皆さん、「ぬいどり」という言葉をご存知でしょうか。
ぬいどりとはぬいぐるみを入れた写真を撮ることで、「ぬいぐるみ撮り」という言葉の略になります。
私は幼いころからぬいぐるみが大好きで、学業と部活動で忙しくなる中学入学前までは毎日ぬいぐるみで遊んでいました。もちろん今でも部屋はぬいぐるみでいっぱいです。
そんな私がこの言葉を知ったのはつい最近で、「こんな楽しみ方もあるのか!」と驚きました。そして、ぬい撮りを始めてからよりぬいぐるみが大好きになりました。
今回は私のようにぬいぐるみが大好きという方はもちろん、写真好きの方や旅好きの方などにもぜひ知っていただきたい「ぬい撮り」の魅力をご紹介します!
「ぬい撮り」ブームが拡大中!
ぬい撮りブームはじわじわと拡大し、今では各キャラクターで「○○フォトコンテスト」というものまで開かれています。
そしてそれを見た人たちが「自分もやってみたい」と思うようになり、今や女性を中心にぬい撮り人気は広まってきています。
誰でも気軽に始めることができるので、興味がわいたらぜひ挑戦してみてください!
インスタグラムで人気
ぬい撮りの流行を知ることができるのは、やはりインスタグラムではないでしょうか。
インスタグラムでは #ぬい撮り で検索するともの凄い数の投稿がヒットします。きっと今もぬいぐるみ達の写真が増え続けていることでしょう。
ぬい撮りがここまで広がった理由の一つに、スマートフォンの普及が挙げられます。
ぬい撮りをする際、ぬいぐるみを持ったりポーズを取らせたりとどうしても片手がふさがってしまうので、もう片方の手で高画質の写真を撮ることができるスマートフォンはとても便利です。
また、インスタグラムをはじめ色々な人と写真をシェアすることができるSNSツールが普及しているので、誰でもいつでもどこでもお気に入りの写真を撮って、ぬいぐるみ好きと繋がることができます。
ちなみに最近はぬい撮り界隈に限らず、若い女の子の間ではデジカメで写真を撮ることが流行っているそう。こちらもまた軽くてコンパクトなのでぬい撮りに向いています。
ぬい撮り専用のぬいぐるみも
タカラトミーアーツから出ている「ちょっこりさん」というシリーズは、なんと「ぬい撮り専用ぬいぐるみ」!
手のひらサイズでお出掛けのお供にぴったりですし、ディズニーキャラクターやスヌーピー、ミニオンズ、ポケットモンスター、さらにはハリーポッターまで様々なぬいぐるみ達が揃っています。
普通のぬいぐるみと何が違うかと言いますと…。
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- 安定してお座りができる
普通のぬいぐるみよりもお尻の面積が広く、平らになっているのでお好きな場所に安定してお座りさせることができます。
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- 腕がひっかけられる
腕が前に出ているので、籠などからちょこんと顔を出すことができます。
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- 小物を持たせられる
両手が繋がっているので、可愛い小物を持たせることができます。
ぬい撮りをしたことがある人なら誰でも思ったことがある「こうだったらいいのにな」が詰め込まれています。
テクニックで何とかカバーできる部分もありますが、ちょっこりさんならぬい撮り初心者でも上手にぬい撮りを楽しむことができます。
テレビ番組で紹介
ぬい撮りブームは拡大を続け、いくつかのメディアでも紹介されています。
その中でもやはりテレビ放送の影響は大きく、日本テレビの news every. でぬい撮りが紹介された際には「可愛い」「癒された」「やってみたい」ととても大きな反響があったようです。
ぬい撮りには以前から否定的な声も多かったようですが、この時ぬい撮りを紹介してくれた方が素敵だったためぬい撮りに良いイメージがついたのではないかと思います。
少し話がそれますが、
私はアニメの声やキャラクターなどがどうしても苦手で、そういった趣味を持つ人を避けていた時がありました。
しかし、中学で同じクラスになったアニメが大好きな男の子がとても明るくて、私の中の「アニメ=陰気」というイメージが、彼と関わってから変わりました。
趣味は「自分の好きなことを楽しむこと」ですから、人の好きなことや夢中になっていることに文句を言うのはもちろん良くありませんが、他人に一歩踏み込んでもらいたかったら、近寄りやすい空気を作ることが大切だなと感じました。
制作者さんの努力や売り込み方、ファンの姿勢で今や「アニメ=陰気」という考えは古くなっています。
はじめは「気味が悪い」という声が上がっていた「ぬい撮り」という新しいジャンルも、誰もが興味を持って気軽に覗きに来れる世界になればいいなと思います。
いつもの写真がぱっと明るく!
