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こねたのもり

英才教育の幼稚園と子供のその後…人生に大事なのは●●

お子さんの幼稚園選びは頭を悩ませますよね。
どんな教育方針の幼稚園に通わせようか悩みどころです。

それぞれ特色がありますので、入園してよかった!と思える幼稚園を選びたいと思うのは当然です。
かわいい我が子にいくらでも愛情を注いで大切に育てよう!と希望にあふれていると思います。

それではどうしたらこの子を幸せにしてあげられるだろう?
と考えた時、どんなことを思いつきますか?

英才教育で子供に可能性を与えてあげたいと考えている方もいると思いますが、中には警鐘を鳴らすような情報もあり、本当に英才教育って良いものだろうか…と不安に感じていませんか?

そんな親御さんのために、英才教育に対する不安に関して事実と、率直な意見で「英才教育がその後の子供の人生に与える影響」についてお話をします。

英才教育の幼稚園のその後…犯罪者になる確率が高いって本当?


英才教育について肯定的な情報もたくさんありますが、最近の世間の風向きは少し違うようです。

なぜ否定的な意見が台頭してきたのか?理由は皆さんも目にして感じていることなのかも知れません。

ここでは、なぜ英才教育に対して危惧する声が上がり始めているのか、というお話をしたいと思います。

まじめで成績優秀…という報道

近年、重大な刑事事件の犯人が捕まったとき、犯人についてよく耳にするのが「学生時代は真面目で成績優秀」というコメントです。

成績の良かった子がなぜ犯罪者に…というテレビを見ながら「勉強ばっかりやってたからじゃないの?」と感じる人は多いのではないでしょうか。

そう思うのは、犯罪とまではいかなくても「勉強ばかりできても思いやりや協調性に欠ける人物」が自分の周囲にも存在していて普段からそのように感じているからではないでしょうか。

事実、詰め込み教育の弊害としてそのような情緒不足な人物が増えているのでそう思うのは仕方がないかも知れません。

そうすると「勉強一筋=犯罪者になりがち」という印象がついてしまいます。

ボストン大学の研究結果

さらに、アメリカのボストン大学で「英才教育を受けた子供は犯罪者になる確率が3倍」という早期教育の弊害についての研究発表があり、衝撃的な結果のためか話題になりました。

(参考)「英才教育」を受けた子どもは、犯罪者になる確率が3倍! “知識先取り”の危険性とは

この調査は子供たちの幼児期から23歳になるまで継続して行われました。

知識中心の保育園で教育した子供たちが23歳の時点で犯罪者になる確率は、他の教育を受けた子供たちに対して3倍の確率だったというものです。

この調査について詳しい事は割愛しますが、あくまでアメリカの貧困層を対象に行われた調査ですから、これをそのまま日本の子供たちに当てはめるのは少々乱暴かとは思います。

しかしなぜこのような日本とあまり関係がなさそうな研究結果が話題になるのか、それが気になります。

おそらく日本でも近いうちこのような結果になると危惧されているからではないでしょうか。

英才教育の危険


先ほど話題にしたアメリカの研究結果とは別に、英才教育については各国で様々な検証がされています。

なぜそのような検証がされてきたのかと考えると、世界ではもっと以前から英才教育に対して疑問視する考え方が発展していたためと考えられますね。

ここでは、英才教育は子供に対して実際どのような影響があるのか、というお話をしたいと思います。

ドイツでの検証結果

1970年代のドイツでは幼稚園の子供たちを長期にわたって比較調査しています。

その結果、「勉強中心の幼稚園の子供たち」は「遊び中心の幼稚園の子供たち」より読書や算数で劣り、そのうえ社会性や感情面でも周囲との協調性に欠如がみられるという結果が出ています。

