なにげない会話につかえそうな、ちょっとしたネタを紹介

こねたのもり

「暇を持て余す」ってどんな意味?今すぐマネしたい!正しい使い方

よく「暇を持て余す」と聞きますが、普通の「ヒマ」と何が違うのか気になりませんか。

実は、多くの人が「暇」の意味を間違って解釈しています。

今回は、「暇」と「持て余す」のそれぞれの言葉の意味、「暇を持て余す」の意味、さらに間違いやすい言葉も併せて説明します。

「暇」と「持て余す」の正しい意味


まずは「暇を持て余す」の「暇」と「持て余す」とはどういう意味かをご説明します。

暇の意味くらい知っている、と思うかもしれませんが、これは意外と誤解されています。

また、「持て余す」はあまり日常で使わない言葉ですが、どのような意味なのでしょうか。
それぞれの意味を理解しましょう。

「暇」の意味

「暇」という言葉の意味を、多くの人は「時間が余っていて退屈な状態」と誤解しています。
確かに、時間があって退屈な時はつい「ヒマだ~」とこぼしてしまいますよね。

しかし、正しくは「暇」=「時間」です。

これを「暇を持て余す」に応用すると、「時間を持て余す」ということになります。

よく「手間暇かける」という言い回しを耳にしますが、これは「手間と時間をかける」という意味になります。

なので暇という言葉だけで「時間が余っていて退屈」という状態までは指しません。マジレスすると、「ヒマだな~」というのは「時間だな~」という意味です。

現在は「ヒマ」=「時間が余って退屈」というニュアンスで使われるのが一般的ですが、おそらく今回のテーマである「暇を持て余す」が短縮されて、現在よく使われる「ヒマ」となったと思われます。

「持て余す」とは

続いては「持て余す」の意味についてご説明します。これには細かく分けて二つの意味があります。

一つ目は「扱いに困る」という意味です。

ただ扱いに困るというよりは、何かに対して自分の力量が不足しており、その扱いに困る感じです。

「長い手足を持て余す」という言い回しがありますが、これは手足の長さが邪魔になっていて、困っている様子です。手足が長いために動きがぎこちなかったり、コントロールが効かなかったり、そんな状態ですね。

二つ目は、「手に負えないで困る」という意味です。

この意味で最も使用される例としては、「泣く子を持て余す」という言い回しがあります。

泣いている赤ちゃんをあやしたりミルクをあげたりとなんとか泣き止ませようとしても、どうにも泣き止まなくて手に負えないという様子ですね。

「暇を持て余す」ってどういう意味?


先ほどの説明で大体分かってきたと思いますが、ここで改めて「暇を持て余す」の意味を説明します。

言葉を正しく使えるようにチェックしておきましょう。

「暇を持て余す」=「ヒマ」な状態

「暇を持て余す」とは時間はあるけれどすることが何もなく、退屈な状態のことです。

先ほど説明したように、私たちが普段よく使っている「ヒマ」は正しい言葉ではないのですが、その「ヒマ」と同じような意味だと思っていただければOKです。

普段はわざわざ「暇を持て余す」と言わなくても「ヒマ」で良いと思いますが、改まった場や出版物にはきちんと「暇を持て余す」の方を使ったほうが良いでしょう。

「暇を持て余す」の類語

することがない、時間が余っているなどの状態を指す言葉は他に、「手持ち無沙汰」「時間を持て余す」「所在なく過ごす」「退屈する」などがあります。

「手持ち無沙汰」はあまり「ヒマ」というニュアンスは含まれていないのですが、間がもてなくて困っているという感じです。

「暇をもてあそぶ」との誤用に注意!


「暇を持て余す」に似た音の響きを持つ言葉に「暇をもてあそぶ」があります。
とても似ていますが、言葉の意味は全く違います。

「暇をもてあそぶ」の意味も理解して、誤用しないように注意しましょう。

「暇をもてあそぶ」の意味

先ほども説明したとおり、「持て余す」とは扱いに困ったり、手に負えないで困っている状態です。

なので、「暇を持て余す」というのは時間はあるけれどそれをどう使えばいいかわからない、何をしていいかわからない状態を指します。

対して「もてあそぶ」は手にもって遊ぶ、いじる、思うままに操るなどの意味があります。

よく「女をもてあそぶ」とか「他人の運命をもてあそぶ」など人に対しても使われます。

イメージとしては手の上で転がして楽しんでいるといった感じです。

つまり、「暇をもてあそぶ」は時間を上手く使って楽しんでいる状態です。

ですから、「暇を持て余す」と「暇をもてあそぶ」は響きは似ていますが全く違う意味になります。

表記の仕方に注意

「持て余す」は漢字表記でOKなのですが、「もてあそぶ」はひらがな表記がいいでしょう。

「もてあそぶ」には様々な漢字が当たり、「弄ぶ」「玩ぶ」「持て遊ぶ」などがあります。

そして「弄ぶ」や「玩ぶ」は常用漢字に含まれないので、様々なところでひらがな表記が勧められています。

「持て余す」も「もてあそぶ」もそれぞれの意味と表記の仕方をしっかりと覚えて、正しく使えるようにしましょう。

まとめ

  1. 「暇」と「持て余す」はそれぞれ正しい言葉の意味があまり理解されていません
  2. 「暇を持て余す」はよく使われる「ヒマ」と同じような意味を持ちます
  3. 「暇をもてあそぶ」との誤用に注意しましょう

「暇を持て余す」の意味について説明してきました。

あまり知られていませんが、私たちが普段よく使う「ヒマ」は正しくは「暇を持て余す」だったのですね。

言葉の正しい意味を理解して、間違った使い方をしないようにしましょう。

  • B!