インスタグラムの流行で、「インスタ映え」するカフェやプールなどが流行りましたね。
これはあくまでも私の意見なのですが、みんな同じようなものを食べて、同じような所へ出掛けて、同じような写真を挙げているので、写真を見る側としては飽きてくるというか…個性がありません。
そこで登場するのがぬいぐるみです。
ぬいぐるみが写っているとぱっと目を引く
みんなと一緒に出掛けた時の同じ場所、同じ食べ物が写った同じような写真でも、可愛いぬいぐるみが写っているだけで差別化を図れます。
ある場所で撮った写真Aと、同じ場所でぬいぐるみが写りこんでいる写真Bを見比べて、どちらが「いいね」と思ったかアンケートを取った結果、多くの人がぬいぐるみが入ったBの写真を選びました。
可愛いぬいぐるみが写っていると目につきやすいですよね。
自分のアイコン化
素敵な所へお出掛けしたり美味しいものを食べたりすると、誰かとシェアしたくなりますよね。
しかし、自撮りやお友達が写っている写真はシェアの範囲に限界があります。
私も高校生の頃にたくさん写真を撮って楽しみましたが、遠征での写真は部活のグループラインで、友達と出掛けた際の写真は公開範囲を設定したタイムラインで…とかなり狭い範囲でした。
もちろん知らない人に顔を公開できないというのもありますが、自分の写真は誰得?という思いもありました。
綺麗な海と自撮り、可愛いケーキと自撮り、「楽しかった~♡」「美味しかった~♡」のコメント…。
写真を公開して誰かを笑顔にできるタレントでない限り、自分のような一般人が世界に向けて発信するものではないのでは…?と思う方も多いのではないでしょうか。
そこで自分の分身としてぬいぐるみを登場させよう!というわけです。
ぬいぐるみ好きは写真を見ていて楽しいですし、公開範囲が広くなるので、同じぬいぐるみ好きと広く繋がることができます。
特別なことが無くても楽しめる
ぬいぐるみがいれば、特別な日や旅の思い出はもちろん、なんでもない日も素敵に切り取ることができます。
SNSでは、このようにぬいぐるみと一緒に日々の生活を切り取っている方もよく見かけます。
特別な報告はいりません。
朝起きたらぬいぐるみ達がいて幸せ、今週はこんなことを頑張りたいな、今日は寒い一日だったな、庭の花が咲いた…など。
自分はここでこんな風に暮らしているけれど、別の場所で誰かも一日頑張っていたみたい、都会の方はもう暖かいのかな…とふと多くの人の生活に思いを馳せます。
何でもない誰かの日常風景がタイムラインに流れてくると、ほっこり、幸せな気持ちになります。
特に、お部屋を綺麗にしていたり、さっぱりとおしゃれをしている人の素敵な日常は覗きたくなりますし、SNSの世界だけでなく普段から丁寧な暮らしをしている方のオフショットは、ぬいぐるみもとっても幸せそうです。
ぬい撮りをきっかけに、丁寧な暮らしを始めてみようと思うのも良いかもしれません。
自分だけの「相棒」に
出掛け先で写真を撮ろうとぬいぐるみを連れて歩いていると、ぬいぐるみと共有する思い出が増えてきて、自分だけの「相棒」になります。
「生きている動物じゃあるまいし」と思った方!たかがぬいぐるみ、されどぬいぐるみです。
いつも同じ何かを持ち歩くことでスイッチを入れる「ルーティン」は本当に効果がありますし、ものを大切にするのってとても大切なことなんです。
ということで、ここでは「相棒のすすめ」をお話しします。
旅行に同伴
突然ですが、私は最近開設したツイッターで、色々な所を旅行するダイバーの方を知りました。
彼女は「記念撮影で風景だけ撮るより、自分の分身としてぬいぐるみを写りこませるのはどうか?」ということで、旅行にぬいぐるみを連れているそう。
こちらがお願いして送っていただいた写真です。
ダイバーさんらしい爽やかな一枚ですね!東北人の私にとっては「憧れの夏」が詰まった感じです。
綺麗な景色にお気に入りのぬいぐるみが写っていたら、思い出もより可愛く残ります。
旅の相棒といったら、旅行に行くときに必ず持っていく愛用のスーツケースを想像してみてください。
