健康茶の中でもバランスの良い万能茶といえば、麦茶です。
日本人が昔から慣れ親しんできた身近なお茶ですよね。
くせのない香ばしい香りはいかにも体に良さそう!
しかし最近他の健康茶の存在に押されてちょっと影の薄い感じになっています。
そういえばスーパーなどのお茶コーナーを見ても、大量に作るための安価な麦茶はありますが、こだわった麦茶は専門店等に行かなければあまりお目にかかりませんよね。
そこで、こだわりの麦茶を自宅で手作りしてみませんか!
コーヒーではよく豆から選んで自家焙煎珈琲を楽しむ方も多いようですが、麦茶も同様に楽しむことができるんですよ。
友達に「麦茶はこだわって麦の焙煎から作っている」なんて話したら驚かれそうですよね。
なぜ手作り麦茶をおすすめするのか
市販の麦茶ももちろんおいしいですし何よりお手軽なので、大量に消費する夏場などは作るのが追い付かなくて市販のティーバッグもよく使いますが、お急ぎでなければ手作り麦茶を絶賛おすすめします。
手間もかかるし上手にできるか不安…という方も、おすすめの理由や作り方を読んでいただければきっと「挑戦してみようかな」と思うのではないでしょうか。
自分好みの麦茶ができる
麦の乾燥、焙煎をオリジナルでできるので、自分好みの味わいの麦茶を作ることが可能です。
使用する麦の種類や焙煎の仕方でそれぞれ出来上がりが違うのも驚きです。
毎回違う方法を試して比べて楽しむもよし、お気に入りの麦や焙煎方法を見つけていつものこだわり麦茶を作るのもよし、今までと違う楽しみ方ができますよ。
香ばしくさわやか
麦から焙煎して麦茶を手作りすると、焙煎したてをいただけますから明らかに香ばしくさわやかな甘みが出ます。
麦茶を焙煎すると麦に含まれているタンパク質が、麦茶独特のあの香りになるのです。
市販のティーバックの麦茶と比較すると風味の違いも歴然。
また、市販のものより色合いが薄めでやさしい味わいになりますので見た目もきれいですし、幸せな気持ちになれる本格派のおいしさにきっと驚きますよ!
どんな麦を使うと良い?
まずは麦茶を作るのに向いている麦を選んでみましょう。
麦には大麦やライ麦、燕麦など様々な種類がありますが、麦茶に一番向いているのは大麦です。
大麦の中でも好みの麦茶を作るために、どんな麦を使うと良いのか厳選しましょう。
おすすめの大麦の種類
大麦には2種類あり、甘みのある麦茶にしたいなら二条大麦です。
ちなみに二条大麦はビールや焼酎の原料になっている大麦です。
さっぱりとした味の麦茶にしたいなら六条大麦が良いでしょう。
六条麦茶はペットボトル飲料として販売されていますので聞いたことがあるのではないでしょうか。
六条大麦はさらに2つの品種があり、もみ殻が剥がれやすい裸麦と、剥がれにくい皮麦に分けられます。
おいしい手作り麦茶を作るには皮麦の方が香ばしい香りが出るのでおすすめします。
麦を選ぶ際の注意点
手作り麦茶に使う麦は、粒の大きさや水分量が均一になるように選びましょう。
というのも均一な麦でなければ焙煎する際にムラが出てしまうからです。
失敗したくないなら麦茶専用の麦を購入することをおすすめします。麦茶専用の麦ならタンパク質を多く含んでいるので香ばしく良い香りになりますよ。
麦茶愛好家の中には、麦の穂を刈って自分で脱穀するというこだわりを持っている強者もいるようですが、そうそう麦の穂が手に入るわけではありませんし、脱穀作業などは労力も使います。
初心者には麦選びからのスタートをおすすめします。
麦から麦茶をつくる手順をご紹介
使用する麦が決まったら、いよいよ麦茶を手作りしてみましょう。
