何も知らない人が「特牛」という漢字を何と読むかと問われたときに、ほとんどの人は「とくぎゅう」と呼んでしまうと思います。
私もその書いてある通りに「とくぎゅう」と呼んでしまうのですが、正式な呼び方としては「こっとい」と呼ぶのが正しいそうです。
言葉のイメージからするとなんだか牛丼に関係しそうな言葉の1つで
と答えてしまう人も多いような漢字ですよね。
実際パソコンを触っていて「こっとい」と打ち込んで変換しようとしても「特牛」という漢字には変換されません。
それだけ読み方として難しい言葉という事になるのでしょう。
しかしどうして「特牛」を「とくぎゅう」と呼ばずに「こっとい」と呼ぶのでしょうか?
誰もが難読漢字と思う「特牛」ですが、辞典で調べてみるとなんと掲載されているではありませんか!
辞典に掲載されている言葉という事は、難読漢字とされているにもかかわらず多くの人に知ってほしいという漢字の1つだといえますね。
今回はどうして「特牛」という漢字を「こっとい」と呼ぶのか、どこからその呼び方が来たのかなどについて調べていきたいと思います。
特牛をこっといと読む語源はどこからきているのか?
特牛というと、誰もが牛に関係する言葉だと思いがちですが、実は地名の1つ。
山口県にある地名です。
しまいには「特牛駅」として「こっといえき」というものも存在しています。
山口県の下関市に「こっとい」という地名があるので、山口県に住んでいる人であれば誰でも知っている地名なのかというとそうでもありません。
例えば「町」や「市」が付いている地名であれば知っている人も多いのでしょうが、ただの地名なのでいまいち知名度としては低いほうになります。
特牛の語源としてはいくつかの説があるので順に説明していきます。
コトイウシという牛が存在していた説
コトイウシという言葉を聞いた事がある人は少ないと思います、
これはよく荷物を背中に乗せたまま人間と一緒に歩いている牛のことです。
コトイウシという言葉は漢字で書くとすると「許負い牛」と書き、「こっとい」という言葉の語源になったとされています。
さらに農作業をするための牛や、荷物を運ぶ牛(コトイウシ)がたくさん存在していたために「牛値(こといあたい)」と呼ばれる官職についていた人がいました。
牛値の人が多く住んでいたことから「こっとい」という地名が付きやがて「特牛」という漢字を用いるようになったと考えられています。
宇佐神宮の創設者が大神特牛という説
宇佐神宮という神社をご存知の人もそこまで多くないでしょう。
この神社は大分県にある、とても由緒正しい神社です。
日本史に詳しい方は道鏡(どうきょう)と和気清麻呂(わけのきよまろ)の争いでご存知かもしれません。
宇佐神宮の創設者は大神特牛(おおがのことい)という人で、山口県に移り住んできたことで地名に発展して「特牛」という地名が付いたという話です。
昔の人の地名のつけ方というのは基本的に「多くの同じ姓の人が住んでいる土地」や「そこに住んでいた最も偉い人の名字を地名にした」というものが多くあります。
ただ昔の人の地名のつけ方というものはあくまでも憶測でしかないので、はっきりとした確信というものが持てないのが現状です。
特牛という名前が付いている地名にはどんなものがある?
日本には「特牛」が使われている場所が山口県の他でもいくつかあるようです。
山口県で「特牛」が使われている場所から順に説明していきたいと思います。
コットイエキ
特牛という言葉が使われている地名には、もっとも有名なものでは山口県に設置されている「特牛駅」というものがあります。
「特牛駅」と書いて「こっといえき」と読むのですが、山口県の山陰本線にあります。
さすがに利用者数などは極端に少なく1日あたり週十人程度なのですが、もしも山口県に行く機会があるのであれば是非行ってみたい駅の1つですよね。
こっといざき
福井県に存在する岬の1つで「特牛崎」と書いて「こっといざき」と呼ばれる岬があります。
しかし名称としては「こってざき」と呼ばれていることも多く、地図で確認してみました。
ところが地図には載っていない場所になり、現地の人にとってはこってざきとい名称で知られているようです。
特牛の読み方と語源【まとめ】
ここまで特牛の読み方や語源について紹介してきました。
地名が決められるという事はそれなりの語源があるものですね。
特牛と書いてあると普通の人は「とくぎゅう」と呼んでしまうことは間違いありません。
どう間違っても「特牛」が牛丼は関係していないのは確かなようです。
難読漢字としてテレビに出てもいいくらいの難読漢字になるのですが、他にも面白い地名があるのかもわかりませんね。
例えば長崎県にある「調川」という地名も何と呼ぶかわかりますか?