一緒に旅してきた場所のステッカーが増えていくと、「一緒に色々な所を旅したな」と愛着がわきますよね。あんな感じです。
仕事柄あちこち飛び回る方は、ぜひ素敵な相棒を見つけて色々な所を旅してほしいと思います♪
日常をぬいぐるみと一緒に
あまり遠くに出掛けない人こそ、いつもと同じ毎日に彩りを添えるために相棒を探してみてほしいです。
いつもこの子と一緒にいる、というルーティンになりますし、頑張り時が訪れるたびに元気を貰えたり、疲れた時に癒されたりすると思います。
お仕事の相棒だと、大事な時にいつも身に着けているお気に入りのネクタイ。学生さんだと、辛い受験勉強を一緒に乗り切ってきたシャープペンシルなど。一緒に大きな壁を乗り越えた思い出はなかなか離れません。
お仕事や学校にぬいぐるみを持っていけない、という方はカバンにつけるマスコットなどでも十分です。
写真↑は私が高校時代ずっとリュックに着けていた『うまこ』。部活の友達からのプレゼントです。
↑はぬい撮りによく使われる「かえるのピクルス」シリーズの小さいマスコットで私物の『あむーる』。
ぬい撮り界隈では、このようにボールチェーンなどがついた小さなマスコットが撮影しやすいという事で重宝されています。
ぬい撮りをしているうちに、「相棒」のようにぬいぐるみを可愛がるようになってくれたら嬉しいです。
ぬいぐるみ専門の旅行代理店も
ぬいぐるみ文化の薄い方には驚きかもしれませんが、なんとぬいぐるみを旅行に連れて行ってくれる「ウナギトラベル」という旅行代理店があるんだとか。
これは2010年に始まったぬいぐるみ専門の旅行サービスで、依頼者も様々。
例えば家族や友人の方に楽しいサプライズを仕掛けたい方。
私も5歳の頃からずっと一緒にいる子ヤギの「めぇ」がいるのですが、めぇが旅行に行っている写真が来たら嬉しいです…!
また、日本の文化に興味がある海外の方からの依頼もあるんだとか。
人間が旅行に行くよりも費用が掛かりませんし、忙しくて旅行に行けないという方でも気軽に旅行気分を楽しめますよね。
そして感動なのが、体が不自由だったり病気だったりで旅行に行けない方が、代わりにぬいぐるみを旅させたいという依頼。
外の世界を楽しめるだけでなく、自分の大切なお友達が楽しんでいる様子を見ることができたら、とても元気づけられると思います。
ぬいぐるみ達が旅を楽しむ様子を撮影してフェイスブックにあげるので、ぬいぐるみの持ち主さんはリアルタイムで旅の様子を見ることができます。
旅行を申し込む人にとってぬいぐるみは単なるモノではなく家族の一員です。持ち主さんの気持ちを大切に、丁寧に旅をさせてくれる素敵なサービスですね。
ぬいぐるみはたくさんの人を救っています
さて、ここまでぬい撮りの流行や楽しみ方をお話してきましたが、最後にぬい撮りはこんな風にも役立っているのだという例をご紹介したいと思います。
私の経験談になってしまいますが、同じような状況の人をぬいぐるみの力で少しでも救えたらいいなと思います。
私が「かえるのピクルス」と出会った話
高校生の時私は元々の完璧主義が災いし、不安障害と診断され、動けなくなってしまいました。
心配してくれる友達や恋人からの連絡が怖くて、全てシャットダウン。
単位も成績も充分だからと学校の先生も親も進路についてたくさん調べ物をしてくれましたが、これからのことを考える元気も出ず。
やりたいことも見つからないまま、現状に焦りながらもだらだらと過ごしていました。
そんな時、すっかり夜型になって毎週見ていたのがテレビ朝日の「アメトーーク!」。
そのスタジオに飾られていたかえるのぬいぐるみが可愛くて可愛くて。
小さい頃から物欲がなくて親せきを困らせていた私ですが、この時母親に「あのかえるちゃんが欲しい‼」とお願いしたことを覚えています。
調べてみると、私が生まれる前に叔母がヨーロッパ土産に買ってきてくれた「かえるのピクルス」シリーズということが判明。
これには運命を感じ、居ても立っても居られなくなり、少し離れたショッピングセンターに出かけてみると(田舎なのに)奇跡的にアメトークモデルのピクルスちゃんが!
