算数の問題で度々起こる疑問。
どうしてこの公式で面積が求められるのだろう?
どんな公式も覚える時にこの疑問に当たると、何だかモヤモヤすることはありませんか?
今回はそんな公式の謎のうちの「ひし形の面積の公式」について、取り上げていこうと思います。
これを見れば、改めて子どもや他の人に聞かれた時、その仕組みを答えられるようになりますよ。
ひし形という図形の定義
それでは最初にひし形がどのような図形であるのかということを確認しておきます。
ひし形は、4つの辺の長さが全て等しい四角形のことを指します。
よく見るひし形は、上の画像のようにトランプのダイヤの形や、これを横にしたものがイメージできると思います。
でも、このような形でなくても辺の長さが全部同じならば、それはひし形になるのです。そして、内角が全て等しい(90℃)であるひし形は正方形になります。そう、正方形はひし形に含まれる図形なのです。
また、ひし形の成立条件に、隣り合う2辺の長さが等しく、対角線が直交する平行四辺形というものがあります。つまりひし形は、平行四辺形の1つであるのです。
これらを大きな枠の順に見ると
という風になります。なので、条件さえ揃っていれば、ひし形は平行四辺形の、正方形は両方の公式を当てはめて使うことができるのです。
今回見ていくのは、ひし形の面積を求める問題において対角線のみが表記されている場合の公式ですが、このこともついでに覚えておくと何か役に立つかもしれません。
※ちなみに平行四辺形の面積の求め方は、
なので、もし、ひし形という条件が問題文に書かれていて、底辺と高さのみが提示されている場合は、この公式で求めることができます。正方形も同様です。
では、次の項目でひし形の面積を求める公式を見ていきます。
ひし形の公式の仕組み
例題:対角線が8㎝、4㎝であるひし形の面積を求めよ。
式:8×4÷2=32÷2=16
答:16㎠
となっています。
公式と解答だけ見れば、そう書いてあるからそうなのだろうとしか思えないかもしれません。
ただ、どうして対角線同士をかけるのか、何でいきなり2分の1が出てくるのか、とよく見るとわからないことだらけですね。
それではその謎について順を追って解説していきます。
まず、ひし形に対角線を引きます。
そして、対角線を引いたひし形は、最初の図から見ると4つの三角形として見ることができます。
そして、その三角形をそのまま折りたたむと以下の図のようにすることができます。
これをすべての三角形に対してやると、ひし形は以下のような図になります。
このようにひし形を広げていくと長方形を作ることができます。この長方形の面積はひし形を広げて作ったものなので、ひし形の面積の2倍になっています。
この長方形の面積を求め方は、
となります。
そして、ひし形の面積はこの長方形の面積の2分の1であるので、
と最初の公式になるのです。
つまりは、ひし形の面積を求める公式の最初の対角線×対角線は長方形の面積を指していて、2分の1はそれをひし形に戻すために半分にしているということになるのです。
この仕組みを覚えておけば、公式をど忘れした時も計算式を考えることができますし、何より公式を覚える時に、考え方を理解したうえで覚える方が頭にも残りやすいと思います。
まとめ
今回の記事をまとめると、
- ひし形の公式は、長方形にしたものの面積を半分にしたもの
- ひし形には平行四辺形、正方形にはひし形と平行四辺形の公式が使える
以上の2つです。
私の小学生時代にはこんな風に教えて貰った覚えがない(忘れているだけかもしれません)ので、なんとなく公式を覚えているものでした。
意味がわかって納得すると、公式だけ見て覚えるよりもタメになると思うので、公式が覚えられないお子さんがいる方は、こんな風に別の視点があることを教えてあげるといいかもしれません。