この調査結果に基づき、ドイツ政府が幼稚園に遊びを多く取り入れる方針に回帰したのだそう。

早くスタートしても追いつかれ、追い抜かれる

英才教育で他の子より早く読み書きや計算ができるようにしたのに、英才教育を受けていない子に成績を抜かれた…なんて事例はよく耳にしますね。

逆転される理由として、英才教育で文字の読み書きや計算ができる状態で小学校に入学した子は、学校での授業を「そんなの簡単」と軽視しはじめる傾向にあるようです。

「自分は他の子より頭が良い」と勘違いし、努力することを怠ってしまい、小学校から読み書きや計算を始めた子の努力に追いつかれ、やがて抜かれてしまうというのです。

まるでうさぎとかめの話のようですが、うさぎもさぼらなければ問題ない話ですよね。

しかし、山頂までにはいろいろな障害があります。うさぎは早く走る方法しか身につけていないので、障害を越えることが困難なのです。

かめはゆっくりと丁寧に山登りしていますからどうしたら障害を越えることができるのかを体験します。山登りの意味についても時間をかけてよく考え、理解しています。

要は大事なことを見逃してさっさと山登りをする方法は結果的にゴールできないということですね。

英才教育に合っている子と合っていない子

英才教育で成功した例を挙げられると「うちの子も」と心が動きますよね。

しかし、英才教育が合う子と合わない子がいるらしいのです。しかも、英才教育が合う子は大脳が極端に早く発達していて、なんと全体の5%だとか。

ほんの一握りの天才と表現するにはパーセンテージが結構高いので成功例もよく耳にするのかも知れません。

しかし、成功例にばかり目が言っていると成功できなかった(英才教育が合わなかった)95%の子どものことを気にかけることができません。

大抵の子は友達との遊びや家族との外出など、普段の生活の中で得られる「学習刺激」によって脳が発達し、バランスよく成長していくものなのです。

5%の成功例に自分の子供を無理に当てはめようとしないで、95%のほうで当たり前なんだという気持ちを持っていてください。

英才教育幼稚園の内容


英才教育についての危険性について様々お話してきましたが、それでも英才教育を行う幼稚園や保育園がなくならないのはなぜでしょう?

それは、幼稚園自体はあまり詰め込み教育をしていないという実態が要因だと思います。

これからご紹介する「英才教育を行っている幼稚園」のカリキュラムをご覧になると考え方が変わるのではないでしょうか。

楽しみながら学ぶ工夫がされています

いわゆる「お受験」して入るような幼稚園でも実際は大人が引くほど頭でっかちな教育はうたっていません。

どの幼稚園も体育や情操教育にも力を入れていてバランスよく高度な教育を与える努力をされているようです。

ただ、小学校就学前は教える必要がないとされる教育を早期に実践しているので「英才教育」という看板を掲げているのだと思います。

たとえば年少さんのうちからひらがな、カタカナを読み書きできるようにしたり、時計を読めるようにしたり、簡単な英単語と文章を英語で話せるようにしたり、というカリキュラムが組まれ、それぞれ子供たちが楽しみながら学んでいけるようにしっかりと工夫されています。

縄跳びや鉄棒などの運動にも力をいれていますし、ピアノやお絵かきのような情操教育も行っています。

しかし、中にはやりすぎ感のある幼稚園も存在することはたしかです。

勉強以外の英才教育を行う幼稚園

英才教育といえば勉強以外でも運動や情操教育もありますね。

何年か前に話題になった「ヨコミネ式」を取り入れた幼稚園など、運動に力を入れているところも増えています。

鉄棒や跳び箱、バック転など小さい子供がなんなくこなす姿が話題を呼びました。
また、リトミック教育を取り入れてリズム感を養い、歌やダンスで情操教育に力を入れている幼稚園もあります。

運動能力を伸ばすことや情操教育も小さいうちに始めるのが良いとされる学説が多いため、こういった幼稚園を選択する親御さんも多いですね。

専門知識をもった先生が指導しますので安心ですし、身体を使った教育は楽しいでしょう。
親御さんが子供に身に付けさせたい能力を伸ばすためには特徴があって良いのではないでしょうか。

ただこちらも、運動や音楽だけにこだわりすぎていないかを注意深く見てから幼稚園を選んだほうが良いでしょう。

幼稚園以外の「塾」は危険な場合も

上記のように、私は幼稚園があまり危険な詰め込み教育をしているとは思えません。
気を付けたいのは幼稚園以外で通わせるいわゆる「塾」だと感じます。

私がとても驚いたのは「子供を○○にする塾」という目的をうたった塾がいまだにあることです。
それって親が決める事ですか!?というのが第一印象です。

「○○」は様々ありますが、収入の多い職業であることがほとんどです。つまり親の希望ですね。
希望の社会的地位につくための教育を与える塾です。ですから、他の可能性は軽視され、見下された考え方を感じます。

例えば勉強一辺倒で人との関わりを持つ時間が軽視されている塾や、一つの競技にこだわりすぎてバランスよく運動能力を伸ばせない運動クラブ。

驚くべきことにその偏った考え方を何の迷いもなく親御さんたちに発信しているので、塾に入れたい場合はよく考えて選んでいただきたいと切に願います。

結局は家庭での過ごし方、考え方が大事


英才教育の危険性は検証されていて世界でも危惧されていますが、日本ではまだまだ英才教育を上手にできていない親御さんが多いようです。

素晴らしい教育方針で一生懸命子供たちに可能性を与えている幼稚園があるのにも関わらず、人とのかかわりが上手にできない子供が育っている現実はどうとらえれば良いのでしょうか。

同じように英才教育をしていても人間性豊かな人物に育つ子もいれば、人間性に欠けた人物になってしまう子もいます。

ここでは、せっかくの英才教育をマイナスにしないため、気を付けるべきことを挙げたいと思います。

もしも思い当たることがあれば、お子さんのために我に返って考え直してあげてくださいね。

自分の理想を子供に押し付けていませんか?