さっそくお迎えし、以前からいるぬいぐるみ達と一緒に飾ることに。それがこの子です。
ビタミンカラーでにっこりと笑っているピクルスちゃんに、いつも元気を貰っていました。
ぬい撮りが外の世界に連れ出してくれた
かえるのピクルスと出会って新たに知ったのが、ぬい撮りの存在でした。
ピクルスちゃんはぬい撮り界隈ではメジャーな子らしく、調べてみると素敵な写真がたくさん。
以前から人と繋がるのが苦手でツイッターを開設していなかった私は、「色んなピクちゃんが見たい!」という理由でツイッターを始めることに。
そこで見たそれぞれのお家で幸せに暮らすピクルスちゃんたちに癒され、うちの子も外に連れ出したいと思うようになりましたし、ぬいぐるみを求めて人の多いショッピングセンターにも行くようになりました。
よく、心の病の人はお仕事や学校には行けなくても、好きなことのためには外出できると言います。
健常な方は「なんて贅沢な!」と思うかもしれませんが、外出できないというのはとても辛いことで、好きなことだけでも外に出られるのはとても大きなことなのです。
私は無趣味だったので「好きなことのための外出」が無かったのですが、一年経ってようやく「ぬい撮り」という趣味に出会えました。
今では将来のことについて前向きに考えられるようになり、過剰に不安を感じることもなくなりました。
また、おしゃれをして出掛けるのが楽しくなりましたし、いつかはピクルスちゃんのイベントに行きたい、高校の時の友達と会ってお話ししたいと思っています。
以前からの自分自身の頑張りや家族のサポートもありますが、確実に私の治療にぬいぐるみは大きな成果をもたらしてくれたと思っています。
ぬいぐるみのセラピー効果+写真の楽しさ
今までの人生、順風満帆で来た方にとっては「ぬいぐるみで?」「大袈裟だなぁ」と思うかもしれません。
しかし、自分でも驚くことに私はぬい撮りに救われました。
誰もがいつかはぶつかる困難を人より若く乗り越えたという自信もあります。自分を守る術も、気持ちをコントロールすることも身に着けています。
そして、ぬい撮りに助けられた人は私だけではありません。
ぬい撮りのために開設したツイッターで、素敵な経験を教えてもらいました。
「当時歩くのも大変なくらい腰が悪くて引きこもっていた」という方。
ツイッターでぬい撮りを知り、ぬいぐるみを連れてゆっくり散歩するようになり…写真で交流することが楽しくてぬい撮りにはまっていったそう。
たまたまぬい撮りをしている人に出会ったら声をかけたりして、ぬい撮りは「元気のもと」とのこと。
とっても素敵なエピソードですよね…。
怪我や病気、体の不調、心の病…原因は色々あれど、外に出るのがしんどいという人は多いと思います。
しかし、お日様を浴びたり自然を眺めたり、人と触れ合ったりと外出はとても大切な事です。
その外出のきっかけを作ってくれるのがぬい撮りです。
ぬいぐるみの癒し効果と外に出ることの楽しさを併せ持つ、素敵な趣味だと思いませんか。
まとめ
- ぬい撮りは様々なツールを通じて人気が広まってきています
- ぬいぐるみを写すことで、特別な時もそうでない時も華やかに残すことができます
- 喜怒哀楽を共にする「相棒」ができると旅や日常に彩りがでます
- ぬい撮りによって助けられた人たちがたくさんいます
ぬい撮りについて、初心者さん向けに説明してきました。
私の熱が入ってしまい、思ったより深い世界だな、と思った方もいるかもしれません。
始めてみると本当に楽しくて深いのですが、取っ掛かりはとても簡単なので、興味があったらぜひ挑戦してみてほしいと思います。
そして、ぬい撮りを楽しんでいる人たちは本当に温かいので、ぜひ写真をシェアして楽しんでみてください♪