慣れればそれほど難しい作業ではありませんので、是非挑戦してみてください。
分量は水1リットルに対して焙煎前の麦30グラムで作ります。
始めはあまり大量に作らず、少ない量から作り始めた方がコツもつかみやすいと思います。
麦を炒るためのフライパンと、お茶を濾すガーゼ布なども用意してくださいね。
- まずは使用する麦を洗ってゴミやもみ殻を取り除きます。きれいに洗ったらザルや新聞紙に広げ、乾燥させます。このとき、日干しでも陰干しでも構いません。
- 麦が乾燥したら焙煎開始です。フライパンに麦が重なるように麦を投入し、香ばしい香りがしてくるまでじっくり10分ほど中火で炒ってください。徐々に麦が茶色くなっていきます。焦がさないように常に木べら等でかき混ぜましょう。
- 香りが出てきたら水をフライパンに注ぎ、さらに10分ほど煮ていきます。
- 10分ほど煮詰めたら火から外してガーゼなどで濾しましょう。煮終わったらすぐに濾すようにしてください。放置するとお茶が濁ってしまいます。
- 室温において粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やして、手作り麦茶の完成です!
ちなみに焙煎作業の際には換気を良くすることをおすすめします。
意外と火災報知器が鳴ったりしますので(笑)
色々な焙煎方法
自宅で簡単にできる焙煎方法を上記でご紹介しましたが、手作り麦茶の魅力は焙煎方法でそれぞれ違った味わいの麦茶ができること。
焙煎方法には「砂入り焙煎・フレク炒り焙煎・カタ入り焙煎・アルファ化焙煎」の5つの焙煎方法がありますが、無理なくおいしい麦茶を家庭で作るのに向いている焙煎方法をこの中から3つご紹介したいと思います。
砂炒り焙煎
砂炒り焙煎は昔からの製法です。先ほどご紹介した方法だと思ってください。
焙煎の段階で多少のムラが出るのですが麦の濃淡によって香ばしさや甘みが変化することで、香りと風味のバランスがとれた麦茶になります。
砂炒り焙煎は最も人気のある焙煎方法のようです。
カタ炒り焙煎
カタ炒り焙煎はゆっくり時間をかけて焙煎する丁寧な焙煎方法です。
砂炒り焙煎のように大麦がはじけてしまうことがありませんので麦のうま味を逃がしません。
低温でじっくりと麦を撹拌させながら焙煎するのでムラになりにくく、とても良い香りの麦茶を作ることができます。
さらにカタ炒り焙煎なら焙煎した麦を挽いて水出し用にもできるのがおすすめポイントです。
アルファ化焙煎
アルファ化焙煎は健康のためにおいしい麦茶を作りたいという方におすすめの焙煎方法です。
焙煎前の麦を一度蒸し、その後乾燥させてから焙煎するので麦の栄養素が抽出されやすくなるのです。
反面、香ばしさが若干不足してしまうという弱点があります。
まとめ
- 麦から手作りした麦茶は自分好みのオリジナルができ、驚くほどおいしい
- 麦茶に向いているのは大麦。初心者さんは麦茶専用の麦を使うと香り豊かに
- 麦から焙煎して麦茶を作る方法
- お好みによって違う焙煎方法を試してみても
日本ではどこにでも売っている麦茶ですが、あまり海外進出していないので当然ながら国外ではほぼ購入を諦めなければいけません。
しかし麦は海外でも手に入ります!
麦と水さえあればおいしい麦茶ができるのですから、覚えておいて損はないですよね。
また、麦を炒っているときは香ばしい香りに包まれてとても幸せな気持ちになれるんです。
なんだか憧れのスローライフを送っているようなゆったりとした時の流れ…。
風味豊かな最高のオリジナル麦茶を飲んで「おいしい!」と笑顔になる自分や家族を想像しながら麦茶作りを楽しんでくださいね。