教育熱心な親御さんの子供は一生懸命楽しそうに勉強することが多いです。
それを見て親御さんは大変嬉しく「うちの子は勉強が好きみたい」と勘違いしてしまうことが実に多いと感じます。

小さなことどもにとって一番の喜びは「親に愛されること」です。勉強を頑張れば、お稽古事で結果をだせば親が喜んでくれる、褒めてくれるとわかれば嬉々として勉強やお稽古に没頭して「もっと、もっと」とどんどん吸収していきますよね。

ハッと気づくのは自我が芽生えて家庭以外の情報に触れ始める頃です。

他の家庭のことを見聞きしたり勉強やお稽古事以外の興味を持つことができたとき、今やっていることを辞めて他のことをしたいとはなかなか言えないことが多いのです。なぜかというと親が悲しむからです。親の理想を一身に背負わされている子供は「辞めたい」とはとても言えませんよ。

かつて、優秀な頭脳をもった人物が次々と洗脳されていたオウム真理教では「親は自分の理想を子供に重ねている。でも、自分には自分の人生があるんだ!」という言葉を使って勧誘をしていたようです。

お子さんが他のことに興味を持ったら自然に「こっちをやってみたい」と言える親子関係でいてあげてください。

そして、お子さんが選んだ道を今までと同じように応援できる覚悟を持ち合わせていただきたいと思います。

子供は親の鏡です

「他のことをしてみたい」という感性を持てる子供は自分らしく生きる可能性をしっかりキープできていますが、もしその感性を持てない子になっていたとしたら、それは危険だと思います。

なぜ親の敷いたレール以外の選択肢に興味のない子になるかと言うと、幼少期からの親からのすりこみの影響と言わざるを得ません。

子供の思考は基本的に親の写し鏡です。親が「優秀な成績で有名大学へ入って良い職業につかなければ人生は負け」という考えを持っていると子供も同じ考え方になってしまいます。

「○○ちゃんには負けてはだめよ」なんて言葉を毎日かけられれば競争にばかりこだわり、もし競争に勝っても負けた相手のことを見下す人間になるでしょう。

子供の人生を幸せにするのは親ではありません。子供の人生を幸せなものにできるのは子供自身です。

親がコントロールしてあげようと思うのは愛情ではないということを理解してください。

子供の成長のペースに合わせて

「大器晩成」という言葉がありますが、成長するペースは人それぞれ。
子供は自分自身で成長する能力を持ち合わせています。

しっかり根を張って伸び、葉をたくさんつけてから花を咲かせ実をつけるはずの植物に、まだ根も張っていないうちから花を咲かせろ実をつけろと無理に栄養剤をたくさん与えては、本来立派に実るはずだった実がかわいそうではありませんか。

親の理想の成長ペースを押し付けるのはそういうことです。

子供自身の成長を余裕を持って見守ってあげる懐の深さこそが、子供が大人になってから親への感謝を感じる愛情だと私は思います。

まとめ

  1. 英才教育についての良くないイメージの理由
  2. 英才教育が持つ危険性
  3. どんな英才教育をしている幼稚園なのか注意深く選びましょう
  4. 家庭での教育の考え方を今一度確認しましょう

英才教育を始めることになんら問題はないですし、可能性を与えてあげることは素晴らしい事です。

問題なのは、親御さんがエゴではなく子供の人生を大切に考えているか、その一点につきると思います。

英才教育をしたから成功した、失敗したという結論を出すのは大雑把すぎるのではないでしょうか。

英才教育は人生の入り口に過ぎません。そこからの道筋はお子さんが自分で切り拓いていくものですから、守ってあげながら見守って行くことが親のつとめではないでしょうか。

英才教育自体にあまり不毛な不安を抱かずに、是非お子さんに合った幼稚園を選んでお子さんの人生と親御さんの子育てが楽しく幸せなものになるよう、明るいスタートを切りましょう!

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