には3割程度、日曜日には2割程度の人が働いていることになります。
これを逆に見れば、土曜日はおおよそ約7割の人が、日曜日には約8割の人が、仕事以外の行動をしていることになり、これを休日と置き換えて見ていくことができるでしょう。
そうやって見ると、土曜日と日曜日は、なかなかの人が休日であることがわかります。
ただし、これは無作為に選出された人によって集計されていて、中には子どもやお年寄りが混ざっているので、実際の割合はもう少し変わるとは思います。
ですので、あくまでこれはおおよその割合として、参考にするしかないようです。
就労条件で見る土日休み
次に見ていくのは、実際にどのくらい休みがあるかというところです。
それには先ほど挙げた「平成29年就労条件総合調査」の結果を使っていきます。
この調査は、主要産業における企業の労働時間制度、定年制等、賃金制度等について総合的に調査し、民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的として実施しており、今回挙げるのは、その中の労働時間制度の項目です。
なお、調査のタイトルは平成29年となっていますが、これから挙げる年間データとして出ているものは平成28年のものになります。
- 何らかの週休2日制 87.2%
- 完全週休2日制 46.9%
週休制に関しては何らかの2日制を取っている企業が87.2%となっています。
これだけ見ると9割近くあるので多いように見えますが、何らかの週休2日制は、1ヶ月のうちに週2日の休みがある週が1度以上あるという意味です。
つまりは、1週だけ2日休みならば、他の週は休みが1日だけでもいいということです。
そのうち完全週休2日制を取っている企業が46.9%となっています。
つまりは毎週何らかの曜日が2日休みの企業は、全体の半分にいかない程度しかないことになります。
これを多いと見るか、少ないと見るかは人それぞれですが、土日2日休み前提でイベントや行事を設定しているところが多いことを考えると、少ないようにも感じます。
1企業平均 108.3日
※「1企業平均年間休日総数」は、前年(又は前々会計年度)1年間で、企業において最も多くの労働者に適用される年間休日総数を平均したもの
労働者1人平均 113.7日
※「労働者1人平均年間休日総数」は、前年(又は前々会計年度)1年間で、企業において最も多くの労働者に適用される年間休日総数を、その適用される労働者により加重平均したもの
こちらは祝日や会社が決めた休日を含んだ年間休日の総数になります。
もし、この調査が行われた平成28年において、完全週休2日制の土日休みが105日、年末年始を12月29日から1月3日とすると6日、祝日全てが休みだった場合17日、他の休日と被っているものがマイナス5日になるので、それらを合計すると休日数は123日になります。
そこから1企業の平均を見ると108日とかなり少なく感じます。
土日の休みだけで見ると105日となっているので、それに3日しかプラスされていないことからもそう感じるでしょう。
労働者1人辺りで見ても、合計の123日よりも10日少ないです。
- 付与された日数 労働者1人平均 18.2日
- 労働者が取得した日数 9.0日
取得率49.4%
最後に有給休暇について見ていきます。
付与日数自体は18日ありますが、実際に取得されているのはその半分となっています。
全てを消化する必要はないのですが、有給は持ち越しもあることを考えると、1年で使う有給数はそれほど多くないようにも見えます。
これら3つのデータから見ると、土日休みを確実に見出すことはできませんが、完全週休2日制で、本当に土日の2日間休めている人は、結果に出ている46.9%よりもかなり少なくなると予測できます。
参考資料…厚生労働省 平成29年就労条件総合調査 結果の概況:調査の概要
まとめ
今回の記事は2つの調査データから土日の休みの割合を予測していきました。
結果としては……あまりはっきりとしたものにはならかったのですが、土日の2日間を休める人ばかりではないことは予測できたと思います。
結局のところ、世間が土日休みが主体である雰囲気を出している限り、働いている人が自分だけ休みではないという感覚になるのは避けられないことです。
ただ、そういう土日のニュースやイベントに出ている人も、もちろん働いていることになるので、本当に休めているのは学生やお年寄りなのかもしれません。